Love Live!Aftertalk!

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ラブライブ!サンシャイン!!  振り返り企画【楽曲編】第6回「夢で夜空を照らしたい/未熟DREAMER」

「歌ってみよういっしょにね!」

今回は思い入れたっぷりな2曲。

◆「夢で夜空を照らしたい/未熟DREAMER

TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』挿入歌シングル「夢で夜空を照らしたい/未熟DREAMER」


Aqours ラブライブ!サンシャイン!! 第6話挿入歌「夢で夜空を照らしたい」CM (60秒ver.)


Aqours ラブライブ!サンシャイン!! 第9話挿入歌「未熟DREAMER」CM (60秒ver.)

説明:

TVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」挿入歌第2弾。「夢で夜空を照らしたい」は第6話、「未熟DREAMER」は第9話の挿入歌として、それぞれ重要な役割を果たした。「夢で夜空を照らしたい」は3年生を除く6名、「未熟DREAMER」は9名での歌唱。なお劇中はじめて9名で歌うのが「未熟DREAMER」である。

 

解説:

◆「夢で夜空を照らしたい

とても個人的なことを言わせてもらえば、この「6人編成」のAqoursが好きだ。2話から6話までの物語を通して集まったこの「6人のAqours」は、皆が皆胸に希望や夢を抱きながら、その思いを「どう表現すればいいのか」に悩み続けたキャラクター達だ。彼女達は似たような痛みや弱さを抱えていて、全体的にとてもナイーブな印象がある。μ'sには"穂乃果"という絶対的な推進力がいて、彼女が「μ'sの弱さ」を補てんしていた印象があるが、Aqoursには穂乃果がいない。故に発せられる「チームとしての儚さ」が「6人のAqours」にしかない「いじらしさ」を感じさせて、それが8話9話で描かれる「敗北」そして「復活」の物語から得る深い感動に繋がっている気がする。

少々脱線してしまったので楽曲の話に戻ろう。「夢で夜空を照らしたい」は第6話「PVを作ろう」の挿入歌として登場した。「PVを作ろう」がどんな物語だったか...は当Blog内第6話考察をご一読いただきたい。

ishidamashii.hatenablog.com

「6話におけるこの曲の意図」に関しては、上記記事に記載させていただいたので、今回は割愛する。では「ラブライブ!サンシャイン!!」という物語の中においてどのような意味を持つ曲なのか...というところに触れてみよう。

 歌詞を見てみると、冒頭の「気持ちだけほかになにもない」をルビィが歌い、それを「違うんだよ こっちきて 心の眼でみたら」と花丸が受ける。これは第4話での二人の物語を思い起こさせる。また「波が映した 星の輝き 遠い憧れの色」「いつか叶うことを信じれば」を千歌と曜が歌い「明日への 道が多分」までを梨子が引き継ぎ、「分かるんだ」を3人で歌う。ここも第2話・3話のストーリーを思い出させる。このように「6話までの物語」が歌詞内に散りばめられているのが分かる。

また「扉」や「階段」というモチーフはどう捉えるべきか。「扉」から想像できるのは「ユメノトビラ」、「階段」は「神田明神に繋がる階段」と、どちらも「μ's」を想像させるモチーフではある。ただし「ユメノトビラ」は2話において「千歌がスクールアイドルを目指すきっかけとなった曲」としても登場した。また「階段」はAqoursの文脈においては「淡島神社」へと続く階段だ。同じ「モチーフ」でも「別の文脈」として登場するからこそ「夢のかたちは いろいろあるんだろう」と繋がっていくわけだ。

そしてこれらは「ラブライブ!サンシャイン!!」の物語の中では「夢に出会う」ための「モチーフ」として機能した。例えば「ユメノトビラ」は梨子が失っていた「音楽への衝動=夢」を取り戻すきっかけになり、「淡島神社」への「階段」を登りきる事は、ルビィが己の殻を破り「スクールアイドルへの夢」を叶えるきっかけになった。だからこそ「叶えたい夢に出会えて 良かったねって つぶやいたよ」と結ばれる仕組みになっているのだろう。

