ども、お久しぶりです。
ちょいとリハビリがてら適当な記事を書こうと思っています。
「全然ラブライブ!関係ないやんけー」ってなるかもしれませんけど、ご容赦ください。
ちょっと前にTwitterのTL上で「サンボマスターを不用意にぶっ刺す」のが個人的に流行りまして。やはりラブライブ!が好きな人にはわりかし刺さりやすいのかもなぁと思いつつ、僕の大好きなバンド、サンボマスターをもっと聞いて頂きたいと思いこの記事を書いておる次第です。
(ごく一部から書いてくれ要請があったので書いている部分もあります)
まぁ、とはいえ音楽なんて嗜好品なので、合う合わないは確実にあります。
ですので無理に好きになって頂く必要もないですし、ムリクリ聞く必要もありません。
ただ、もし聞いて「を、悪くないやんけ」と思っていただける方が一人でもいたら、嬉しいなぁなんて思う次第ですね。
■サンボマスターって??
サンボマスターは日本の3ピースバンド。
メンバーはVo・Gの山口隆(やまぐちたかし)、Bの近藤洋一(こんどうよういち)、Drの木内泰史(きうちやすふみ)の3名。
2000年に東洋大学軽音楽サークル内のメンバーであった山口と木内を中心に結成し、ほどなく近藤が加入。初期は「400勝投手」とか「くるくるパー」とか適当な名前で活動するも後に「サンボマスター」で固定された。同年7月にインディーズで1stアルバム「キックの鬼」を制作。超数量限定のレア盤故にオリジナル版を所持するのは非常に困難だが、8thアルバム「サンボマスターとキミ」の初回限定盤に復刻盤が特典ディスクとして付属した。
2003年にリリースしたメジャーフルアルバム「新しき日本語ロックの道と光」が思いがけずスマッシュヒットし、一気に注目を集める。そこから03年以降の日本ロックの中心を担うバンドとなっていく。
2005年にはドラマ「電車男」の主題歌として「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」を提供し、これが大ヒット。現在の知名度にも繋がっている。
この後にもTVアニメや映画(ビリギャル)とのタイアップなど含め精力的に活動しており、日本ロックの中心として今なおバリバリに活動中である。
サンボマスターの楽曲はほぼG.Voの山口が作詞作曲を担当しており、それ故に彼独自の世界観や音楽観がダイレクトに反映されたもの。
ストレートなロックでありつつ、ソウルミュージックへの憧憬からくる非常にメロディアスでロマンチックな楽曲構成が特徴。
また、メッセージ性が非常に強い歌詞が一番の特長で、QJの企画で大瀧詠一氏と対談した際には「君らのやつはプロテストソングだろ」などと指摘されていた。(QJ Vol65)
とはいえこのメッセージがなによりも魅力的でもあり。
今は控えめだが03年~04年くらいまでは歌の前にMC→歌の最中にも歌詞を無視して喋る→歌終わりにもMCみたいにひっきりなしに山口がなんらかを話している....くらいメッセージを重視したバンドでもあった。
そんなこんなで恐らく「かなり人を選ぶバンド」であることは否めないものの、同時に強く惹かれる人を惹きつけて離さない魅力をもったバンドでもある。(筆者は後者)
■世界観
前述の通り、Vo山口隆の世界観がダイレクトに反映されているのが特徴...ということで山口隆のバックボーンみたいなものにも触れてみたい。
山口は昭和51年2月8日に福島県北会津郡北会津村大字下米塚三本松というとこに生まれた。本人曰く「田舎どころじゃないぐらいの田舎」だそうだ。(出典:ロッキンオンジャパンVol295)
この田舎での暮らしは、5~6歳くらいまではノビノビと過ごす上で非常に快適だったのだそうだが、徐々に彼の心を蝕んでいったのだとか。
高校時代の自分について彼はこう語っている。
うん、徹底的にノイローゼ気味だったかなぁ。いや楽しいんですよ?楽しいんだけど・・・・。死っていうものがすごいでかかったかもしれないですね。
とにかくねぇ、あのー、意味なんかないんですよもう。
もうね・・・・・・・夏なんかね、ほんと、ずーーーーっと蝉が鳴いてねぇ。あの夕暮れどきのまま、蒸し暑くて、閉ざされたみたいな街のとこで、ずーーーーっと。
で、「おまえは死ぬんだ、おまえは死ぬんだ」ってずーっと言われてる感じでねぇ。
「俺は死ぬのかよ!?まぁでもよく考えたら死ぬしなぁ」と思って。
それノイローゼ気味でしたね、ずーっと。
(ロッキンオンジャパンVol295より)
また別の雑誌のインタビューでも、真冬の雪以外なにも見えない村にとてつもない絶望感を感じ、自転車を意味もなく漕ぎながら叫んでいた....なんて話をしていたこともある。
何も無い場所。何者にもなれないかもしれない自分。
