こんにちは。そしてこんばんは。
明日からはいよいよAqoursの神戸ライブが開始!!というタイミングにぶっこむのもどうかと思いますが、ラブライブ2期ハイライトでございます(笑)。
なんとしてもサンシャイン二期放送開始までには、こちらの考察記事は完了させたい!そんな気持ちで進めておりますので、何卒ご了承くださいませm(__)m
さて、#4は2期でも大事な「個人ピックアップ回」の第1回。栄えある1回目は矢澤にこパイセンということで、恐らく人気も高い回かな?と思います。
ストーリー自体は追いかけて行けばなにも疑問を感じない回だと思いますので、今回も自慢の妄想力なんかを活かしながら、「この回の持つ意図ってこんなかな??」というフワっとした感じで追いかけてみたいなと思います。
どうか、今回も肩ひじ張らずにお付き合い頂けるとありがたやです。
それでは参りましょう!#4「宇宙No.1アイドル」です。
■#4あらすじ
ギリギリながらラブライブ地区予選の通過を果たしたμ's。いよいよ本選に向けて練習にも熱が入る...はず。しかし一名姿を消した人物が!それは意外なことに矢澤にこでした。普段は誰よりも熱くスクールアイドル活動に埋没するはずのにこ。そんなにこが練習を休むなんて普通じゃない!!早速その原因を探すμ'sのメンバーでしたが...。
■#4の主要登場人物
・矢澤にこ および矢澤こころ・ここあ・虎太郎
にこにはなんと3人も下の妹弟がいた!!という衝撃(?)事実がここで発覚。しかも全員がにこを「スーパーアイドル」として崇拝し、μ'sを「にこのバックダンサー」なのだと刷り込まれている状況。今回はその背後に潜む諸々がお話のメインになってきます。ところで声優は全員を徳井青空嬢一人でこなしております。素晴らしいお仕事!
■矢澤にことアイドル
矢澤にこにとってのアイドルとは何か。
アニメ版では詳しく語られないため、想像に過ぎないのですが。折角なので考えてみましょう(笑)
今回初めて明らかになった、矢澤家の家庭環境。「母親が働いていて」「にこがいないと子供たちの面倒を見る人がいない」という点から、矢澤家が「母子家庭」である...というのは想像できます(もちろんアニメ版では正式な描写が無いため確定ではありませんが、SIDなどではこの設定が生きているようです)。
上の推測をもとに状況を組み立てれば...
母親は4人の子供のためにしゃにむに働き、なかなか家族の面倒が見られない。そんな中で一人歳の離れた長女であるにこにかかるウェイトはかなり大きい。はずです。
決して裕福ではない家庭環境。家族を助けるために家事や育児を手伝う必要がある自分。彼女が抱える「現実」は、他のメンバーの誰もが体験していない極めて「リアル」な「現実」です。それ故なのか?局面では、にこはμ'sメンバー内では最も「成熟した」振る舞いを見せるメンバーでもあります(時折吐く格言や名言にそれは現れているように思います)。
また、眼前にあるリアル。それを見つめたとき、にこにはどうしても「明るい未来」は想像しづらいものかもしれません。
自らの厳しい「現実」。決して明るいとは思えない「未来」。
普段は仲良しにも関わらず、「家庭環境」の話題になるとムキになって真姫に食って掛かるのも、そんな「バックボーン」があるからかもしれません。
にこがいつからアイドル好きになったのか。これに関しても詳しい記述がありません。ただ、にこがアイドルを好きになったきっかけは「アイドルに笑顔にしてもらったから」なのでは?と想像できます。
思うようにならない「現実」から。希望を見出せない「現実」から。ほんのひと時「抜け出す」きっかけを与えてくれる存在。それが「アイドル」。
にこが1期で語った名言「アイドルは笑顔を見せる仕事じゃない。笑顔にさせる仕事」という言葉も、自らがその体験者だからこそなのでは?と想像してしまいますね。
自分が「アイドル」から勇気をもらったのだから、今度はそれを「誰かのために返したい」。そしてその対象は、まずは「自分と同じ環境に暮らす身近な存在」。
にこが「スーパーアイドル」を名乗り、その過程でスクールアイドルを始めたのは、もしかしたら「身近」な「誰か」を「救うため」だったのかもしれません。
■矢澤家にとっての「スーパーアイドル」
にことはかなり歳の離れている妹と弟。
彼女たちは、矢澤家の現状や現実をはっきりとは理解していません。
とはいえ、幼く可愛い妹弟たちに、自分たちの将来を「悲観」してほしくない。可能ならば「自分の未来」は輝いているのだと「信じてほしい」。
