Love Live!Aftertalk!

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~「勝利」のシンプルな「ロジック」~ラブライブ!2期 ハイライト #10「μ's」

こんにちは、或いはこんばんは。

前日に引き続き、ラブライブ2期ハイライトをお送りして参ります。

ここまで来ればほぼ考察は終えたようなもの。スピーディーに参りたいと思います。今回はアニメ版「ラブライブ」の根本的なテーマに迫る回。それゆえに意外と重要なエピソードだったりもします。

ということで、早速参りましょう#10「μ's」です。

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■#10あらすじ

予選決勝の結果、見事本選出場を決めたμ's。本選への準備を進める中で去来するのは3年生との「別れ」。とはいえまずはラブライブに集中せねばと、その思いを閉じ込めます。本選に向けて事前に観衆に対してインパクトを持たせるため、キャッチフレーズを考えるμ's。しかしなかなか良い案が浮かびません。自分たちを象徴する「フレーズ」とは何なのか。思い悩む中、ヒントをくれたのは意外な存在でした。

 

■#10主要人物

高坂穂乃果

自分たちの特長とはなんなのか。思い悩む穂乃果。リサーチを続ける中で気付いたのは、自分たちが「続けてきたこと」こそが「自分達の特長」なのだという事実でした。

・綺羅ツバサ

A-RISEのリーダーにして、μ'sの憧れの的。しかし予選決勝でμ'sに敗れた、という事実がツバサの胸の中に一つの「モヤモヤ」を生み出します。彼女がその「モヤモヤ」の正体を打ち明け、解決を求める時、この物語もまた動き出します。

 

■1年の終わり
いよいよお正月。
嫌が応にも一年の終わりを実感せざるを得ないシチュエーションに。

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初詣ではA-RISEと遭遇。
この時点では予選の結果を知らない視聴者には緊張が走ります。果たして勝者はどちらなのか。

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すれ違った後ツバサから与えられる激励の言葉。
「優勝しなさいよ!」

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この言葉からμ'sはA-RISEを破り、東京代表として本選へと進むことが明らかになります。
μ’sにとって憧れであり、目標であったA-RISE。
その対象から与えられる激励は、μ'sが本当に認められた証。
ホッとした顔で「はい!」と答えるμ's。

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穂乃果の部屋には予選通過の証となる盾。そして本選出場チケットが。
また、この盾はμ'sがスクールアイドルとして初めて手にしたものです。
そこには象徴的に9つの「星」が瞬いていますね。

 

■願い事

それぞれ初詣で「願う」こと。

穂乃果の願いは「9人全員で最後まで楽しく歌う事。」

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「優勝」ではなく、9人で「やり遂げる」こと。
何故μ’sが勝つことが出来たのか。その理由に迫る今回。
穂乃果の「願い事」もまた、大事なポイントとなっていきます。

 

■3年生3人の「思い出作り」
1・2年生とは別に、希の「仕事」の手伝いをしている絵里とにこ。

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3年生である3人には、彼女達だけの「想い出」作りも必要なのかもしれません。
その事実は花陽の「3年生がいられるのもあと3ヵ月」という言葉で実感へと変わっていきます。

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「3年生」の卒業と、μ'sの「未来」について。「ラブライブが終わるまで」お預けとなっている話題。3年生の「最後」に花を添える。それが今の1・2年生の原動力となっています。

 

亜里沙の願い

姉を訪ねる亜里沙。彼女の願いは音ノ木坂に合格してμ'sの一員となること。

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それは暗に絵里達が卒業したとしても、グループとしてのμ'sが「存続する」ということを確定事項として捉えている...という意味に繋がります。
自分たちがいなくなった後の「μ'sについて」。やはり話し合う必要がありそうですが。
絵里の心は揺れています。

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■決勝戦
各グループが1曲ずつを歌い、その評価をWebと会場の投票で決める。シンプルでありながら、スクールアイドルの戦いに相応しい方式。50組の中からいかに「印象に残る」か。それがキーワードになっていきます。