意味もなく襲い掛かる不安。「死」。
そういった抜け場所の無い「闇」から彼の心を救い上げてくれたものがロックであり、ブルースであり、パンクであり、ソウルだった。
特にソウルミュージックに最も「救われた」と彼は言う。
下記インタビュー引用。
ソウルミュージックっていうのは再生の音楽だからでしょうね。
僕はやっぱり大学時代とか神経症気味なところもあったから、なんかいいことねぇなとか思っていたけど、でもウェルドン・アーバインとかね、あのへんのフリーソウルのマニアックなとこの、ドン・ブラックマンとかね、あれが流れたときに僕はものすごい救われましたよ、あれで。
俺は普通でいいんだみたいな。英雄なんかいらないんだって。
高校の頃かな?凄い楽にしてもらったし、カーティス・メイフィールドの「カーティス」ってアルバムで、物凄い勇気をもらったし、ソウルミュージックってものには物凄い勇気づけられたんで。
(BUZZ VOL43 JANUARY 2005)
サンボマスターが03年代以降長らく出囃子として使用していたカーティス・メイフィールドの「Move On Up」。
70年代カウンターカルチャーを代表するニューソウルの名曲であり、「困難な中でも立ち上がり動くことの意味」を力強く問うたメッセージソングでもある。
山口はカーティス・メイフィールドからの影響をことあるごとに明言しており、この楽曲に道しるべをもらったことで、山口の楽曲製作の世界観も自ずと固まっていった。
「何にもない世界」「何ものにもなれないかもしれない普通の自分」を受け入れたうえで、そんな全てを力強く「肯定」していく。
そうすることで「自分自身の世界」を変える。そこから「自分にとっての世界」をより良いものに変えていく力が生み出されていく。
そして同じ「希望」を持つ仲間を募る。その為に「自分を肯定出来ない人」全てを「肯定していく」。生きづらさを抱えた人の「弱さ」をそのまま「肯定していく」。
全てを受け入れて、全てを「肯定」していく。
サンボマスターの楽曲は「肯定」の楽曲。
それが山口の世界観であり、サンボマスターの楽曲に通底してある思想でもある。
なんとなくラブライブ!の世界観にも近くないですか??
■おススメ楽曲10選
そんなこんなでおススメ楽曲を時系列で10曲ほどチョイスしてみた。
前述した通り、彼らのメッセージは一貫しているので、大きな違いを感じられないかもしれないけれど(笑)、もし刺さる曲があったならめっけもんである。
①人はそれを情熱とよぶ
メジャー1stアルバム「新しき日本語ロックの道と光」収録。
一般的に有名な楽曲ではないが初期サンボマスターを代表するライブ御用達楽曲。
メロウなギターソロから激しい曲調に!そして再びメロウに。実にサンボマスターらしい楽曲である。
やはりラブライブ!好き的に刺さるのはこの歌詞だろう。
だから僕等 あわれな僕等 歌い出せばいいんだ
それだけで何も無い日々から始めるべきだぜ
今ここで!
いつまでもこのまま 逃げていくわけには いかないぜ僕らは
君との日々を情熱と名付けさせて
いつまでもこのまま いじけているわけには いかないぜ僕らは
君との日々を情熱と名付けさせて
何もなくっても、今ここから「始める」べき。
何もない日々に、いじけず、逃げず、立ち向かう。そこに「情熱」が生まれる。
②美しき人間の日々
メジャー1stシングル。2ndアルバム「サンボマスターは君に語りかける」収録。
こちらも初期サンボマスターの代表曲。
美しいメロディ。真っ直ぐなメッセージ。この曲が一番好きという人も結構多い印象。
自分や「あなた」のうしろめたい「過去」を受け入れたうえで、それを「捨てて」「今」を生きろと語る。
過去は捨てたぜ 今を生きろよ
今を生きるぜ
ラスト。
吐き捨てるように、それでいてしっかりと告げられる「今を生きるぜ」という宣言。
もう何年も、この言葉に支えられている。
③歌声よおこれ
4thシングル。2ndアルバム収録。
このころの山口のテーマとして強くあった「うしろめたさ=原罪」のようなものからの解放。それを強く訴えたメッセージが印象的な楽曲。
個人的にはPVがサンボマスターのPVの中でも屈指に好き。
自分を肯定できない少年を、名もなき人々がサンボマスターと一緒に歌って「前向き」な気持ちへと変えていく。是非一度見て頂きたいところ。
歌声よ響きあって僕等の罪よ
祈りとなって明日を変えてくれ
このまま僕等は歌うのさ
そして朝になって二人笑って
哀しく歌う世界を止めてくれ
歌声よおこれ この胸に
「歌」や「音楽」が、祈りとなって明日を変えて、やがて「哀しく歌う世界」を止められたらなんてロマンチックにもほどがある。だけど信じてみたくもある。
