Love Live!Aftertalk!

妄想をただ書き連ねる覚書。更新情報等はTwitterにてお知らせしております。

~私達はもともと「個性的」~ラブライブ!2期 ハイライト #6「ハッピーハロウィーン」

皆様こんばんは。

さて今回もはりきって今話題のラブライブ!2期を考察してまいりましょう!!()

....さてさて、サンシャイン二期の放送日が確定しましたね。これで「二期開始前までに完了させる!」と宣言してきた「ラブライブ!2期考察」が期日までに完了するかが俄かに怪しくなってまいりましたがw 

本BLOGは変わらずマイペースに参ろうと思います。引き続きよろしくお願いいたしますm(__)m

今回は#6「ハッピーハロウィーン」です。

2期屈指のギャグ回という印象もあるこの回ですが、転じて前回と同じくラブライブ全体が持つテーマを引き続き表現した回となっております。

また2期全体においても重要な要素をもった回となっておりますので、こちらもしっかりと考察していきたいなと思います。それでは参りましょう。

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■#6あらすじ

季節は秋。秋葉原ではハロウィンパーティーが開催されることに。見事予選突破を果たしたμ'sは、アキバを拠点とするA-RISEと共に「東京を代表するスクールアイドル」としてパーティーにゲスト参加することに。ラブライブ優勝を目指すμ's。ここでA-RISEよりも「目立たなければ」とても本選では勝てないと主張するメンバーたち。「A-RISEに勝つにはどうすれば良いのか」それを求めるあまり暴走していくのですが...。

 

■#6主要登場人物

高坂穂乃果

「A-RISEに勝ちたい」。その目標の為自らも迷走していく穂乃果。しかし彼女の気づきがきっかけでまたしてもμ'sは迷走から脱することに。

南ことり

1期において「未来」よりも「今」を選んだことり。それ故に彼女は最も「今」の価値を知っている人物。そんな彼女が発する「言葉」も今回において重要なシーンの一つです。

■ハロウィンイベント

見事予選を突破したμ's。狭き門を突破したことで知名度もうなぎ上り。そんな事実を証明するように、今回秋葉原で開かれる「ハロウィンパーティー」にA-RISEと共にゲストとして招かれることになります。

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このイベントは「戦い」ではありません。しかしA-RISEとの共演は意図せず自分たちが彼女達と比較されることに繋がります。μ'sの目標はあくまでも「ラブライブ優勝」。その為にはどんな舞台であれA-RISEに後れをとるわけにはいきません。

「私達の目標はラブライブ優勝!」「A-RISEよりも目立たなければいけない!」

「今まで通り」ではA-RISEには勝てないと感じているメンバー。どうすれば彼女達を超えられるのか。

インパクト」「新しさ」...。

答えの無い解答を求めて、μ'sの「迷走」がスタートします。

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さて、今回のテーマ、どこかで聞き覚え・見覚えがあるはずです。もうお気づきとは思いますがラブライブ!サンシャイン!!第5話「ヨハネ堕天」および第6話「PVを作ろう!」と同じテーマを内包しています。(もちろんサンシャインがこの話のリブートをしているわけですが)

これだけ繰り返し「同じテーマ」を用いるということは、それだけこのテーマに「意味がある」ということ。そういった意味でもこの#6は「ただのギャグ回」以上の意味をもった回でもあります。

■「持ってない」μ's

イベントは街を挙げての大々的なもの。まさかのキックオフイベントまであります。

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(唯一作品を跨いで登場しているはっちゃけお姉さん=俺命名もここが初登場!)

はじめての大きなイベントに戸惑いを隠せないμ's。代表して登壇した穂乃果・凛・にこも緊張を隠せない様子。

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お姉さんがそれぞれに意気込みを聞くものの...

穂乃果は「無難な返事」しか返せず。

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凛は自らの「キャラ」をアピールするも、残念カメラ目線ではない方向にアピールしていしまい...

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にこに至っては「にこにこにー」を言わせてもらえない...と、

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3者3様「上手くアピール」を行えません。

そんな3人に対し、A-RISEは「ビデオコメント」での出演ながら、映像を利用した早着替えと自分たちの学校を使用した派手な演出で、観客やお姉さんの注目を一期に集めることに成功します。

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自分たちの見せ方をしっかりと把握している実に「プロっぽい」A-RISE。その実力をまざまざと見せつけられたことで、μ'sの「焦り」はより加速していくことになります。

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自分たちの「持ってなさ」に対する自覚が、μ'sを「迷走」へと駆り立てていくのです。

 

■試行錯誤

インパクト」を求め試行錯誤を始めるμ's。

「キャラ付」を狙って「部活系スクールアイドル」に挑戦します。

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それぞれが振り切って演じる「部活系」のキャラは非常にコミカル。しかし、彼女たちの「本質」とは何ら関係ないチョイス。あまりにも「ぬるい」キャラ付けで、とても一貫して使用できるレベルにはありません。

続いて手を出したのは「根本のイメージを覆す」キャラクター。ということで真逆に振り切った「K〇SS」風なイメージ。

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確かに「イメージは覆り」ましたが、もはや「アイドル」ですらありません。

また、学校の風紀を乱したことで理事長から呼び出しを受ける始末。

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理事長からのお説教にも反抗する姿勢を見せるメンバー。そんなメンバーに、理事長がこの衣装を認める対案として出したのは「今後もその衣装で活動していくこと」というもの。その言葉に冷静になるメンバー。「根底を覆すイメージ」はあっさりと「失敗」に終わります。

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さてこの2つのコスチュームに共通しているのは「安易なキャラ付」という部分。確かに「インパクト」や「新しさ」はあるかもしれません。しかし安易で付け焼刃なキャラクターのドーピングは決して長くはもたないもの。それを看破しているからこその理事長のツッコミであり、それを理解したからこそμ'sも「付け焼刃」を「止める」わけです。

この辺りはサンシャイン第5話「ヨハネ堕天」でも全く同じモチーフで再現されましたね。

 

■お互いになりきれ!

試行錯誤のなかで試したもう一つの「CHANGE」。それはμ’sメンバー同士がそれぞれに「なり切る」というものでした。

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もはや「何のため」にやっているのか、目的すら見えない行動ではありますが(笑)。しかし結果としてこの行動が穂乃果にある「気づき」を与えるきっかけになります。

それぞれが互いを演じることは、客観的に「自分を見る」ということに繋がります。そしてその行動の中で改めて自分の「アイデンティティ」を理解することが出来る。このタイミングでは気付くことが出来ませんでしたが、客観的に自分たちを見たことで、彼女達は自分の「個性」に関して改めて理解することが出来ました。

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絵里演じる花陽の「みんなが~~~変よ」で中断される「なりきり」。もちろんこの「変」は「みんなの様子が変」という意味で発せられていますが、言外として「変=個性」というダブルミーニングでも使用されているように感じられます。

自分では気づかないけど、やっぱり皆どこか「変」なはずで、それは決して悪いことではないのです。「変」なところは同時にその人の「個性」でもあるはず。「みんなちがって、みんないい。」じゃないですけど(笑)。

www.youtube.com

それに気づくことが出来たのだから、決して無駄ではない行為だったように思えます。そしてこの「気づき」が終盤の結論にも影響を与えていきます。

 

■「役割」と「今」

試行錯誤の結果、結局「無難な路線」で行くことになったハロウィンパーティー。にこは率直に不満を漏らします。

「くだらないことに時間を使っただけじゃない!」。

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自分が地味な裁縫作業を担わされていることにも不満を露わに。

そんな荒ぶるにこを諭すのはことり。ことりは凛とした表情ではっきりと主張します。「そんなムダな時間じゃなかったと思う」と。

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ことりがなぜここまで冷静に、にこを諭すことが出来るのか。それは彼女が1期において自らの「未来」を一旦放棄し「今」を選んだ人物だからでしょう。

自らの「将来」に繋がる「留学」と、高校生活の「今」を引き合いにし、高校生活を選択したことりは、μ'sにおいて最も「今」の「価値」を理解するキャラクターです。彼女にとってはμ'sの一員として過ごす一日一日が「かけがえのない日々」。そこに「ムダな時間」は1秒として存在しません。

にこがこの時点では理解していないそんな「今」の価値、「μ'sとして過ごす時間」の価値を理解するからこそ、ことりは「μ'sのために出来ること」をする時間を無駄とは感じない。「μ's全員で何かをする」時間をかけがえない時間だと認識できる。このシーンはそんな彼女の立ち位置と気持ちがはっきりと見て取れる、2期においても非常に大事なシーンの一つだと感じています。

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外でこっそりとことりの気持ちを聞いている希。彼女もまたことりの気持ちを理解する人物なわけですが、この辺は#8あたりまでお預けですね。

 

■私達はもともと「個性的」

結局通常通りのハロウィン衣装でハロウィンパーティーに臨むことになったμ's。準備へと向かう最中、ハロウィンの飾りつけで賑わう街中でじゃれあうメンバー。そんな様子を見つめながら穂乃果は一つの解答を得ます。

「私達はきっと今のままでいいんじゃないかな」

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はじめは「学校を廃校から救う」「スクールアイドルになりたい」「スクールアイドルを続けたい」「音楽を辞めたくない」「友達のため」など様々な理由で集ったμ's。動機がバラバラで全く関連性も無かった彼女達は、決して一枚岩のユニットとは言い難いグループでした。そんな彼女たちはお互いが抱える問題や課題を協力して解決する中でお互いのことを「理解」し、連帯を強めていきました。

いつの間にか忘れていたけれど、自分たちははじめから十分に「個性的」だった。だとすれば何も後付の「個性」なんて必要ない。そのままの「自分たち」を表現することができれば、それは紛れもない「オンリーワン」になるはず。

穂乃果の得た解答とは、前回凛が得た解答とも共通するもの。

自分たちは「今」のままで、十分に「輝ける」。

そこに気付けたからこそ、μ'sは自信をもってハロウィンイベントにも挑むことが出来るわけです。

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Dancing stars on me!

ハロウィンパーティーにてμ'sが披露したのは「Dancing stars on me!」。

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ハロウィンのワクワクを全面に押し出した、至ってシンプルでスタンダードな楽曲でした。はじめ夜のカキワリの前で踊り始めたμ's。舞台は夜から昼に変わり、やがてカキワリを飛出し秋葉原の電気街へと飛び出していきます。

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舞台が次々と変わっても、衣装が変化せずにパフォーマンスを続けるμ's。そこには例えどんな「シチュエーション」でも「変わらない自分たち」が、その「個性」が、表現されているように感じます。(これは後に劇場版ラブライブでもリブートされます)

彼女達は「輝く」ことの「意味」と「価値」を、「今」を生きる事で知り、それを「体現」していきます。そこにラブライブ2期という物語が持つ価値も内包されているのです。

ラブライブの根底にある「自分を理解」し「自分を愛する」こと...というテーマ。今回の#6はそのテーマが最も分かりやすく表現された回でもあります。故に私は個人的にこの#6は重要な回だと認識しているわけなんですね。

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と、いうわけでまたちょっぴり成長したμ's。いよいよラブライブ本選へと時計は進んでいきます。

時を同じくして雪穂が見つけてしまったある「手紙」。

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前回1期において、物語を一気にシリアスな流れへと巻き込んだ「手紙」。それゆえに深刻な事態を想定させるミスリードとして働いたわけですが(今にして思うと雪穂の演技がギャグテイストなのでまったく深刻な雰囲気に見えないw)、そのお話はまた次回!