「ここから始めよう」と歌うこの曲の価値は、「東京」で敗れた後ほど良く分かる。この曲を通して「沼津」や「内浦」の魅力や、そこに住む人々のことを愛せるようになったからこそ、Aqoursは再び立ち上がることが出来た。そしてその事実に「6人のAqours」で気付けたことがとても大事だった。その気づきを通して、過去に挫折を経験した3年生3人と同じ視点を共有できるようになったからだ。Aqoursが6人から9人への完成形に至る上で最も重要な曲だとも言える。

 

未熟DREAMER

未熟DREAMERに関しては、あまりにも感動的な構成と歌詞に驚愕し、発売時に既に語りつくしてしまった感がある(笑)。重複する部分もあるかもしれないが、ここで再度書いておきたい。ライブ前の振り返りなのでご容赦を。

まず楽曲としてAqoursには珍しいミドルテンポの曲である。ただこのテンポが非常に心地よく胸に響き、なおかつ歌詞を耳にスっと沁み渡らせる効果をもたらしている。

肝心の歌詞だが、

「いつもそばにいても 伝えきれない思いで 心迷子になる ナミダ」までを果南が歌い、「忘れてしまおう 歌ってみよう」と千歌・曜が引き継ぎ、最後に3人で「一緒にね」と締める。

続いて「言葉だけじゃ足りない そう言葉すらたりない 故にすれ違って 離れて」までをダイヤが、続く「しまったことが かなしかったの」を花丸とルビィが引き継ぎ「ずっと気になってた」を3人で歌う。

さらに「分かってほしいと思う 気持ちが止まらなくて きっと傷つけたね それでも」までを鞠莉が、「あきらめきれない 自分のわがまま 今は」を梨子と善子が引き継ぎ「隠さないから」を3人で歌う。...とすべて同じ構成がAパートでは繰り返される。

これら3年生組がソロで歌う部分は、彼女達が1年生~今現在に至るまで「止めてしまっていた時間」を表現する部分であり、彼女達それぞれの「本音」でもある。そこに1年生・2年生のメンバーが言葉を継ぐことで、3年生組を「救っていく」構成になっている。これはアニメ内で描かれたストーリーともリンクしている。

そして「力を合わせて 夢の海を 泳いでいこうよ」を3年生3人で歌い、それを千歌が「今日の海を...!」と引き継ぐことでサビへと突入していく。かつて3年生3人が1年生の時に願った夢を、今度は9人で今一度走り出すことを宣言する。それを宣言するのが千歌であるのも非常に感動的だ。

2番へのブリッジでも「やっと一つになれそうな 僕たちだから」を3年生3人が歌い、「本音ぶつけあうことから 始めよう」を残りの6人が受ける...とことさら9話のストーリーを意識した構成がされているのもたまらない。

極めつけはラストサビに入る前の「3年生3人によるサビ歌唱」だ。アニメを見ていれば気付くのだが、このサビの歌詞(どんな未来かは~)は果南たちが1年生の段階で存在していたことが分かっている。ということは様々なすれ違いさえなければ、本来は彼女達3人が花火大会で披露していたかもしれない曲...ということになる。しかしながらその思いは果たされず、曲と歌詞だけが今は誰もいない「元スクールアイドル部部室」の「白板」にだけ消えずに残っていたわけで、それが今2年の時を経て動き始めたことを考えると、3年生のみでのサビ歌唱にはグッと胸に迫るものを抑えきれない。

すれ違いの結果失ってしまった2年。しかしそのすれ違いと和解を経て、もう一度「楽しくなるはずの未来」へ向かって航海を始めた3年生。そんな彼女達のアンセムとなるべき超名曲である「未熟DREAMER」は、「ラブライブ!サンシャイン!!」というドラマの中でもハイライトとなる楽曲だった。ライブでも恐らく特別な一曲として登場するはずで、今からどんな演出が行われるのか、楽しみでならない。

 

というわけで第6回でした。

次はいよいよ楽曲編最終回!