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3月の本選までの間に有効となる「キャッチフレーズ」。μ'sを一言で言い表すキャッチフレーズとは何か。それを考えることになります。

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ちょっとムリクリ感は否めない伏線とは思いますが(笑)。
とはいえ、前回までの物語を踏襲すれば、自ずと一つの「キャッチフレーズ」へと行き着く。そういう意味では、#9で描かれた物語をしっかりと伏線として使用できているような気もします。

 

■キャッチフレーズ
メタ表現として「嫌」ってほど使用されている印象もある信号機。今回も考えがまとまらない時には「赤」。

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ヒントを与えてくれる存在となるツバサが現れると「青」に変わります。

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しかしながらツバサからこの瞬間にぶつけられるのは、更なる「難題」。故に信号機は再び「赤」へと変わります。

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■ツバサの疑問。
ツバサの疑問とは、何故「自分たちが敗れ」「μ'sが勝利」したのか、というシンプルなものでした。
もちろんツバサも、μ'sが勝利した理由には思い当ることがたくさんある。それはμ'sが絶えず努力し、練習したから。その成果がパフォーマンスに現れたから。
けれども自分たちとて、劣らぬパフォーマンスをした自負がある。それなのに何故μ'sの方が観客の「心をつかんだ」のか。
その理由を、ロジカルな答えを、ツバサは欲しています。

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しかし穂乃果は、そんなツバサの疑問に率直に答えられません。この「答え」を見つけることが、今回の物語の軸となります。

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■客観性としての雪穂
自分たちの魅力が分からない穂乃果。一番身近な「ファン」=妹である雪穂に自分たちの印象を訪ねます。

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雪穂の感想は率直そのもの。

「心配」「危なっかしい」「ハラハラする」...。
でも「姉だから」「地元だから」とは関係なく、「応援しなきゃ」という気持ちにさせる、そんな存在。

「応援」こそが、彼女達を突き動かす原動力となる。それは前回#9でも視覚的に表現されたものでしたね。

 

■もちつき大会
唐突なもちつき大会の開催。それを応援してくれた「みんな」へのお礼の気持ち、と穂乃果は表現します。

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おもちが何かのメタファー...というのは流石に考えすぎですが(笑)。
ただ、μ'sが「作ったもの」「みんなで分けて」「喜びをシェアする」というのは、彼女達にとっての「アイドル活動」と同じようなものなのかもしれません。

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「自分たちのため」だけではなく、あくまでも「みんなと喜びをシェアする」ために「アイドルをやる」。
おもちを食べる皆の姿を嬉しそうに見つめる穂乃果の表情からも分かる通り、それこそがμ'sの「特長」なのかもしれません。

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■穂乃果の答え
神田明神に奉納されている無数の絵馬。そこにはμ'sを応援するものが多数。それを見た瞬間、ひらめく穂乃果。

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「μ'sってこれなんだよ!」
「一生懸命頑張って、それをみんなが応援してくれて一緒に成長していける。」
「それが全てなんだよ。」
「みんなが同じ気持ちで頑張って 前に進んで 少しずつ夢を叶えていく。」
「それがスクールアイドル!」
「それがμ'sなんだよ!」

憧れの対象ではなく、「共に進む」対象としての「アイドル」。それはもしかしたら「プロ」では共有できない視点なのかもしれません。

「みんな」がいて、「みんなの応援」があって、初めて成立するもの。

それが「スクールアイドル」。

そして、その観点に最も近い位置にいる「μ's」。

だからこそ、「スクールアイドル」の大会である「ラブライブ」では、A-RISEよりも多くの「みんな」の心をつかむことが出来る。

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穂乃果は得た答えを直接ツバサには伝えず、キャッチフレーズとして彼女に見せる...という選択肢を取ります。
確かな確信をもって電光掲示板を見つめる穂乃果。