 

以上#6でした!

今回はシンプルイズベスト。話す内容がはっきりしているので割と楽でした!毎回こうありたいw

それではまた次回お会いいたしましょう♪

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~「今」のままで「新しい自分」に変わること~ラブライブ!2期 ハイライト #5「新しいわたし」

こんにちは。そしてこんばんは。

今回も「ラブライブ」の考察a・k・a妄想をお送りして参ります。

さて、今回は2期...というかラブライブ全体を通しても個人的な思い入れが強い回。星空凛が主役となる#5「新しいわたし」をお届けします。

これまでそれほどスポットライトが当たってこなかった凛というキャラクター。そんな彼女が抱えるトラウマとそれに起因して発生する「カセ」。それを乗り越えることで手に入れる揺るぎない一つの「答え」。

とても感動的なエピソードであると同時に、「ラブライブ」という作品そのもののテーマにも強く関係している回でもあります。

またこのエピソードは続く#6「ハッピーハロウィーン」やラブライブ!サンシャイン!!における4話「ふたりのキモチ」や5話「ヨハネ堕天」とも通ずるテーマを内包しています。

そんなわけでシンプルに、それでいてこの回の持つ重要性をしっかりと伝えられるように頑張って書いていければと思います。よろしくお願いしますm(__)m

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■#5あらすじ

2年生たちが修学旅行へと出かけるなか、不在となった生徒会業務を手伝うことになった旧生徒会長と旧副会長である絵里と希。実質的に1年生3名と部長であるにこの4人で練習を進めていくことになったスクールアイドル部。将来を見据えた上で1年生のうちの誰かが仮リーダーとしてμ'sを引っ張ることに。そこで抜擢されたのは凛。周囲も凛ならばいつもの調子で軽く受け入れるだろう...と思っていたが、当の本人は乗り気ではない様子。そこには凛がμ'sへ加入する以前から抱えている「トラウマ」に要因があるようだが...。

■#5の主要登場人物

星空凛

今回のヒロイン。いわゆる「ボーイッシュ」な「元気キャラ」として認識されていた彼女。しかしその表向きのキャラクターとは違う一面を抱えていたことが明らかに。実は1期からチラチラと張られていた伏線が、いよいよ一気に回収される。それと同時に、「星空凛」というキャラクターの深さをファンだけでなく、演じる飯田里穂すらも理解するキッカケとなった回でもある。

小泉花陽

少女マンガ的に言えば、今回のヒーロー(?)。幼少期からの凛を良く知る人物というだけでなく、お互いに「かけがえのない親友である」という強い絆で結ばれる二人。いつもはことさらに自己主張することのない彼女が発した「強い主張」。それが凛を救う一言にもなる。

西木野真姫

凛と花陽がピックアップされがちな今回だが、ひっそりとそれでいて的確に凛の真意をつかみ行動に移していた真姫。「りんぱな」だけでなく「まきりんぱな」の絆も健在。

高坂穂乃果

今回は修学旅行中なので出番薄。とはいえ穂乃果の成長も感じる登場シーンに。意図して出しゃばらず、凛のこと・これからの「μ's」のことを見据えて「センター決定」の判断を花陽に託す。仲間を信頼できるようになったのは、穂乃果が1期から成長している証。

■「リーダー」の「不在」

修学旅行で不在となる2年生3人。本来は生徒会組でもある彼女たちが不在となることで、そのフォローをすることになる旧生徒会勢(絵里・希)。...ということで稼働できるメンバーは部長のにこと1年生3人のみ...という状況。メンバー不在時でもラブライブに向けて練習は続けなくてはいけない。そんな中「暫定のリーダー」を決めることに。

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(雨は停滞の予感。それと同時に雨模様の天気...というのも物理的に重要な伏線として機能することに。)

協議の結果選ばれたのは凛。まさかの抜擢に驚きの表情。

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今回、「問題解決能力を持った」「リーダー」が「不在状態」となるのは、意図的なシナリオ構成に思えます。

注)にこも「リーダー的な素質」を持った人物ではありますが、それは「アイドルに関わる事柄」に関する時のみ。こと「一般的な問題」の解決能力に乏しいにこ。今回も終盤まで凛が抱える「悩み」や「問題」には気づく様子はありませんでした。

「問題解決能力」のある「リーダー」を舞台上から省いた要因は、「残されたメンバー=1年生」が中心となって課題を解決していく物語を描きたかったからなのでしょう。その理由がどこにあるのか...に関しては後述することといたします。

 

■凛が抱える「カセ」

暫定リーダー就任の申し出に、頑として首を縦に振らない凛。絵里の説得で最終的には了承するものの、本質的には了解していない様子でもあります。

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凛が「リーダー職」を受けたがらない要因として、「自己評価の低さ」があります。「自分はアイドルに向いていない」「女の子っぽくない自分がアイドルをやっていること自体がおかしい」と考えている凛。故に「グループ内で目立つセンターを兼任することになるリーダーは出来ない」というのが凛の理屈。

凛がなぜここまで「卑屈」になってしまっているのか...。その原因は1期の時点でも明かされていた通り。過去の「トラウマ」が原因です。

幼少期には持前の運動神経の良さも相まって「男の子」のような風貌で、「男の子たちと遊ぶ」機会も多かったであろう凛。しかし本来は「女の子らしい服装」を好む彼女。ある日勇気を持って「スカートを履いて」登校します。

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彼女なりの勇気を振り絞っての「自己改革」。しかしその「勇気」は男子陣の冷やかしの対象となってしまいます。「いつもは男みたいなのに今日はスカート履いてる!」

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人生最初の「自己改革」への決断と、その動機となる「勇気」を全否定された凛。この一件は「トラウマ」となり、その後も彼女の「カセ」となって纏わりつくようになってしまうのです。

「目立つ事」を極力嫌うのも、「自分らしくないことをして目立った結果」「謂われのない誹謗中傷を受けた」ことが原因となっているように思えます。

その後は「変革」することを恐れ、「周囲が認識する・期待する自分」であり続けることに注力した凛。

結果として「ショートカット」・「元気」・「男の子っぽい服装」という要素が「凛を形作るもの」になりました。もちろん、これら全てが「外付け」の「凛のステータス」では無いでしょう。しかしそれが本来の「凛」にどこまで「近いステータス」なのか...と問われれば、その答えを知っているのはほかでもない「凛」自身しかいません。そしてやはりそこには目に見えない「歪み」が明確に生まれている。今は小さな「歪み」でも、やがて大きくなった時、どれほどのダメージを凛に与えるか分からない「歪み」。凛が抱える「カセ」とは思った以上に「深刻」な、「病」の温床となるような、重大な意味を持つものなのです。

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では、凛が抱えるこの「カセ」をどのようにクリアしていくのか...というのが今回の物語の主軸となるポイントですね。

 

■「なりたい自分」

台風の影響で沖縄から東京に戻れなくなった2年生陣。これにより本来は9人で出演する予定だった「ファッションショーでのライブ」に6人で出演することになるμ's。そしてなし崩しではありますが、仮リーダーを務める凛がセンターポジションに着くことに。

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更に衣装は「女の子にとっての最大の憧れとなる衣装」=「ウェディングドレス」風の衣装。

仮リーダーの役割はあくまでも「穂乃果たちが戻ってくるまで練習を率先して見る役割」と考えていた凛。ただでさえ「目立ちたくない」にも関わらず、なし崩しでセンターへと抜擢された事。さらに「女の子らしい衣装は自分には似合わない!」と主張することで、断固としてセンターで踊る事を拒否します。

この抗議は確かに一理あるかも...と理解を見せる絵里と希。凛はここぞとばかりに代役として花陽を推薦。センター職から逃れます。

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ほっとした様子をみせる凛。しかし花陽と真姫はその瞳の奥にある「真実」を、敏感に察知します。

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本来であれば「女の子らしい服装」を好む凛。そのことを知っている花陽は、その「女の子らしさ」の極地にある「ウェディングドレス風衣装」を凛が「着たがらない」という事実に違和感を感じています。

真姫は凛の「欲求」自体を完璧には理解はしていないのかもしれません。しかし普段密に凛と接する中で、彼女のもつ「本質」を2年生や3年生よりもはっきりと理解しています。それ故に凛の「異変」にもいち早く気づいたのではないでしょうか。

そして恐らく花陽の予想通り、凛はこの「ウェディングドレス風衣装」に強く惹かれていたはずです。しかし、その「欲求」を自ら手放す。そこにはどんな理由があるのでしょうか。

衣装を目の当たりにした凛は、意図せず「自分自身が本来欲求する自分=ウェデイングドレス風衣装を着た自分」を脳内で想像したはずです。その結果「自らの本質」と「仮初めの自分」との「乖離」にも真っ向から向き合うことになってしまったのではないでしょうか。そしてその「乖離」に耐えられなくなったからこそ、衣装の前から「逃亡」したのではないか...と考えられます。

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「乖離」を「直視」する事から逃れた凛。あくまでも「仮初めの自分」を守ることに注力します。「本来の欲求」から離れたその行動。その一見理解できない行動の元には、「傷付きたくない」という「自己防衛本能」があるのでは?と理解できます。「本来の自分」よりも「仮初めの自分」を優先する選択基準。そこにはかなり「歪」な精神構造が見え隠れします。

とはいえ凛の振る舞いは一件「自然」そのもの。故に3年生3人は彼女の異変に気付くことが出来ません。しかし凛の状態は決して「健全」とはいえないもの。となれば、「異変」に気付いた1年生二人が、その状態を「健全化」するために動く必要が出てきます。

それはすなわち「凛自身」に「本来の欲求=本来の自分」を「承認してもらうこと」です。

 

■かけがえのない人・そして他者からの「承認」と自己の「解放」

凛の異変に関して、穂乃果に相談する花陽。「穂乃果ちゃんならどうする?」と質問します。穂乃果は一瞬答えようとするも、すぐに考えを改め...