そう願うからこそ、にこは自らが「現実のスーパーアイドル」となり、それを叶える過程や姿を見せ、信じさせることで、姉妹たちにも「勇気」や「希望」を。そしてそれを「信じること」の価値を教えようと考えたのかもしれません。
一年生時。スクールアイドルとなった頃。自らもA-RISEのような「皆に笑顔を与える存在になれるのだ」と希望を持ち、前述の通りの理由で、兄弟にも「スクールアイドルを始めた」旨を伝えたにこ。
しかしスクールアイドル活動は思うようには行かず。
その現実に耐えられなくなった部員は次々と辞め、にこは独りぼっちになってしまいました。
しかし自らが「スーパーアイドル」となり、「姉妹にとっての希望」となることを誓ったにこにとっては、途中でその夢を捨てるわけにはいきません。辞めることは「夢を諦めること」そして「希望を捨てる姿」を妹弟に見せること。
それこそ、にこにとって決して許されない選択肢でした。
故ににこは1人になっても、「アイドル研究部」を辞めなかなかったのだ...と想像できます。
■矢澤にこと自意識
にこ以外の部員が「アイドル研究部」を辞めていった理由を、希は「他のメンバーがにこっちに付いていけなかった」と分析していました。
自ら「スーパーアイドル」になることを誓い、「スクールアイドル」を志したにこ。
とはいえその動機とは別に、彼女の中には「完全主義者兼自己陶酔者」としての側面もあります。
ラブライブ1期では「リーダー」や「センターポジション」に固執する姿を見せたり、2期でも自分の「作詞作曲した楽曲」(当然にこセンター)をμ'sの楽曲として提供しようとしていました。
「自らがスクールアイドルに求める理想」そして「自らがその中心にいたいという思い」が、「他者への厳しさ」へと繋がり。
やがて「自分」と「他者」とを明確に隔てる傾向として現れ、結果としてメンバーの心が離れる要因になってしまったことも否めないのかもしれません。
μ's加入時には、そんな手痛い経験を踏まえて、ややおとなしくなっていたにこ。とはいえ、彼女の願望や本質は時折顔を出します。
しかしそんな彼女の悪癖すらも「にこの個性」として受け入れたμ's。
彼女達はにこが主張を始めるたびに、スルーしたり、茶化したりすることで彼女をうまくコントロールすることに成功しました。
これまでは他者とぶつかる要因としかならなかったにこの「性質」は、μ'sというグループに加わったことで「個性」として受け入れられました。その事実によって、やがてにこの頑なさも氷解していき、自ら「ツッコミ待ちでボケる」みたいなことまでやり始めるようになります。
結果として、これまで「欠点」になっていた要素を「自分の特長」として愛せるようになっていったにこ。そのきっかけを与えたのは「μ's」という「他者」に「受け入れられたこと」でした。
そしてこの「承認」というのは、自意識をコントロールする上でも非常に重要な要素なのです。
■大人になるということ
肥大化した自意識によって、周囲と自分との境界線が曖昧になり、「自分の力で世界を変えられる」というような幻想を抱いてしまう心理状況は、何故か「厨二病」などと揶揄されますが、本来であれば「思春期」には誰にでも起きうる、「自尊心の暴走」と言えるものです。
ここで問題となるのは、本人には肥大化した自意識「しか」見えていないということ。当たり前ですが、社会とは常に「自分」と「他人」によって作られています。そこには常に「他人」がいて、人それぞれ様々な「要素」を持っています。
人種、性別、言語、宗教。それらから構築される価値観、思考、思想。全てバラバラで均一なものなどありません。そしてそれら「バラバラの価値観」が折り重なって社会は構築されています。
故に「肥大化した自意識」を持ったままでは、十分な社会生活を送ることがままならなくなります。何故なら「肥大化した自意識」という自分の「ものさし」でしか、相手をはかれなくなるからです。
「自分」を物差しにして、「他人」を見た際に発生する「差」がノイズとなり、それを受け入れられない。そうなれば、その人との関係性も断絶してしまう。すなわち社会生活も断絶されることになるわけです。
「大人になる」ということは、「自意識をコントロール」し、「他者の価値観を認めることが出来るようになること」でもあります。
そういう意味では、以前までのにこはそれが出来ていなかった...ということでもあります。
しかし、受け入れるためには、まず「受け入れられる」経験も必要。成功体験が人を成長させるように、自らが「受け入れられる」ことによって、初めてその価値を認めることが出来、その結果として他人を「受け入れる」ことが出来るようになるわけです。