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その意図と思いは、ツバサにもしっかりと伝わりました。だからこそ、ツバサは「なるほど...」というような笑顔を浮かべるのでしょう。

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■「みんなで叶える物語」
「みんなで叶える物語」。
これはまだμ'sという名前すら無い頃に、「プロジェクトラブライブ」のキャッチフレーズとして提示された言葉です。(正しくはみんなで叶える新しい物語でしたが)

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プロジェクトラブライブ開始当初から応援しているファンへの目配せとしてだけでなく、「ラブライブ」というアニメ作品のテーマへも阿るという意味で非常に理にかなった使用法が出来ていると思います。

 

■綺羅ツバサとスクールアイドル
ここからは完全に余談。

今回のもう一人の主役。綺羅ツバサに関して。私個人として、彼女はとても魅力的なキャラクターだと思うので、ここでピックアップしてしまいました(笑)。

綺羅ツバサとA-RISEにとって、スクールアイドルとはあくまでも「自分たちを表現する」場所でした。
最高の楽曲とダンスで、最高のパフォーマンスを見せる。それがA-RISEのスタイルであり、「誇り」。

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そしてそのスタイルは少なくとも第1回のラブライブでは結果を残し、彼女達は「スクールアイドル」の代表となりました。

しかし第2回目のラブライブでは、前回予選すら通過できなかったμ'sに敗れた。(実際には予選を棄権したのですが...)

暗に彼女達のスタイルや実力を評価しながらも、自分たちが「負ける」とまでは思っていなかったツバサ。だからこそ、その理由を「ロジカル」に追い求めるに至りました。

しかしながらその回答は「シンプル」なもの。

どこまでも「自分たちを高みへと導く」べく活動し続けてきた彼女たちに足りなかったもの。

それは自分たちを応援する「みんな」への視点でした。

レベルの高いパフォーマンスは、確かに見る者を圧倒します。

しかしながら、その「孤高」な存在感は、ファンからすれば「自分が応援せずとも大丈夫」という安心感にも繋がってしまったのでしょう。

「みんな」の応援が具体的な票となり、それが「結果」へと反映されるスクールアイドルにとって、「みんな」の存在はとても重要なもの。

A-RISEは結果として、μ'sに敗れることでその事実を知ることとなりました。
しかしながら、それはA-RISEにとって「スクールアイドル」としての「自分たち」を見つめ直すきっかけにもなりました。

彼女達の視線の先には常に「プロ」としての自分達がいて、それ故に「スクールアイドル」としての自分達を見つめる瞬間がなかった。しかし、μ'sに敗れることで、「立ち止まる」瞬間を得たA-RISEは改めて「スクールアイドル」としての自分達を見つめるに至ったわけです。

「みんな」と一緒に作り上げていくものが、「スクールアイドル」であり、自分たちも卒業するまでは、「スクールアイドル」の一員である。

そんな心境の変化は彼女の中に芽生えたからこそ、劇場版においてツバサは穂乃果への協力を申し出る。そんな風に理解しています。

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μ'sだけでなく、綺羅ツバサという人物の葛藤と成長もまた物語の中で描かれている。
これもまたこの作品の「深い」部分なのでは、と感じる要素です。

 

ということで、#10でした。

劇場版と絡めた時に、結構重要...というだけでなく、「サンシャイン」における「AqoursSaint snowによる何故μ'sは勝てたのか問答」に対する一種の「解答編」にもなっていたりするので、今後サンシャインを見ていく上でも重要な回なのでは?と感じております。

 

さてと、次回は2期ではやはり誰もが大好きな回と思います。#11「私たちが決めたこと」です。

この回を演出されているのは、サンシャインの監督でもある酒井和男氏で、その繊細な演出を知っているだけに、サンシャインにも強い期待感が持てたのでした。

ということで、今回もお付き合いありがとうございました。

また次回お会いいたしましょうm(__)m

 