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「それは花陽ちゃんが決めることだよ」とアドバイスを送ります。今回の問題に関して、自分が意見を述べたところでそれは完璧な解答にはならない。凛を最も知る花陽だけが正解を持っているはず。それを理解しているからこそできるアドバイスでもありますね。

とはいえ、このシーン。今まで何にでも首を突っ込みがちだった穂乃果という人物の成長と同時に、メンバーへの信頼の深さを感じるという、非常に良いシーンでした。

ライブ当日。リーダーとして指示を送る凛。そんな凛にメンバーが送るサプライズプレゼント。それはセンターポジションへの復帰と、「ウェディングドレス風衣装」でした。

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メンバーから「凛が一番似合う」「本当に女の子らしいのは凛」と今回のセンター選出に関しての理由を述べられてもなお、その立場を固辞する凛。そんな凛の頑なな心を溶かせるのは、やはり親友たる花陽の「言葉」だけです。

自らを「アイドルに向いていない」「可愛くない」と評価する凛へ真っ直ぐに贈られる花陽の激賞。

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「凛ちゃんは可愛いよ!」

「私が可愛いと思ってるもん!」

「抱きしめちゃいたい!って思う位可愛いって思ってるもん!」

普段はことさら自分の「主張」を告げない花陽。だからこそ、そんな彼女の「主張」には強い言霊と説得力が宿ります。そしてその意味を凛も理解しているからこそ、彼女の心も花陽の言葉によって「動かされる」のです。

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花陽が以前に「自己主張」をしたのは1度きり。それはμ's加入時の「主張」です。あの時、どうしても「あと一歩」が踏み出せなかった花陽の背中を押してくれたのは真姫であり、凛でした。だからこそ、今度は自分の「主張」で凛の「背中を押したい」。

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これまでの物語を綺麗に「伏線」として回収し、反映させる。その意味合いを視聴者が理解できるからこそ、より深い感動を誘う。シリーズ作品ならではの美しい演出ですね。

そしてその意味合いを理解しているのは、作中の凛も同じ。真姫と花陽が具体的に「背中を押す」ことで、ようやく自分の殻を破るきっかけを得た凛。遂に憧れの「ウェデイングドレス風衣装」を着て、センターとして舞台に立つことになります。

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緊張の面持ちで舞台に上がる凛。久々に「他者」から「自分を評価」されることになります。しかし凛に浴びせられたのは誹謗中傷ではなく、賞賛の言葉。「可愛い!」「お人形さんみたい!」との声をかけられ照れる凛。そして緊張していた面持ちは、やがて自信溢れる表情へと変化していきます。

こうして他者から「受け入れられる」ことによって、本格的に自らを縛り付けていた「カセ」から解放された凛。これまでは決して言えなかった「一番可愛い私たちを観て行ってください!」という言葉すら発せられるようになるのです。そこには以前と「見た目」は変わらないものの、内面において大きな「変革」を遂げた一人の少女の姿があるのです。

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■「今」のままで「新しい自分」に変わること

ファッションショーの大成功による「成功体験」を得たことで、凛もまた「大きく変化」することができました。彼女は「自分の思う自分でいること」をようやく「自己承認」できるようになります。

「自分の思う自分でいて良い」のならば、これまで買うだけで外には着て行けなかったワンピースを着てお出かけしたって良い。

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「自分らしくないから」という理由で忌避していた「可愛い練習着」を着たって良い。

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「トラウマ」を抱え「傷付くことを恐れる」あまり、自分自身に押し付けていた「仮初めの自分」。そこから自分自身を解放し、結果としてようやく真の「星空凛」としてのアイデンティティを手にすることが出来た凛。

 1期OPテーマ「僕らは今の中で」の歌詞では、「僕らは今の中で~」なにを「待っていたのか」が歌詞の最後でようやく明らかになる仕掛けが施されています。

それは「輝き」。そこには「今」を「肯定する」ことが出来れば、誰しもが「今いる場所」で秘めていた「輝き」を放つことが出来る。そんなラブライブが持つ思想が表現されています。

凛は「自分自身」を「肯定する」ことで、「今のまま」「輝き」を放つことが出来るようになりました。

主題歌たる「僕らは今の中で」の世界観を、はっきりと視覚化した今回。

そしてこの回で提案された「価値観」は、この後物語上で繰り返し提案されていくものになっていきます。その記念すべき初回となった#5。故にこの回は「ラブライブという作品」を語るうえでも「重要な回」なのではないかな?と感じるのです。

 

■「性自認」に関する目配せ

ここからは余談ですが。

この回を見て感じるのはやはり「LGBT」特に「性自認」という話題に関する目配せです。今回の主役である凛は「女性キャラ」であり、彼女が憧れるのは「可愛い女の子」です。ただし、その前提として彼女が「外的圧力」によって「本来の自分ではない自分=男性的な自分」を「演じさせられていた」という事実があります。

そして彼女が信頼する支援者の助けを借りて「自己改革(一種のカミングアウト)」を行うことで、結果として「本当の自分」を「公け」にし、それを自分自身が「肯定」できるようになる...という物語は、非常に現代社会に対するメタ的な物語だなぁと思えるのです。

この置き換えはラブライブ!サンシャイン!!の「ヨハネ堕天」でもリブートして行われていることを考えると恐らく意図的なものと思われます。

ishidamashii.hatenablog.com

 

こういった話題を積極的に物語の文脈へと、しかもわざとらしくなく組み込む所が、この作品が「只者ではない」証拠なのでは?と思う所以なのです。もちろん原点たるGleeの影響も多分にあるんでしょうけども。

 

 ...というわけで#5でした。

ちょっと分かり辛いポイントなどは都度更新していくようにいたします。

さて、次回は2期屈指のギャグ回...と見せかけて実は2期においてめちゃくちゃ大事な回である「ハッピーハロウィーン」です。

実はテーマとしてこの#5と「全く同じ」だったりするのに、一見それが分からないように作られている不思議な回なので、こちらもしっかりとやっていきたいと思います。

今回も長々と駄文をお読み頂きありがとうございました!!

ラブライブ!  2nd Season 2 (特装限定版) [Blu-ray]

 

伊波杏樹はAqoursの太陽 Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR 神戸公演までのインプレッション

こんにちは!

Aqours神戸公演に行って、帰ってきました!

とはいえ折角行ったのに何も書かないのは寂しいので、簡単な雑感とか思ったこととかをまとめて行こうと思います。主に伊波さんのお話(またかよ!!)。

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■アーティスト「Aqours」が試されるLIVE

既に有志の方がまとめて下さっているセットリストを見れば分かる通り、今回は「脱アニメ」と「(中の人のユニットとしての)Aqoursの独り立ち」が大きなテーマになっています。

「脱アニメ」というとワードが強すぎてしまいますが、要は「アニメ楽曲」や「アニメのストーリー」に頼らないライブ構成をする....その「第一歩」としての側面が強い、ということだと思います。

実際これまでのライブで披露しているアニメ関連曲はOPテーマの「青空Jumping heart」のみ。他はシングル曲、ユニット曲、特典曲ばかり...と、ハッキリ言ってアニメ視聴のみで来場したお客さんを置いていくようなセトリ。とはいえ、今後は更に楽曲数が増え、「Aqoursとしてのパフォーマンス単体」で「大きな箱の大勢のお客さん」を平等に満足させなければならない...と考えれば、今回の構成はとても大事な練習になります。要は仮に楽曲を知らないお客さんがいても、自分たちのパフォーマンスで楽しませてしまえば勝ち...ということです。

Aqoursの人気規模から換算すると、ハコが全体的に「小さ目」なのも、今回は「アニメブーストが使えない」ことを見越して、あくまでもお客さんに「近くで」Aqoursのパフォーマンスを見てもらい、それ込で「評価してもらおう」という狙いなのでしょう。

ファイナルの西武ドームはハコとして大き目ですが、ここで今回のツアーの成果発表をし、次回(恐らく埼玉スーパーアリーナクラス)でのライブへの踏切板にしよう...という感じかなと思います。

さて、実際のところ、個人的なインプレッションとしてはどうでしょうか。

まず、1stの時点でも思いましたが、全員非常に堂々と立ち振舞っています。またクオリティ面も格段に向上しています。これまでバラード系が多かったAqoursですが、今回はダンサブルなナンバーが追加。特に「Daydream Warrior」や「SKY JOURNEY」は振り付けと映像のリンクの演出などが採用されていて、非常に技術が求められる楽曲になっています。正直「SKY JOURNEY」は音源として聞いている段階ではピンと来ない楽曲でしたが、ダンスが付くことで格段に魅力が増しました。こうやってライブでしか得られない「満足」を生み出せている時点である程度ライブは成功しているのではないかな?と思えます。

 

■それでも感じてしまう「ライブ」内での「曲の弱さ」

とはいえ、あくまでもそれは「見る」場合の話で。実は「参加する」という面では、少し物足りなさもあります。それは「ライブ向け」の楽曲の少なさです。

あまり比べたくないですが、μ'sは「そこ」の作りが非常に上手でした。「僕らのLIVE 君とのLIFE」「Wonderful rush」「No brand girls」「COLORFUL VOICE」「ミはμ'sicのミ」「Super LOVE=Super LIVE!」やBIBIの楽曲全般...など、とにかく「客が参加する」ことを前提として作られた楽曲が多数ありました。これらに共通してあるのは、楽曲の合間に「合いの手」を入れるだけでなく、楽曲そのものに「参加」することが求められる楽曲だということ。故にキャストも煽りやすく、客もノリやすい。相乗的に乗せあうので、現場で凄まじいエネルギーが発生する。それがエモーショナルな感情となって客の満足度へと繋がる。そういう「現場でしか起きえない体験」がありました。

しかしAqoursの場合は、まだそういった楽曲が無い...という印象を受けました。かろうじてその方向にある楽曲は「スリリングワンウェイ」でしょうか。

ま、とはいえここはまだ「2ndLIVE」であるという点込みで評価するべきでしょう。ここから「アーティストAqours」のLIVEがスタートしていくわけですから。

 

■「ラブライブ」というよりも「Aqours」を求めるお客さん

MCでメンバーも触れていましたが、これは私も肌で感じました。1stの頃には少なからず居た(ように思えた)、「ラブライブの後継作だから来ました」という雰囲気の方がとても少なかった。要するに「ラブライブ!サンシャイン」が好きで、「Aqours」のライブが見たくて来ているお客さんがとにかく多かったように思えました。

これは個人的にこのBlogを運営しながらの実感にも繋がっていますが(笑)。アクセスの履歴などを見ると、一時期は「劇場版ラブライブ」の記事にアクセス集中していたのが、ある時を境に「HPT」に関する記事や「2期予想」の記事、そしてサンシャイン関係の記事に集中するようになってきました。それだけ多くの人にとって、「サンシャイン」や「Aqours」が興味をそそる対象になってきた...ということなんでしょうね。

「サンシャイン」に関しては、最初から応援しながら見ている拙Blogとしましても、とてもとても嬉しい状況でございます(お前は何目線なんだというセルフつっこみ)。

 

Aqoursの太陽=伊波杏樹

前回も大きな成長を感じた伊波さん。今回はそれを踏まえた上で、更に「安心感」まで与えてくれる存在へと成長していました。

私が初期伊波さんに抱いていた印象と、その変化に関しては以前のエントリをご参考くださいませ。。

ishidamashii.hatenablog.com

 初期は責任感からから回るシーンも多かった伊波さん。それが千歌というキャラとのギャップに繋がってしまっていました。しかし今は舞台上に立つ伊波さんは常に「高海千歌」にしかみえないくらい「キャラと中の人」が一心同体と化しています。