環境から、歪な形で「大人」にさせられていたにこ。彼女は、μ'sに入り、ミニマムな社会で「承認」されたことによって、ようやく本当の意味で「大人になれた」のかもしれません。
そして、だからこそ、μ'sはにこにとっても「かけがえのない場所」になっていくのでしょう。
■更新される「夢」そして「やりたいこと」
妹や弟に自分がアイドルをしている「実際の姿」を見せてこなかったにこ。その理由は様々でしょうが、一つは「アイドル」を「成功体験」の「結果」として見せる必要性に駆られていた以上、中途半端な状態で見せるわけにはいかなかった...というのが大きな要素として考えられます。
そしてもう1点は、その完成された姿を妹弟に見せることが、にこ自身の目標であり「夢」だったから...とも考えられます。
しかし、μ'sとして活動する中でにこの「夢」もまた、知らず知らず更新されていました。本人は気づかないふりをしていましたが、μ'sメンバーとのやりとりの中で新しい「夢」の存在を確信。穂乃果や希・絵里の計らいもあって、妹弟たちに「新しい夢」を伝える運びになります。
アイドルとして初めて妹弟の前に姿を現すにこ。あれほど隠し通し、自分の人生のハイライトにするはずだった妹弟の前での「アイドル姿披露」をいともあっさりとこなしてしまいます。
とはいえ、その理由は「夢」が「更新されたから」でもあります。
「歌う前に話があるの」
「スーパーアイドルにこは今日でおしまいなの」
これまで築き上げてきた嘘の「スーパーアイドルにこ」との決別を宣言するにこ。
「これからはここにいるμ'sのメンバーとアイドルをやっていくの」
これまで妹や弟には「自分のバックダンサー」として説明してきたμ's。当然そこに突っ込みを入れる妹弟たち。
「(バックダンサーだと)そう思ってた...」「けど違ったの!」
「これからはもっと新しい自分に変わっていきたい」
「この9人でいるときが一番輝けるの」
「1人でいるときよりも、ずっと...ずっと!」
μ'sと出会えたから、大人になれたにこ。そしてアイドルとして、1人の人間として成長できたことを実感しているにこ。その気持ちが伝わる言葉です。
「今の私の夢は宇宙NO1アイドルにこちゃんとして、宇宙NO1ユニットμ'sと一緒により輝いていくこと」
「それが一番大切な夢。私のやりたいことなの!」
妹弟に「自らが夢を叶えた姿」を見せることで、「自分自身の人生を悲観しないようにしてほしい」と願って始めたアイドル活動。しかし、その根幹には「妹のため」「弟のため」という思考が真っ先にありました。
もちろん、「誰かのため」に「目標」を持ち、強くなる事も少なからずあります。しかしそこには「自分」という観点が抜け落ちています。
元々は「アイドルが大好き」だからこそ始めたいと感じたはずの「アイドル活動」。いつの間にか順序が逆転していた「動機」が、μ'sとの出会いを経て、「元に戻った」とも言えます。
しかしそれは「μ's」と出会って「大人になったにこ」だからこそ出来る作業でもあります。
頑なに「自分」を押し通そうとした結果上手くいかなかった最初の「スクールアイドル活動」。結果として独りぼっちで続けることになり、それ故に「ソロアイドル」になってしまったにこ。でもそれは彼女の本当の「願い」ではありませんでした。
「9人でいる時が1番輝ける」
「一人でいるときよりもずっと..ずっと」
...だからこそにこは、このLIVEを、そして披露する曲を
「私が一人で歌う最後の曲」と総括するのでしょう。
彼女が一人で歌った曲とはなんなのでしょうか?
それがもし「どんなときもずっと」なのだとすれば、正しく今回の物語に一致する歌詞です。
「嬉しい時」「悲しい時」「寂しい時」「楽しい時」...。
どんな時にでも「会いたくなる仲間がいること」。そしてそんな仲間の価値と意味を見出せたから。そしてそんな存在がいることの大切さを妹弟に示すことが出来たからこそ、にこは「夢」を更新することが出来たのでしょう。
恐らく妹弟たちは、「新しい夢」を語るにっこにこの笑顔に、自分たちの輝ける未来すらも「予感」することが出来たはずですから。
ということで、#4「宇宙No.1アイドル」でした。
ちょっと文章が乱雑なので、後々手直しするかもしれませぬ。。ご容赦を。
さて!!!次回は凛推しの自分にとってはもはや最重要回ともいえる「新しいわたし」です。この回が凛推しになる本当のキッカケだけに、気合入れねば...。
何卒次回もお付き合い頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。