~μ'sが「0」を「1」にした日~ラブライブ!2期 ハイライト #9「心のメロディ」

こんにちはorこんばんは。

こちらの2期ハイライトもいよいよ佳境。今回は2期において#11と並ぶ最重要回「心のメロディ」をお届けします。

特に説明不要な傑作回ですし、恐らく私が説明する要素など皆無と思いますので、是非お暇な時にでもお読み頂ければと思いますm(__)m

それでは早速参りましょう。#9「心のメロディ」です。

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■#9あらすじ

いよいよ最終予選当日。空は何かを察したような雪模様。A-RISEとの直接対決に緊張するメンバー。そんな中穂乃果たち2年生兼生徒会組は、学校説明会を終えた後、会場に合流することに。午後にはあがると予報されていた雪。しかし予報とは違って、どんどん強くなっていく。遂には交通手段まで全面ストップしてしまう。会場に行く手立てを失った穂乃果たち。それでも歩いて会場へ向かおうとするのだが...。

■#9主要登場人物

・μ'sとそれを支える人たち

今回はまさしく「みんな」が主役の物語。「みんな」に支えられ「みんな」と進む。だからμ'sは強い。そんなお話。

 

■孤独な魂を救う「つながり」
無意識にバレエコンクールに挑む際と同じ表情をしていた絵里。

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「孤高」の中でひたすらに頂点を目指し、挫折を繰り返したあの頃。そんな時期の面影を姉の表情から読み取った亜里沙はそっと手を取る。そして「皆お姉ちゃんの味方だよ」と姉を励まします。

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あの頃の「孤独」な絵里とは違う。今は大勢の「味方」がいる。その事実が絵里を「過去」の呪縛から解き放つ。
「孤独」と対比される「みんな」の存在。これが、今回のキーポイントにもなっていきます。

 

■絵里を訪ねる希。
#9は「前回のラブライブ」演出が無かったり、次回予告演出がかなり省略されていたりと、はっきりと「これまでの集大成」を感じられる回。
故に演出面でも、これまでの物語を「踏襲」するような表現が登場します。
「孤独」な絵里を救った最初の「出会い」。それは1年生時の希との出会いでした。
だからこそ、このシーンでは二人の出会いを抽象的に再現します。

一緒に会場へ向かうために絵里を訪ねた希。出会った瞬間に絵里の緊張を見抜きます。

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それは亜里沙と同じく過去の絵里を知る希だからこそ。
しかしそれに「さっきまでね」と答える絵里は、既に自分が「救われている」ことを自覚しています。

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実際に希との出会いによって「救われる」きっかけを得た絵里。
この会話はそんな二人の「これまで」をも象徴するシーンになっています。

 

■真姫を訪ねる花陽と凛。
1期の時点では距離感のあった凛と真姫。今では家の外で待たされた仕返しに冷たい手でほっぺを触る嫌がらせをする。それくらいの関係になっています。

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このちょっとしたやりとりから、二人の距離感の変化も実感できます。
また、自ら「孤独」であろうとした真姫が、今はμ'sという「チーム」のために(恐らく母親にお願いして)「カツ(勝つ)サンド」でゲンを担ぐ。

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こんな変化からも「孤独な魂」が「救われた」ことを暗示する仕掛けを感じるのです。

 

■自宅へと「迎え入れる」こと。
強烈な「自我」と、それに伴う「承認欲求」によって「孤独」であり続けたにこ。
そんな彼女の「自我」を認めつつ、「仲間」として受け入れてくれた場所である「μ's」。
これまではそんな「自我」と「現実」とのギャップの拠点であるが故に、頑なに仲間を招き入れなかった自宅。
今回も希と絵里の来訪を快く思わないものの、最終的には自ら二人を自宅へと招き入れます。

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それは「孤独」だった「現実」を救ってくれた存在として二人を認めているからこそ。
そんなにこの対応からも、にこが「孤独」から「救われている」事実がはっきりと表現されています。