「常に俯瞰して全てを見ている」のが、千歌であり、伊波さんの特長。だからこそ、2日目の公演終了後のあいさつでも、他メンバーが示さない視点で、言葉を紡ぐことが出来るのでしょう。

「君のこころは~」を披露する直前、フっと、初めてこの楽曲を披露した「沼津メルパルクホール」でのライブの景色がフラッシュバックしたという伊波さん。

「あの、沼津から飛び出した私たちが、今こんなに大勢の人たちの前で歌ってる。これって凄いことなんだよ」

満面の笑みで会場を見渡し...。

「だってみんなラブライブサンシャインが大好きなんでしょ!」

Aqoursが大好きなんでしょ!」

大声で答える聴衆。

「これってホントに凄いことなんだよ...。」

μ'sのファンで、小泉花陽推しだったくらいに「ラブライブ」をコンテンツとして愛していた伊波さん。故にその後継作が難しい作品になることも誰よりもわかっていたはず。「自分たちの最初のライブに来るお客さんは、必ずしも自分たちを好きになってくれるとは限らない」「もしかしたら、誰も自分たちのことなんて認めてくれないかもしれない」。

そう思いながらここまで駆け抜けてきたのでしょう。だからこそ今、会場全体が「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品を愛し、「Aqours」を応援してくれている人ばかりであるという事実に底抜けに感動できる。そしてその事実を率直に、言葉にしてお客さんやメンバーに伝えることが出来る。これこそまさに「ラブライブ!サンシャイン」と「Aqours」を束ねる人物に求められる裁量なのだと思います。

個人的にリーダーに求められる才覚として、「言ってほしいことを、言ってほしいタイミングで言える能力」というのは非常に大切なものだと思っています。そしてそれをためらわずに、ベストなタイミングで言える人こそが、本当のリーダーなのだと思います。

最初はあんなに肩ひじ張って「私が引っ張るんだー!」と頑張りすぎて、結果としてリーダーになり切れていなかった伊波さんが、今は肩の力を抜いたうえで、「ラブライブ!サンシャイン!!」というコンテンツと、それを取り巻く環境を俯瞰し、その上で皆が欲する言葉を発せるようになっている。そんなリーダーがいる限り、ボクは「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品の未来を楽観できるような気持ちになれます。今や「ラブライブ!サンシャイン!!」というコンテンツにとって、そして「Aqours」にとって、「Aqoursのファン」にとっての「太陽」と呼ぶべき存在感を発し始めた伊波さんが、埼玉ではどんな言葉を発してくれるのか。これから楽しみで仕方ありません。

 

ということで、今回のインプレッションでございました。

やばい、ディティールに触れていない!!また思いついたら追加するかもしれませんが、まずはここまで。。

~更新される夢~ ラブライブ!2期 ハイライト #4「宇宙No.1アイドル」

こんにちは。そしてこんばんは。

明日からはいよいよAqoursの神戸ライブが開始!!というタイミングにぶっこむのもどうかと思いますが、ラブライブ2期ハイライトでございます(笑)。

なんとしてもサンシャイン二期放送開始までには、こちらの考察記事は完了させたい!そんな気持ちで進めておりますので、何卒ご了承くださいませm(__)m

さて、#4は2期でも大事な「個人ピックアップ回」の第1回。栄えある1回目は矢澤にこパイセンということで、恐らく人気も高い回かな?と思います。

ストーリー自体は追いかけて行けばなにも疑問を感じない回だと思いますので、今回も自慢の妄想力なんかを活かしながら、「この回の持つ意図ってこんなかな??」というフワっとした感じで追いかけてみたいなと思います。

どうか、今回も肩ひじ張らずにお付き合い頂けるとありがたやです。

それでは参りましょう!#4「宇宙No.1アイドル」です。

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■#4あらすじ

ギリギリながらラブライブ地区予選の通過を果たしたμ's。いよいよ本選に向けて練習にも熱が入る...はず。しかし一名姿を消した人物が!それは意外なことに矢澤にこでした。普段は誰よりも熱くスクールアイドル活動に埋没するはずのにこ。そんなにこが練習を休むなんて普通じゃない!!早速その原因を探すμ'sのメンバーでしたが...。

 

■#4の主要登場人物

矢澤にこ および矢澤こころ・ここあ・虎太郎

にこにはなんと3人も下の妹弟がいた!!という衝撃(?)事実がここで発覚。しかも全員がにこを「スーパーアイドル」として崇拝し、μ'sを「にこのバックダンサー」なのだと刷り込まれている状況。今回はその背後に潜む諸々がお話のメインになってきます。ところで声優は全員を徳井青空嬢一人でこなしております。素晴らしいお仕事!

 

 

 矢澤にことアイドル

矢澤にこにとってのアイドルとは何か。
アニメ版では詳しく語られないため、想像に過ぎないのですが。折角なので考えてみましょう(笑)

今回初めて明らかになった、矢澤家の家庭環境。「母親が働いていて」「にこがいないと子供たちの面倒を見る人がいない」という点から、矢澤家が「母子家庭」である...というのは想像できます(もちろんアニメ版では正式な描写が無いため確定ではありませんが、SIDなどではこの設定が生きているようです)。

上の推測をもとに状況を組み立てれば...

母親は4人の子供のためにしゃにむに働き、なかなか家族の面倒が見られない。そんな中で一人歳の離れた長女であるにこにかかるウェイトはかなり大きい。はずです。

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決して裕福ではない家庭環境。家族を助けるために家事や育児を手伝う必要がある自分。彼女が抱える「現実」は、他のメンバーの誰もが体験していない極めて「リアル」な「現実」です。それ故なのか?局面では、にこはμ'sメンバー内では最も「成熟した」振る舞いを見せるメンバーでもあります(時折吐く格言や名言にそれは現れているように思います)。

また、眼前にあるリアル。それを見つめたとき、にこにはどうしても「明るい未来」は想像しづらいものかもしれません。

自らの厳しい「現実」。決して明るいとは思えない「未来」。

普段は仲良しにも関わらず、「家庭環境」の話題になるとムキになって真姫に食って掛かるのも、そんな「バックボーン」があるからかもしれません。

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にこがいつからアイドル好きになったのか。これに関しても詳しい記述がありません。ただ、にこがアイドルを好きになったきっかけは「アイドルに笑顔にしてもらったから」なのでは?と想像できます。

思うようにならない「現実」から。希望を見出せない「現実」から。ほんのひと時「抜け出す」きっかけを与えてくれる存在。それが「アイドル」。

にこが1期で語った名言「アイドルは笑顔を見せる仕事じゃない。笑顔にさせる仕事」という言葉も、自らがその体験者だからこそなのでは?と想像してしまいますね。

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自分が「アイドル」から勇気をもらったのだから、今度はそれを「誰かのために返したい」。そしてその対象は、まずは「自分と同じ環境に暮らす身近な存在」。

にこが「スーパーアイドル」を名乗り、その過程でスクールアイドルを始めたのは、もしかしたら「身近」な「誰か」を「救うため」だったのかもしれません。

 

■矢澤家にとっての「スーパーアイドル」

にことはかなり歳の離れている妹と弟。
彼女たちは、矢澤家の現状や現実をはっきりとは理解していません

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とはいえ、幼く可愛い妹弟たちに、自分たちの将来を「悲観」してほしくない。可能ならば「自分の未来」は輝いているのだと「信じてほしい」。

そう願うからこそ、にこは自らが「現実のスーパーアイドル」となり、それを叶える過程や姿を見せ、信じさせることで、姉妹たちにも「勇気」や「希望」を。そしてそれを「信じること」の価値を教えようと考えたのかもしれません。

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一年生時。スクールアイドルとなった頃。自らもA-RISEのような「皆に笑顔を与える存在になれるのだ」と希望を持ち、前述の通りの理由で、兄弟にも「スクールアイドルを始めた」旨を伝えたにこ。

しかしスクールアイドル活動は思うようには行かず。
その現実に耐えられなくなった部員は次々と辞め、にこは独りぼっちになってしまいました。

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しかし自らが「スーパーアイドル」となり、「姉妹にとっての希望」となることを誓ったにこにとっては、途中でその夢を捨てるわけにはいきません。辞めることは「夢を諦めること」そして「希望を捨てる姿」を妹弟に見せること

それこそ、にこにとって決して許されない選択肢でした。

故ににこは1人になっても、「アイドル研究部」を辞めなかなかったのだ...と想像できます。

 

矢澤にこと自意識

にこ以外の部員が「アイドル研究部」を辞めていった理由を、希は「他のメンバーがにこっちに付いていけなかった」と分析していました。

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自ら「スーパーアイドル」になることを誓い、「スクールアイドル」を志したにこ。
とはいえその動機とは別に、彼女の中には「完全主義者兼自己陶酔者」としての側面もあります。

ラブライブ1期では「リーダー」や「センターポジション」に固執する姿を見せたり、2期でも自分の「作詞作曲した楽曲」(当然にこセンター)をμ'sの楽曲として提供しようとしていました。

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「自らがスクールアイドルに求める理想」そして「自らがその中心にいたいという思い」が、「他者への厳しさ」へと繋がり。

やがて「自分」と「他者」とを明確に隔てる傾向として現れ、結果としてメンバーの心が離れる要因になってしまったことも否めないのかもしれません。

μ's加入時には、そんな手痛い経験を踏まえて、ややおとなしくなっていたにこ。とはいえ、彼女の願望や本質は時折顔を出します。

しかしそんな彼女の悪癖すらも「にこの個性」として受け入れたμ's。

彼女達はにこが主張を始めるたびに、スルーしたり、茶化したりすることで彼女をうまくコントロールすることに成功しました。

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これまでは他者とぶつかる要因としかならなかったにこの「性質」は、μ'sというグループに加わったことで「個性」として受け入れられました。その事実によって、やがてにこの頑なさも氷解していき、自ら「ツッコミ待ちでボケる」みたいなことまでやり始めるようになります。

結果として、これまで「欠点」になっていた要素を「自分の特長」として愛せるようになっていったにこ。そのきっかけを与えたのは「μ's」という「他者」に「受け入れられたこと」でした。

そしてこの「承認」というのは、自意識をコントロールする上でも非常に重要な要素なのです。

 

■大人になるということ

肥大化した自意識によって、周囲と自分との境界線が曖昧になり、「自分の力で世界を変えられる」というような幻想を抱いてしまう心理状況は、何故か「厨二病」などと揶揄されますが、本来であれば「思春期」には誰にでも起きうる、「自尊心の暴走」と言えるものです。
ここで問題となるのは、本人には肥大化した自意識「しか」見えていないということ。当たり前ですが、社会とは常に「自分」と「他人」によって作られています。そこには常に「他人」がいて、人それぞれ様々な「要素」を持っています。