5thシングル。3rdアルバム「僕と君の全てをロックンロールと呼べ」収録。
恐らくサンボで最も有名な楽曲。
TVドラマ「電車男」の主題歌として「書き下ろされた」楽曲。
プロデューサーからは「歌声よおこれみたいな曲をお願いします」と依頼されたそうな。当初はめちゃくちゃプレッシャーだったそうだが、結果的にその期待にしっかりと応えた上で自分達の代表曲にまで育ててしまったのだから恐ろしい。
当時の山口の悩みのようなものがダイレクトに歌詞に反映されている、時代感のある楽曲でもある(”あなたのために歌うのが これほど怖いものだとは”という歌詞は当時の自分達の状況を反映したものでもある)。
また楽曲後半で連呼する「愛と平和」は陳腐なメッセージに聞こえると思うが、山口はそれを理解した上であえてこのメッセージを入れ込んでいる。「今のロックに足りない、ロックの基本的な精神」を「陳腐になる前に言葉にすることが大切」なのだとことあるごとに語っていたことを思い出す。
⑤できっこないをやらなくちゃ
14thシングル。5thアルバム「キミのためにつよくなりたい」収録。
日産セレナのCMソングとしても起用されたり、最近では「チアダン」の元ネタとなった高校で演技曲に使用されたことで再評価されたりしたので、知名度は高い方か。
一番「ラブライブ!」味を感じるのはこの曲じゃなかろうか。
実際サンシャイン!!2期6話を見ていた時には、この曲がずっと頭に鳴り響いていた。
(余談だが同曲のPVが跳び箱を飛べない少年が飛べるようになるまでを描いたドキュメンタリー風映像で、それもまた2期6話味がある。)
君なら出来ないことだって 出来るんだほんとさ嘘じゃないよ
今世界にひとつだけの強い光をみたよ
ただの「頑張れソング」ではなくって、対象のあり方全てを「肯定」するからこそ、ヤダ味が出ないところがサンボらしさでもある。
⑥ロックロールイズノットデット
6thアルバム「ロックンロールイズノットデット」収録。
タイトル聞いたときには「いやwwwいくらなんでもだせぇだろそのタイトルwww」などと思いつつ試聴したらあまりにもこの表題曲が素晴らしすぎてCDショップで泣きそうになるという失態を犯した楽曲。
何度だって立ち上がるんだよ 君よもう悲しまないでくれ
強く願って明日を変えたい ロックンロールイズノットデッド
誰にも言えない孤独だとか 君の不安を終わらせに来た
君が生きるなら 僕も生きるよ ロックンロールイズくたばるものか
「君が生きるなら僕も生きるよ」という歌詞があまりにも優しくって、未だに大好きだ。ロックの持つ可能性を山口隆はどこまでも信じつづけているアーティストだと思う。
個人的にはちょっと心が弱っている人に、聞いてほしいなぁ。
⑦ミラクルをきみとおこしたいんです
18thシングル。7thアルバム「終わらないミラクルの予感アルバム」収録。
いや、まぁタイトルと内容がさw という感じ。
ミラクルをきみと起こしたいんです 高まれよ奇跡の可能性
終わらないミラクルの予感がする 世界中鳴り響かすんだきっと
ほ~ら、3rd埼玉初日の光景が頭に浮かぶはずだ!!!
⑧可能性
8thアルバム「サンボマスターとキミ」収録。
映画「ビリギャル」主題歌として有名。
実のところ以前の記事にもあげていたりするのだが、やはり欠かせない。
歌詞の全てがラブライブ!味に溢れているし、それは映画「ビリギャル」にも共通したポイントでもあるので、是非映画も見てみて頂きたい。
⑨YES
2017年5月10日リリース。9thアルバム「YES」収録。
「肯定」こそサンボマスター。そのらしさは今なお変わらない。
弱っている人を「YES」と肯定し続け、「生きろ」と語りかける。
苦しんでも幸せになれ
やはり苦しんでいる人にこそ聞いてほしいと思う。
⑩輝きだして走ってく
2018年8月15日リリース。サンボマスターにとっては現時点での最新シングル。
ドラマ「チアダン」の主題歌でもあり、高い知名度を誇っているようだ。
忘れないで この世には 痛みと悲しみを
歯を食いしばって 抱きしめるキミにだけ
起こせる奇跡があるってことを
引き続き「不屈」と「肯定」の精神に、「ラブライブ!」味を感じざるを得ない。
くじけないで 笑っておくれ
キミこそ 僕の奇跡なんだから
「キミ」そのものを「奇跡」なのだと語る「肯定力」。
やはり「ラブライブ!」好きとしては刺さるものがあるなぁ。
ということで、拙著ながらサンボマスターをKEISOTUに聞いてほしいという記事でした。
頼む!!サンボマスターを聞いてくれぇぇぇぇ!!!!
次回はボチボチアワードの準備を進めつつ、ラブライブ本道に戻って楽曲考察記事をやりたいなぁという感じですね。
アワード9月開始なので、皆様よろしくお願いいたしますね。それでは!