ことほど左様に前半では、過去に「孤独」であった存在が、「μ's」によって「救われている」事実がシーンとして連なって登場しています。

 

■学校の代表者としての2年生
予選決勝との兼ね合いから欠席して良いと言われていた学校説明会。それでも生徒会として、この舞台に立つことを優先した穂乃果たち。
3人にあるのは、あくまでも「学校あっての自分たち」であるという結論。
そんな3人の思いがあるからこそ、ヒフミを中心とした生徒たちの心を動かせる。
これまでの彼女達の「想い」が結実する一日が始まります。

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■A-RISEと対比される穂乃果
説明会での生徒会長挨拶で檀上に立つ穂乃果。

それと対比されるように一瞬映されるA-RISE。

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両者共に「光」に照らされているものの、そこには決定的な差異を感じます。

A-RISEを照らすのは外からの雪明り。その光の元には他者はおらず、3人だけの「孤独」な世界と、彼女達の持つ「孤高」の雰囲気が痛いほどに伝わってきます。

対照的に、穂乃果は学校説明会に訪れた中学生たちの羨望の眼差しという「光」に照らされています。

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そこにはA-RISEのような「孤独」さはありません。
同じく光に照らされながら、全く別の雰囲気を醸し出す両者。この差異の意味と結果は、次回#10のテーマとして引き継がれていきます。

 

■メタファーとしての雪
雪によって足止めを食らう2年生。会場はそれほど遠くないものの、歩いて向かうには困難な道のりであることは確かです。それでも3人で雪の中へと駆け出す穂乃果たち。

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分かりやすいメタファーですが、
これは「スクールアイドル」という「先の見えない」「未知」へと駆け出した、「第1話時点の3人」をメタ的に表現しているシーンと考えて良いでしょう。
※故に雪の中転ぶ穂乃果は、第1話と同じ転び方をしているのでしょう。

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雪の中進む3人。
そんな3人の気持ちを表すように、信号は「青=ススメ」を示しています。

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しかし、前すら見えない強風の中挫けそうになる穂乃果。そんな穂乃果を励ますのは、ことりと海未です。
これまでは苦しい局面では常に仲間の先頭に立ってきた穂乃果。
ことりと海未はそんな穂乃果の背中を支え、追いかけてきた印象もあります。
しかし、ここでははっきりと二人が穂乃果を「引っ張る」姿勢を見せる。

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1期最終回において、自らの「未来」を一時停止し、「今」を選択したことり。
2期において、そんな「今」の価値を最も理解しているのはことりです。
1期ではどこか弱々しかったことり。そんな彼女が力強い言葉を発することが多くなった2期。この#9は、そんな「進化した」ことりを最も実感できるかもしれません。

そして海未。

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これまで自主的には一度として、「スクールアイドルをやりたい」と主張したことがなかった彼女。そんな海未が発する「強い願い」。
これもまた海未という「引っ込み思案」な少女の大きな「成長」を感じるシーンです。

第1話のメタファーとして登場している雪中行軍。しかしながら、その物語を彼女達の言葉と行動によって「更新していく」。それによってこれまでの物語と、彼女達の「進化」の過程をも示す。
非常に考えられたシーンだなと思います。

 

■0を1にすること
「願い」を口にすること。

そして「ためらわず進むこと」によって、自らの道を切り開いてきたμ's。

結果として彼女達が手にしたのは、学校を「廃校」から「救う」という結果でした。
しかしながら、1期ではその事実はあくまでも「マクガフィン」として扱われ、彼女達自身が成し遂げた「成功体験」としてはハッキリとした形では描かれませんでした。
※彼女達の活動が、廃校阻止にどの程度の影響があったのかは、厳密には不明なため。

結果として1期終了時点ではラブライブ出場も果たせず、μ'sが残した「功績」は具現化されないまま。
すなわち2期#9の時点においても、彼女達の「努力」は物理的な「成果」を示してはいなかった。つまり彼女達もこの時点では「0」に近い状態だったと思うのです。