人種、性別、言語、宗教。それらから構築される価値観、思考、思想。全てバラバラで均一なものなどありません。そしてそれら「バラバラの価値観」が折り重なって社会は構築されています。

故に「肥大化した自意識」を持ったままでは、十分な社会生活を送ることがままならなくなります。何故なら「肥大化した自意識」という自分の「ものさし」でしか、相手をはかれなくなるからです。

「自分」を物差しにして、「他人」を見た際に発生する「差」がノイズとなり、それを受け入れられない。そうなれば、その人との関係性も断絶してしまう。すなわち社会生活も断絶されることになるわけです。

「大人になる」ということは、「自意識をコントロール」し、「他者の価値観を認めることが出来るようになること」でもあります。
そういう意味では、以前までのにこはそれが出来ていなかった...ということでもあります。

しかし、受け入れるためには、まず「受け入れられる」経験も必要。成功体験が人を成長させるように、自らが「受け入れられる」ことによって、初めてその価値を認めることが出来、その結果として他人を「受け入れる」ことが出来るようになるわけです。

環境から、歪な形で「大人」にさせられていたにこ。彼女は、μ'sに入り、ミニマムな社会で「承認」されたことによって、ようやく本当の意味で「大人になれた」のかもしれません。

そして、だからこそ、μ'sはにこにとっても「かけがえのない場所」になっていくのでしょう。

■更新される「夢」そして「やりたいこと」

妹や弟に自分がアイドルをしている「実際の姿」を見せてこなかったにこ。その理由は様々でしょうが、一つは「アイドル」を「成功体験」の「結果」として見せる必要性に駆られていた以上、中途半端な状態で見せるわけにはいかなかった...というのが大きな要素として考えられます。

そしてもう1点は、その完成された姿を妹弟に見せることが、にこ自身の目標であり「夢」だったから...とも考えられます。

しかし、μ'sとして活動する中でにこの「夢」もまた、知らず知らず更新されていました。本人は気づかないふりをしていましたが、μ'sメンバーとのやりとりの中で新しい「夢」の存在を確信。穂乃果や希・絵里の計らいもあって、妹弟たちに「新しい夢」を伝える運びになります。

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アイドルとして初めて妹弟の前に姿を現すにこ。あれほど隠し通し、自分の人生のハイライトにするはずだった妹弟の前での「アイドル姿披露」をいともあっさりとこなしてしまいます。

とはいえ、その理由は「夢」が「更新されたから」でもあります。

「歌う前に話があるの」

「スーパーアイドルにこは今日でおしまいなの」

これまで築き上げてきた嘘の「スーパーアイドルにこ」との決別を宣言するにこ。

 「これからはここにいるμ'sのメンバーとアイドルをやっていくの」

これまで妹や弟には「自分のバックダンサー」として説明してきたμ's。当然そこに突っ込みを入れる妹弟たち。

「(バックダンサーだと)そう思ってた...」「けど違ったの!」

「これからはもっと新しい自分に変わっていきたい」

「この9人でいるときが一番輝けるの」 

「1人でいるときよりも、ずっと...ずっと!」

μ'sと出会えたから、大人になれたにこ。そしてアイドルとして、1人の人間として成長できたことを実感しているにこ。その気持ちが伝わる言葉です。

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「今の私の夢は宇宙NO1アイドルにこちゃんとして、宇宙NO1ユニットμ'sと一緒により輝いていくこと」
「それが一番大切な夢。私のやりたいことなの!」

妹弟に「自らが夢を叶えた姿」を見せることで、「自分自身の人生を悲観しないようにしてほしい」と願って始めたアイドル活動。しかし、その根幹には「妹のため」「弟のため」という思考が真っ先にありました。

もちろん、「誰かのため」に「目標」を持ち、強くなる事も少なからずあります。しかしそこには「自分」という観点が抜け落ちています。

元々は「アイドルが大好き」だからこそ始めたいと感じたはずの「アイドル活動」。いつの間にか順序が逆転していた「動機」が、μ'sとの出会いを経て、「元に戻った」とも言えます。

しかしそれは「μ's」と出会って「大人になったにこ」だからこそ出来る作業でもあります。

頑なに「自分」を押し通そうとした結果上手くいかなかった最初の「スクールアイドル活動」。結果として独りぼっちで続けることになり、それ故に「ソロアイドル」になってしまったにこ。でもそれは彼女の本当の「願い」ではありませんでした。

「9人でいる時が1番輝ける」

「一人でいるときよりもずっと..ずっと」

...だからこそにこは、このLIVEを、そして披露する曲を

「私が一人で歌う最後の曲」と総括するのでしょう。

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彼女が一人で歌った曲とはなんなのでしょうか?

それがもし「どんなときもずっと」なのだとすれば、正しく今回の物語に一致する歌詞です。

「嬉しい時」「悲しい時」「寂しい時」「楽しい時」...。

どんな時にでも「会いたくなる仲間がいること」。そしてそんな仲間の価値と意味を見出せたから。そしてそんな存在がいることの大切さを妹弟に示すことが出来たからこそ、にこは「夢」を更新することが出来たのでしょう。

恐らく妹弟たちは、「新しい夢」を語るにっこにこの笑顔に、自分たちの輝ける未来すらも「予感」することが出来たはずですから。

 

ということで、#4「宇宙No.1アイドル」でした。

ちょっと文章が乱雑なので、後々手直しするかもしれませぬ。。ご容赦を。

 

さて!!!次回は凛推しの自分にとってはもはや最重要回ともいえる「新しいわたし」です。この回が凛推しになる本当のキッカケだけに、気合入れねば...。

何卒次回もお付き合い頂ければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

ラブライブ!  2nd Season 2 (特装限定版) [Blu-ray]

ラブライブ!2期 ハイライト #2「優勝をめざして」#3「ユメノトビラ」

こんにちは、そしてこんばんは。

先週はAqours2ndLIVEがいよいよ開幕ということで、久々にサンシャインの話題で持ちきりだったわけですが、そんな空気は微塵も読まず、今回もラブライブ!2期の妄想考察をやっていきたいなと思います(笑)。

さて今回なんですが、色々と考えるうちに2話3話はセットでやろうかな?という考えに至りました。というのもこの2つのお話、「一つのロジック」を通じて繋がっているように思えたからです。

そのロジックとは「A-RISE」です。

1期では「高嶺の花」として存在したA-RISE。しかしこの2期ではμ'sにとっては「明確なライバル」として存在し、いよいよ3話では「初対面」を果たすことになります。言ってしまえばμ'sはこのA-RISEを「倒さない限り」「ラブライブ優勝」という悲願にたどり着けないわけでもあり。故にA-RISEを「いかにして倒すのか」というのが、2期における重要なテーマにもなってくるわけですね。

この2話および3話は、そんな「打倒A-RISE」にむけての取っ掛かりともいえる回。故にセットで、なおかつ「A-RISE」というロジック込みで改めて見てみようと思います。今回も「妄言」ばかりではありますが、どうぞ肩ひじ張らずにお付き合い頂ければ幸いですm(__)m

それでは参りましょう。#2「優勝めざして」そして#3「ユメノトビラです。

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■#2あらすじ

いよいよ始まる関東予選。その前に改めてルールのおさらいを受ける穂乃果。未発表のオリジナル楽曲をもって出場しなければならないこと。そして関東では4枠を巡っての苛烈な争いが繰り広げられることを知るμ's。新たな楽曲作成のため合宿へと出発しますが...。

■#3あらすじ

合宿の末新曲を手に入れたμ's。今度はライブの実施場所選定でひと悶着。視聴者の記憶に残る場所での一発勝負に、どうしても慎重になり、場所が決まらない。そんなμ'sのメンバーの目前に現れたのは、なんとA-RISEのリーダー綺羅ツバサ!?彼女から持ちかけられたのは意外な提案だった...。

 

■#2 #3の主要人物

・μ's

夏以来久々となる合宿では苦闘するものの、なんとか新曲を完成させる。彼女達が手にした哲学は、果たしてA-RISEの目にはどう映るのか?というのが、3話でのメインテーマ。

・A-RISE

圧倒的な実力で第1回ラブライブを制し、もはやシーンの中心というだけでなく「スクールアイドル」というジャンルそのものを象徴する存在にまでなった絶対王者。そんな彼女達にμ'sがどのように対抗していくのか...というのが今回のお話。

 

■倒すべき相手としての「A-RISE」

合宿の発端となるのは、関東大会決勝のハードル。

それは4位以上が次のステージに進むというもの。しかし秋葉原代表のA-RISEに1枠奪われるのは必然。それを鑑みれば残りの枠は3枠。

とはいえ「優勝」を目標に掲げるμ's。A-RISEに食いつくためにも、是が非でも2位以上に入る必要があります。

ただし「優勝」するためには、最終的にはμ'sはA-RISEを倒す必要があります。この2話および3話はその「ロジック」を描く出発点とも感じられるのです。

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■クリエイター陣を襲う「プレッシャー」

A-RISEに食らいつくためにも、まずは第1関門となる関東大会を通過しなければならないμ's。そこではまず「未発表のオリジナル曲」が必要となります。出場者をふるいにかける第1関門。それを乗り越えるため、μ'sは合宿へと向かいます。

夏時と変わらぬ9人での合宿。環境こそ違えどやることは同じはず。それにも関わらずクリエイターチームには目に見えぬ「プレッシャー」が襲い掛かり、それが「スランプ」にも繋がってしまうのです。

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プレッシャーの正体は小差こそあれ、3人同じもの。

「この曲が失敗したら」「この衣装が失敗したら」「ラブライブ決勝進出すら叶わず」「3年生と共に過ごす最後の大会が終わってしまう」...。

そんなプレッシャーが彼女達をがんじがらめにしてしまったのです。

そんな彼女達の心を解きほぐすのは「ユニット作戦」。

作業効率的には、ハッキリ言って意味があるとは思えない采配。しかし「仲間と過ごす中で得るちょっとした気づき」が彼女達をプレッシャーから解放していきます。

衣装デザインに行き詰ることりに、花陽は川辺で積んできた名もなき花を見せます。「自分たちのように、形が少しずつ違う花」は「今回の衣装のヒントにならないか」。花陽の気遣いはことりの心を救い、結果的には衣装デザインにも大きな影響を与えます。

f:id:ishidamashii:20170807235710j:plainまた常にプレッシャーとは無関係な様子の穂乃果も、ことりが進む道に光明を与えます。

なかなか衣装デザインが進まないことりに、「誰かが立ち止まったら誰かが手助けして、少しずつでもいいから進んでいけば良い」と持論を展開します。そこには「皆で進んでいく」という2期穂乃果の確固たる価値観が鎮座しています。

f:id:ishidamashii:20170807235927j:plain2期になり、物事を俯瞰して見られるようになった穂乃果。彼女の成長がまた、μ'sというグループを強化する要因にもなっています。

そんな穂乃果と同じようにグループを俯瞰して見ているのは希。

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頑なに山頂アタックに拘る海未を「山登りで大切なのは、チャレンジする勇気ではなく諦める勇気」と語るシーン。ここには「困難な物事にこそ、つい積極果敢に挑んでしまう海未」に対し「目標」を達成するためには「敢えて遠回り」をすることも重要なのだと諭す「俯瞰視点」の希ならではの視線があります。

「南に流れる流れ星は物事が進む暗示」

本来は見えていないはずの流れ星を、急に例え話の中に混ぜ込むのも「気負わずとも、流れに身を任せれば物事は上手くいく」というメッセージを暗に海未に伝えるため。そのメッセージを受け取ったからこそ、海未もどこか晴れやかな表情を浮かべるのでしょうね。

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そして作曲担当の真姫。いつもの調子でにことやりあっている最中、思わず飛び出してしまった「こんな3年生のために曲作る方の身にもなってよ」という言葉。それに対してにこはとても冷静な反応を返します。

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「曲はいつもどんな時も、全員のためにあるのよ」

いつの間にか自分を縛り付けていた「3年生のために」という思考。そこから「当たり前の視点」を用いて真姫を解放したにこ。

「いつも、どんな時も、全員のため」

それぞれが違う形であれ抱えていたカセから解放された結果、クリエイターチーム3人はビジョンを共有し、一つの楽曲を作り上げるに至ります。

「誰かのために」「歌う歌」

ユメノトビラ」を以て、μ'sは関東地区予選へと挑むことになります。

 

■ツバサと穂乃果のつばぜり合い

いよいよA-RISEと初の直接対決へと挑むことになるμ's。そんな中話題に上がるのは、「ライブの開催場所」です。これまでと違い、ライブ中継されるライブの人気投票、その一発勝負で決まる予選。故にインパクトを与える場所選びは非常に重要です。

喧々諤々の意見交換。それでも定まらぬ方向性。そんな最中μ'sの目の前に現れたのは、なんと打倒の相手A-RISEのリーダー綺羅ツバサ本人でした。

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動揺する穂乃果を引き連れて、自陣でもあるUT-Xに舞い戻るツバサ。遂にA-RISEとμ'sとが相まみえるに至ります。

緊張するμ'sの面々。そんなμ'sにA-RISEから与えられたのは、アイドルとしてのμ'sに対する「評価」と「賞賛」。それに伴う「ライバル宣言」でした。

「μ'sの皆さん。お互い頑張りましょう。そして、私たちは負けません」

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自陣に当面のライバルを引きずり込んだ上で、「上から」相手を評価し、更に「勝利宣言」をして立ち去る...。正に王者らしい「不遜」で「不敵」な振る舞い。この「自信」こそがA-RISEを支えるものであり、彼女達の「魅力」なのだと十分に伝わる演出です。

しかしそんなツバサに堂々と食い下がる穂乃果。

「私たちも負けません!...今日はありがとうございました」

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強気に「勝利宣言」でお返ししたうえに、笑顔で「自分たちをライバルと認めてくれた事実」への感謝を告げる穂乃果。その器の大きさに驚嘆するツバサ。

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「鮮やかに勝利宣言」したつもりがまさかの逆襲を受けて、若干面食らった様子。しかし逆襲されたままでは終わりません。彼女が用意した更なる「カマシ」は、「自分たちのホームで一緒にライブをやらないか?」という提案でした。

「当面のライバル」として認めたうえで直接対決を避けたにも関わらず、「負けない」と宣言されたため、「それならばこちらの土俵で今すぐ戦ってみましょう」というある種の挑発にも近い提案。とはいえツバサの場合そこまで黒い考えがあってのものではなく、あくまでも彼女本来が持つ「王者の風格」が発動しての提案。普通の相手ならばイモを引いてしまうような局面。それが分かっているからこそ「1日」考える猶予を与えようとします。

しかし当の穂乃果はそんな空気など読みません。ツバサの提案を、それこそ即断で「受け入れて」しまうのです。

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一見穏やかに見える両者の初対面。しかしてその裏では二人の「王者」による強烈なつばぜり合いが演じられています。

穂乃果とツバサ。

同じく「王者」の風格を持ち、似た素養も併せ持つ存在ながら、絶対的な「価値観」に相違があるらしい両者。この二人の価値観の相違もまた、後半のドラマにおいて重要な要素となっていきます。

 

■A-RISEと綺羅ツバサの哲学

さて、ここで改めてA-RISEというグループについて考えてみましょう。とはいえ、彼女達を考察するにはあまりにも要素が足りません。そこで今回は彼女達の思想を読み解くための唯一といって良いツールを利用します。それはもちろん彼女達の「楽曲」です。

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彼女達の公になっている楽曲は2曲。うち1曲は第1回ラブライブを制した楽曲「Private Wars」です。


Love Live! - [Lyrics] Private Wars (A-Rise)

具体的なメッセージ性という意味では、μ'sに比べると乏しいこの楽曲。しかしその中にもしっかりと彼女達ならではの単語が登場します。

「孤独」「それぞれの場所」「涼しい顔して走りたい」などがそうでしょうか。楽曲の音も含めて、彼女達の楽曲から感じるのは「クール&ビューティー」というイメージ。そして「孤高」というコンセプトです。

彼女達は決して「情熱」や「努力」を否定しません。むしろそれらのものに対しては肯定的です。しかし、それを「他人に見せる」ことを良しとしません。あくまでも「情熱」をもって「努力」したうえで、その「成果だけ」を「涼しい顔」して「見せたい」のです。そんな自己内での、いわば二律背反している価値観の対立は、とはいえアーティストにとっての「基本姿勢」でもあります。その「姿勢」は「Private Wars」の歌詞内では「正義と狡さ」という言葉に象徴されているのかもしれません。

この楽曲を以て「スクールアイドル」の頂点を極めたA-RISE。更なる頂点にたどり着くため、自らの哲学を突き詰める必要があります。そこで誕生したのが「Shocking party」です。


A-RISE Shocking Party TVver.

ここでは「孤高」っぷりに磨きがかかっています。

「誰かの為」でも「誰かのせい」でもなく、全ては「自分次第」であり「主役も自分」であるという主張。常に「自分次第」で「世界をも変えられる」と語るこの曲は「不遜」の極致ともいえる楽曲です。

この楽曲の持つ哲学には「王者にたどり着いてしまったもの」特有の「憂鬱」すら感じます。「選ばれし者の恍惚と不安、ふたつ我にあり」ではないですが、正しくそんな状況のA-RISE。「孤高」であることを突き詰め、それによって頂点へとたどり着いたA-RISE。そんな彼女達の価値観に揺さぶりを与えるのが、μ'sの役割となります。

 

■「ユメノトビラ」と高坂穂乃果の哲学

ユメノトビラは「孤高」とは真逆にあるメッセージを紡ぎだす楽曲です。

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「自分」だけでなく周りの「皆」を信じ、その「連帯」の価値を問うた歌詞。「誰かの存在」が「誰かの助け」となることを歌った楽曲。「自分」ではなく「応援してくれる誰かがいるからこそ強くなれる」というテーマ。そこには後々ハッキリした形で登場するμ'sのスローガン=「みんなで叶える物語」という言葉がしっくりくる形で表現されています。

A-RISEのパフォーマンスに気圧され、立ち止まりかけたμ'sを後押ししたのは応援に駆け付けた音ノ木坂の生徒たちであり、彼女達の応援をバックに歌うことで最大限のパフォーマンスを発揮することが出来たμ's。そこには「孤高」とは対照的な「一つの形」が顕在化しています。

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そんな「一つの形」を「青春」と表現して締めくくるこの楽曲は、やはりA-RISEの世界観とは反する物。そしてそれは自分たちとは異なる「スクールアイドル」に対するアプローチでもあります。故にツバサはμ'sのパフォーマンスに目を丸くするのではないかな?と思えます。

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驚いた後に不敵な笑みを浮かべるツバサ。その理由は自分の見立てが間違いではなかったことを確信したからでしょうか。やはりこの女、凄まじい「王者の風格」と「器」の持ち主ですね(笑)。

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さて、プレッシャーのかかる局面で、見事に自分たちの「世界観」を全世界にアピールすることが出来たμ's。そしてここでの対立軸の拡大が、やがて来る「再戦」の「結果」にも大きく結びついていくことになるわけなんですが...それとはその時の講釈にて。という感じでしょうか。

...というわけでコンパクトにまとめてみた#2、#3でございました。

さて、次回からは各キャラに焦点当ててみるシリーズ第1弾、にこ回ですね。こんな調子でコンパクトにまとめられた良いのですが。。ということで是非次回もご一読くださいませ。ここまでありがとうございました!!

~ステキな旅に出よう~Aqours2ndLIVE「HAPPY PARTY TRAIN TOUR」を迎えるにあたって思う事(という駄文)

こんにちは。そしてこんばんは。

これまた久々の「ラブライブ!サンシャイン!!」無駄話をお届けいたします。

8/5名古屋公演を皮切りに、いよいよAqoursの2ndLIVEツアーが始まります。ちょっとの間お休みしていた「ラブライブ!サンシャイン」の物語は、ここから「再スタート」を切る...ということにもなりますね。(実写のAqousはそれこそ海外や夏祭りなどひっきりなしに働いていましたが。ここではあくまでも「物語」におけるAqoursを示しています

そこで今回はライブ直前の今思うことを、これまた雑然と纏めておきたいな...という感じで書いております。またしても、恐らくなんの根拠もない、ダラダラとして妄言が綴られるだけなので、どうぞお暇な時間に、気楽な気持ちでお読み頂ければ幸いでございます。

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■LIVEツアーの道のりが示すものは何なのか。

ライブツアー開幕にあたって、どうしても気になったのは、今回がラブライブの公式ライブとしては初となる「ライブツアー」であるという点。

8/5~8/6を名古屋、8/19~8/20を神戸、そして9/29~9/30を埼玉と3都県を跨いでの「ツアー」となります。今回ライブツアーと銘打ったのは、もちろん「より多くの人にAqoursのライブに触れる機会を得てほしい」という事情込みでしょう。誰もが東京や神奈川、埼玉まで遠征する財力や足があるわけではありませんから。しかしそれをおいても、気になるのはその道のりです。

本来であれば、最も遠い神戸からスタートし、名古屋、埼玉と進んで行ってもいいはず。しかし名古屋でスタートするツアーは、神戸を介して、埼玉へと移動する...いわば迂回するようなルート。少しイレギュラーであることは否めない気がします。(この日程以外ではハコを抑えられなかった...という身もふたもない理由かもしれませんが 笑)

もちろん、こんなこと邪推意外の何者でもないので、一笑に付して頂いて構わないのです。しかし、このような道のりを設定した理由は、秋に放送される「2期」への「布石」という要素もあるのでは?とどうしても勘ぐってしまうのです。

というのも、ここに至るまでの流れがTVアニメ一期の流れを踏襲しているからです。

 

TVアニメ1期では、9話において遂にAqoursが集結。9人での花火大会参加。3年生3人時代に未発表に終わっていた楽曲「未熟DREAMER」を披露し、物語のハイライトと、祭りそのものを彩ります。

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時を同じくして、現実世界の7/29 7/30の日程にて行われた「沼津夏祭り」。この催しに現実世界のAqoursも参加。未熟DREAMERをパフォーマンスすることはなかったようですが、ハイライトとなる花火大会では未熟DREAMERを背景に、アニメ本編の花火を再現する演出が登場。アニメと現実とをリンクさせる粋な演出が採られたようです。

www.youtube.com

「私夏好きだな...。なんか熱くなれる」

千歌が感じた夏の熱さ。1期最終話13話の頃にはアニメ本編もすっかり夏の装い。

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そんな13話「サンシャイン」では、ラブライブ本選出場を賭けた東海地区予選に参加。その舞台は愛知県に存在するガイシホールです。

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ご存じの通り、ライブツアースタートの地は愛知県にある「ガイシホール」。季節も場所も一致した中で、ライブが行われる...というだけでなく、「1期最終話」の舞台から、「2期第1話」の放送日程へと繋がる「ライブツアー」がスタートするわけです。(2期放送は恐らく10月初旬なので)

こうなると今回のライブツアーそのものが、「1期と2期とを繋ぐ」ある種の「のりしろ」のような機能を持ったライブなのでは?と思えてきます。

 

■1期と2期の間を「つなぐ」「LIVEツアー」

 

ガイシホールで行われた東海地区予選。その会場でAqoursが語ったのは、自らの学校のこと。自分たちのこと。そしてそれを受けて発表した楽曲が「MIRAI TICKET」でした。

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ガイシホールでのライブの結果は、実のところ1期終了の時点では判明していません。しかし彼女達が「やっと手にした」と断言した以上、「MIRAI TICKET」は既に彼女達の手中にあるはず。となると、その「MIRAI TICKET」を手に進むステージ及び道のりが、この「LIVEツアー」なのでは?という推測も立てられます。

歌詞の中では「船が行くよ」と表現されていたため、「航海へのチケット」と推測した「MIRAI TICKET」。しかし、もしかしたらこの「TICKET」は、「HAPPY PARTY TRAIN」に乗り込むために必要な「切符」なのかもしれません。そう考えると、1期最終話と2期以降の展開...だけでなく「HAPPY PARTY TRAIN」との間にも、不思議な因果関係を感じることが出来ます。

 

■「HAPPY PARTY TRAIN TOUR」が向かう道のり。

HAPPY PARTY TRAIN TOUR」と、今回の日程を結びつけた時に、ふと頭に浮かんだのは東海道本線でした。「電車だから」という単純な理由でもありますが(笑)、東京を起点に、神奈川・静岡を通過し、愛知・岐阜を超えて神戸へと至るこの電車。不思議とラブライブおよびラブライブ!サンシャインと縁のある場所を次々と通過する電車でもあります。

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f:id:ishidamashii:20170804001709j:plain(千歌たちが沼津から東京に向かう際に利用していたのも東海道本線でしたね。)

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路線図を見て頂くと分かる通り、ラブライブの聖地秋葉原近郊を出発点に、Aqoursの1stLIVEの舞台となった横浜を通過。μ's解散の地であり、Aqoursが「ZERO to ONE」を誓った場所=国府津を抜けて、Aqoursの拠点沼津へ。更に2ndLIVE開幕の街名古屋を超え、同じく2ndLIVEの舞台神戸へと進む。こう見ると、Aqoursの物語および今回のツアーの行程とも関係がある路線なのでは?と思えてきてしまいます。2期以降の物語で果たしてこれらの街が登場する機会が出てくるのでしょうか。

更に深読みすれば、このライブツアーの道のりが、サンシャイン以降の「ラブライブ」において意味のある移動になるのでは?という気すらしてきます。彼女達が「MIRAI TICKET」を手に誓ったことは「ヒカリ」となって「未来を照らす」こと。すなわち、自分たちが新たな「希望」となり「スクールアイドルの輝き」をあますことなく、各地に届けること。これこそがAqoursに課せられた使命でもあります。

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そう考えると、「HAPPY PARTY TRAIN」が「運ぶもの」とは「未来への希望」であり、この電車の進む道のりに「それが届けられる」という文脈なのでは?という想像も膨らみます。すなわち、「Aqoursが進む地点で新たなスクールアイドルの物語が始まるのでは?」という予感めいたものを感じてしまうわけですが、、、まぁこれは考えすぎですね(笑)。

 

■埼玉で何かが起こる?

とはいえ不思議なのは、ツアーの終着点が西武ドームであること。(もちろん夏にLIVEをやる定番の場所である...ということは置いておいてw)

東海道本線の道のりとツアーが関係しているのであれば、なぜ一つだけ「飛び石」である西武ドームが「ライブツアー」の「終着駅」に選ばれたのか。そこには何か特別な意味があるのでは??と邪推してしまいます。

μ'sが「スクールアイドル」の可能性を世に示した結果、「アキバドーム=東京ドーム」が決勝の舞台として伝統化している「ラブライブ」というイベント。その文脈の中に「西武ドーム」は含まれません。となると2期開始直前を彩る大事な場所が「西武ドーム」であることにも、何か意味があるのか?と考えてしまうわけですが、これこそ「考えすぎ」なのでしょう(笑)。とはいえライブツアーを締めくくる最後の地である以上、なんらかのトピックスがあることは想像できますけどね。

 

■全力で「ステキな旅」を楽しみましょう。

さて、色々と頭の狂った記事を書いてきましたが、いざライブが始まったら余計なことは考えず、精いっぱい公演を楽しみましょう♪

キャストのみなさんはこの日のために更に過酷な修練に励んでいるはず。そんなキャストの努力に応える唯一の方法は、我々が彼女達の作るライブを全力で楽しむということだけです。

キャストとスタッフと、そしてラブライブを愛する仲間たちに最大限のリスペクトを持って。この「ステキな旅」を最大限楽しめますように。

それでは現地でお会いいたしましょう!

 予習したいのに、発売日ががが。

 

ラブライブ!2期 ハイライト #1「もう一度ラブライブ!」

というわけで、わけのわからぬ前説から引き続き。こんにちはorこんばんは。

あなたの人生を彩らない系ブログ、LoveLive!aftertalkでございます。

さて、今回からラブライブ!2期の考察を開始して参ります。その前に改めて当ブログのスタンスを。

当ブログは「ラブライブ」に関して、筆者の「妄想」が炸裂したブログです。筆者は同作品の関係者でもなんでもなく、また考察に関しても関係者からの証言を得たわけでもございません。あくまでも「こうかもなぁ...。」という推察a・k・a妄想を書き連ねたものに過ぎず「これはこうなのだ!」と断言するつもりもございません。。(筆者の文章が拙いゆえに誤解を招くことが多くあると存じます。それに関しては謹んでお詫び申し上げますm(__)m)

どうそご一読いただく場合にも「こいつアホな妄想してやんなぁ」くらいの軽いノリで読んでいただけると、非常にありがたく思う所存でございます。何卒よしなによしなに。。

さて、気を取り直しまして、今回から2期を開始します。前説の通り、とても「大好き」な2期。しかし、色々と疑問点や突っ込みどころも多い全13話とも思います。考察では個人的に「疑問点」や「変じゃね?」と思った部分なども、「個人的な見解」を交えつつ、触れていければいいなと思っております。長い闘いになると思いますが、何卒お気軽にお付き合い頂ければ幸いです。

それでは参りましょう。#1「もう一度ラブライブ!です。

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■#1あらすじ

予定よりも多くの入学希望者を迎えたことで廃校が中止となった音ノ木坂。穂乃果は同校の新生徒会長に就任し、ことりと海未も生徒会役員に。新学期への準備を進めるμ'sの面々。そんな中「第2回ラブライブ」開催の報せが。しかも今回は前回のようなランキング制ではなく、トーナメントによる短期決戦。俄然チャンスの広がる大会形式に盛り上がる面々。とはいえ東京予選を戦い抜くためにはA-RISEとぶつかり合うことに。一転絶望に沈むメンバー。しかし、1期で得た教訓を糧に「あきらめずに挑戦しよう」と思い直すメンバー。反面穂乃果の温度は低い。どうやらそこには理由があるようなのですが・・・。

 ■#1の主要人物

高坂穂乃果

引き続きリーダーとしてμ'sを引っ張るだけでなく、「皆のススメ」で生徒会長にまでなってしまった主人公。第2回ラブライブ開催の報せにも何故かそこまで積極的な反応は示さず。とはいえ、そこには「前回」までの反省も含まれているようで...。

今回はμ'sが再びラブライブに挑む「意味」を問い直すお話。その中心になるのは、やはり穂乃果でなければならない。

 

■#1を読み解くトピックス

①引き継がれていくもの

冒頭明かされる衝撃の事実。それは高坂穂乃果の生徒会長就任の報せでした。

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生徒会長就任の経緯を「みんなのススメでなっちゃった~♪」と総括する穂乃果。1期においてスクールアイドルとしては明確な結果を残せなかったμ's。しかし、彼女たちの勇気ある活動が、音ノ木坂を廃校から救う一因になったことは否めない事実。その活動の中心人物である穂乃果は、もはや校内でも屈指の「カリスマ性」と「知名度」を備えた人物です。となれば、生徒会長就任という流れも割と自然に思えてきます。

時間と場所を変えて屋上。ここでは部長のにこから、1年生3人に対して「アイドル教室」が実施されています。

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新たに考えた自己紹介を真姫に「気持ち悪い」と一蹴されるコミカルなシーンではありますが...。とはいえ、このシーンは冒頭の穂乃果生徒会長就任シーンと連なる意味合いを持ったシーンとして作劇されています。

 3年生の絵里と希から「生徒会」という「学校運営」に関するバトンを「引き継いだ」穂乃果・ことり・海未。そして同じく3年生のにこから「アイドルとしての心得」の「引き継ぎ」を行われている花陽・凛・真姫。この二つのプロットには共通して「引き継ぐ」というテーマが内包されています。

にこが語る「これからは1年生が頑張らなきゃいけない」という言葉。にこは「3年生である自分」の現状を把握したうえで、「バトンを渡すべき相手」と「その作業の必要性」を実感しています。

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2期のメインテーマとなる「卒業」。そして「劇場版」へと連なる「何を引き継ぐのか?」というテーマ。この二つが#1の時点で明確に表現されていることが分かります。

また、穂乃果が生徒会長職を引き継ぐという行為。これは「学校を母体としたアイドル」である「スクールアイドル」の「特殊性」を「強調」する役割も果たしています。

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2期終盤のテーマとなる「スクールアイドルとはなんぞや」という問いかけ。それを読み解くための「フック」の一つとして用意されたポジションという印象もあります。

 

②超えるべき存在

開催が決定した第2回ラブライブ。前回のランキング制から、地区予選を含めたトーナメント制へと方式が変更。前回は「スクールアイドルの祭典」という印象が強いイベントでしたが、今回から「競技会」としての側面が強くなった印象もあります。

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前回出場すら果たせなかった大会。その雪辱に燃えるメンバーたち。しかし「地区予選」制度の導入は、同時に「A-RISEとぶつかり合う必然」を示唆するもの。その事実にメンバーのモチベーションはガクっと落ちてしまいます。

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1期ではμ'sにとっての「憧れ」であり「高嶺の花」だったA-RISE。前回ラブライブ!優勝チームである彼女達を倒さない限り、μ'sは「目標」にたどり着くことが出来ません。

さて、「μ'sがA-RISEと闘う」ことは、作劇的にどのような意味を持つのでしょうか。

まず1点。「A-RISEに挑み、乗り越えること」が2期における「メインドラマ」として設定されているという要素があります。ダンスの実力、人気、実績全てにおいてA-RISEに遅れを取っているμ's。そんな彼女達が「どのようにすればA-RISEを倒せるのか」。それを追い求めるのが2期前半部の主軸です。繰り返される試行錯誤と挫折。そしてそこから得る気づき。その中から一つの「明確な答え」を導き出した時、μ'sはA-RISEを「超越する」ことが出来ます。

また、その試行錯誤から得た「μ'sがA-RISEを超越するために必要」な「答え」は、「ラブライブ!」という作品そのものが持つ「テーマ」や、その後に起きる「トピックス」にも繋がっていきます。

闘いの果てに穂乃果が得た「答え」。そしてそれを理解したツバサ。二人が共有した「スクールアイドルとは何か」という価値観。それをもって生まれるSUNNY DAY SONGという楽曲。

更に「ラブライブ!サンシャイン!!」12話において千歌と聖良が繰り広げた「なんのためにスクールアイドルをやるのか」という問答とその回答に至るまで。シリーズを通して描かれるトピックスに、2期でμ'sが得た「答え」が密接に関わっていくのです。

「μ'sがA-RISEに挑む」というプロットは、「2期のメインストーリー」としてだけでなく、「作品そのものが持つテーマを示すため」に存在しているように感じます。

 

 ③ラブライブに「出なくてもいい」という判断

A-RISEとのぶつかり合いに怯むも、「挑戦せずに諦めるのは良くない」と呼び掛ける絵里。それに応えるメンバー。士気が高まるものの、穂乃果だけはその輪に加わりません。いつもと様子の違う穂乃果を気に掛けるメンバー。穂乃果から発せられたのは、「出なくてもいいんじゃない?」というらしからぬ一言でした。

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1期終盤、自分自身の暴走が原因でラブライブ出場を逃した、と感じている穂乃果。「目標を捉えると周りが見えなくなる」自分の「悪い癖」を自覚したうえでの意見なのでしょう。しかも現在は生徒会長という要職についている立場。「自分本位」に活動してしまった場合、迷惑をかける相手はメンバーだけに留まりません。

穂乃果が出場を思いとどまる要因はそれだけではありません。1期終盤に「友人と一緒にいられる時間の有限性」を実感した穂乃果。その時間を「ラブライブ出場」という目標のせいで失いかけた彼女は、「ラブライブ」というものに対しても軽い「トラウマ」を抱えている状態でもあるのかもしれません。

とはいえ、メンバーは穂乃果の真意までは読み解けず。ただただ彼女らしからぬ発言に困惑してしまいます。出場を拒む姿勢を糾弾された穂乃果は、「たまには息抜きも必要」と議論の方向性をずらし、皆で放課後遊びに行くことを提案します。

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普通の学生と同じ、リラックスした時間。「部活」という側面の強い「スクールアイドル活動」を行う彼女達には、どうしても欠けている時間かもしれません。

ラブライブに出る」となれば、このように皆で遊ぶ...という時間も、それほど多くは取れなくなるでしょう。それを見越したうえでの「出なくてもいいのでは?」という穂乃果の選択肢。それはそれで「ありなのかも」と思わせる描写です。

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「こんなとこで遊んでて言いわけ?」と独りごちるにこ。にこの指摘は至極まっとうですが、この「9人で一緒に過ごすなんてことない1日」という描写が、後々の大きな伏線へとなっていきます。

 

ラブライブに「出る意味」

皆で過ごす放課後の帰り際。ふとUT-X高校を見上げる希。その視線に気づく穂乃果。彼女の視線の先にはA-RISEの姿が。一見飄々として見える希もまた、ラブライブに対して強い思い入れを持っている。そのことを実感する穂乃果。

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その夜、思い悩む穂乃果に雪穂が告げる「ラブライブの開催日」。それは来年の3月。雪穂と亜里沙が「入学」する季節。そしてそれは同時に現3年生が「卒業」する季節でもあります。「永遠ではない」と分かっていた「9人が一緒にいられる期間」。しかしその制限時間は思っていた以上に「短い」ことを実感する穂乃果。だとすれば、この「9人でいられる期間」に「何を残すべきなのか」。穂乃果はまたしても困惑します。

そんな穂乃果に対して、「ラブライブ出場」への並々ならぬ意欲を燃やすにこ。出場をかけて穂乃果との「階段のぼり競争」に(半ば無理やり)挑むことになります。

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本来運動神経が決して良くないはずのにこが、それでもなんとか穂乃果と「フェアに競える」競技として選んだ「階段のぼり」。その自信は、普段から幾度となく「登りつつづけた階段」だからこそ湧いてくるものなのでしょう。フライングしてまでも「勝利ラブライブ出場」に執着するにこ。彼女の背中を追いかける中で、穂乃果は雪穂の言葉を反芻します。

「今度のラブライブの開催日知ってる?」「私たちが入学するってことは...」「もう、分かるでしょ?」

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にこの転倒によってうやむやになった勝負。そして境内には「停滞の雨」が降り始めます。

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ラブライブにおいて「雨」は停滞の象徴です。物語や登場人物が「停滞」するとき、必ず「雨」が降り始めます。この時点で停滞しているのは、「μ'sの今後における方針」でしょうか。絵里と希は改めて「3年生である自分たちの今後」に関して、穂乃果に語り始めます。

「皆と一緒にいられるのは、あと半年」「それにスクールアイドルでいられるのは在学中だけ」「この9人でラブライブに出られるのは、今回しかない」

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これまでラブライブ出場へ積極的な意志を見せなかった絵里と希もまた「ラブライブ出場」に強い意欲を持っていたことが明らかになります。そんな彼女達の言葉に乗っかるように反応したのは1年生組。

「私たちもそう」「たとえ本選に出られなくっても、9人で頑張った足跡を残したい」

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ことり、海未にも意見を聞く穂乃果。ことりの応えは「穂乃果が望む場所ならどこへでも」という彼女らしいもの。そして海未は、穂乃果の抱えていたジレンマを見事に言い当てた上で、穂乃果の持つ「カセ」を取り除きます。メンバー全員の意志を再度確認したことで、自分に正直になれた穂乃果。彼女自身が意図的に隠していた本音をいよいよさらけ出します。

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「一度夢見た舞台だもん。やっぱり私だって出たい!」「ホントは物凄く出たいよ!」

自らの意志をハッキリと口に出した穂乃果。そんな彼女に与えられるのは「はじまりの歌」

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「だって可能性感じたんだ」「そうだススメ」「後悔したくない 目の前に」「僕らの道がある」

アニメ版「ラブライブ!」の「はじまり」を告げる曲ススメ→トゥモロウ。この曲は正しく本作の「テーマ」である「リープ・オブ・フェイス」への「原点回帰」を告げる楽曲です。

「可能性を感じたのなら進むしかない」。人生に必ず一度はある「飛躍しなければいけない瞬間」と「その価値」を問うてきた「ラブライブ」。1期ではその飛躍の中心に穂乃果がいましたが、今回飛躍するのは穂乃果一人ではありません。9人全員が「同じ目標」に向かって「飛躍する」。そこに1期との「明確な違い」があります。「ラブライブ優勝」という9人で掴みうる最高の「瞬間」。そんな、人生においても「二度とは生まれない瞬間」を掴むために「飛躍する」ことを誓うμ's。

「二度とない瞬間を掴まえる」

ここに「1期との差別化」を行うと共に、「2期のテーマ」と「ラブライブに挑む意味」が再設定されるに至りました。2期は「穂乃果が突き進む物語」ではなく「皆で進む物語」なのです

 

⑤現れる「太陽」

ラブライブ出よう!」9人の意志が一つになった瞬間、穂乃果は雨の中を走り出します。

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突飛な行動に驚愕するメンバー。穂乃果は天に向かって叫びます。

「雨、止めーーーーー!!!!!!」

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するとにわかに雲は掻き消え、太陽が姿を現します。天候すらも操作する穂乃果に驚愕するメンバー。

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実際にはあり得ない事態ですが、ここは劇作品ならではの比喩表現です。「ラブライブ!」において「太陽」は「希望」の象徴。9人が迷いの中から「希望」を掴んだからこそ、彼女達の元には「太陽」と「青空」が現れるのです。

「人間やる気になれば出来ないことなんてない!」「ラブライブに出るだけじゃもったいない」「この9人で出せる最高の結果」「優勝を目指そう!」

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穂乃果は有言実行の女。こうなったらμ'sは優勝するしかありません。とんでもない目標設定に驚愕するメンバー。しかし、皆どこか嬉しそうな表情です。

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はっきりとした目標に向けて走り始める穂乃果。

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1期冒頭へと戻りながら、再び「μ's」の飛躍がここから始まるのです。

 

それは僕たちの奇跡

#1のEDテーマは、2期OPテーマ「それは僕たちの奇跡」でした。

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彼女たちが歌う場所として選ばれたのは音ノ木坂の体育館。μ'sは音ノ木坂の生徒たちの「応援」を背にこの楽曲を歌い上げます。

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タイトルバックには名もなき生徒たちの脚。ここからは2期が「皆でかなえる物語」という「ラブライブ!」本来のテーマを反映させた物語となっていくことが窺えます。

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「ただの思い出 それだけじゃいやだよ」「精いっぱい 力の限り 走るんだ」

「思い出」を抱きしめようとした穂乃果。でもそれだけじゃダメ。思い出をより「強烈」に刻み付けるために、「精いっぱい 力の限り」何かを「した」事実を刻み付けなければいけない。そんな#1での気づきも、この主題歌には反映されています。

「強い願い」が「奇跡」を叶える「軌跡」を描く物語。それこそが2期の物語。さぁ、ここから一緒に「僕たちの季節」を再度振り返ってまいりましょう。

 

....というわけで#1振り返りでした。季節はすっかり夏。このペースだとサンシャイン2期が始まるまでに、本考察が完了できないのでは??という懸念も生まれてきましたがw 焦っても仕方ないので、今後も週1ペースで更新をしていこうと思います。

マイペースな上に稚拙な文章で大変恐縮ですが、今後もお付き合い頂ければ幸いです。

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