しかし、この時初めて彼女達の「努力」ははっきりとした形となって身を結びます。「学校のため」に、「みんなのため」に走り続けてきたμ's。
その姿が大勢の「みんな」の希望となっていたからこそ、μ'sのピンチに「みんな」が立ち上がる。

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彼女達が「夢」へと向かう道をみんなが作る。
そしてその先へ「真っ直ぐ走って」と告げる。

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実のところ、この時μ'sが走る道は、決してμ'sのためだけに作られた道ではないのです。

「みんな」もまた、μ'sが走る道に、自らの「夢」を重ねている。

だからこそ、彼女達が走る行先を応援する。

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ここに、初めてμ'sの「願い」が具体的に「結実」した形を見た気がします。

彼女達が続けてきた努力は、人知れず育まれ、それが遂に具体的な形として彼女達自身を救う。

この雪中行軍のシーンには、μ'sが「0」を「1」へと変えた、決定的な証が刻まれている。そんな気がしてなりません。

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「退路」となる信号は青から赤へ。穂乃果たちにはもはや退路はありません。
「夢」に向かって真っすぐ、走るのみ。そしてその背中には「みんな」がいます。

「みんなで叶える物語」がここにはあるのです。

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■駆け込む穂乃果 受け止める絵里
1期において、穂乃果と絵里が手を繋ぐことで、ようやく始まった「9人」のμ's。

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そう考えると、二人が抱き合うことには意味があるような気がします。

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二人が手を繋いだのは1期8話。となると穂乃果と絵里が抱き合う直前までの物語は、1期1話から8話までを振り返ると同時に、その物語を「更新」する狙いで作られているように思えます。
二人が抱き合い、思いを共有することで1期8話までの物語が終わり...。
そして、「その直後」から本当の2期#9が始まる。そんな風に思えるのです。

 

■泣かないにこ
今回もにこは泣きませんでしたね。
ここが地味に#11までの伏線になっていきます(笑)。

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■みんなで作った曲
会場へと駆け付けた音ノ木坂の全校生徒、そして家族。
μ's9人の名前を呼ぶ声。その思いを受け止める穂乃果。

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「応援してくれた人 助けてくれた人がいたおかげで私達は今ここに立っています。」
「だからこれは、みんなで作った曲です。」

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「大きな愛」に包まれながら、それぞれの「好き」を思い浮かべるメンバー。
いよいよ究極の「ラブソング」がそのベールを脱ぎます。

Snow halation
μ'sにとっての代表曲...というよりも「2000年代の日本ポップ史に名を残す名曲」と言っても過言ではない楽曲。
μ'sの2ndシングル「Snow halation」。

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どうしても「楽曲」の説得力で勝負せざるを得ない場面。そこにこの稀代の名曲が登場したことで、視聴者はこの勝負がμ’sにとって素晴らしい結果となることを容易に「予感」することが出来るのです。

鮮やかに更新されるのはこの楽曲のPVも同じ。
完全新規描き下ろしのPVとしてだけでなく、ライブ発祥の演出(鈴の音に耳を澄ます振り付け)が加えられたことで、この楽曲と過ごしてきた約3年弱の時間の「重さ」をも実感させる。
そんな巧みな演出が光ると同時に、スタッフのプロジェクトに対する愛情を実感する演出が採られているのも印象的ですね。

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「みんな」のために、そして「みんな」と一緒に、最終予選を戦ったμ's。彼女達が何を「得た」のか。

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それはまた別のお話。

 

...ということで#9「心のメロディ」でした。この回も考察のために改めて見直したので、とにかく丁寧な作りでまたしても感心しきりでございました(笑)。

さて、次回#10は、今回の「復習編」と言える内容。何故そのような結果に至ったのか。A-RISEの問い合わせから穂乃果たちがたどり着く答えとは。

またしてもサクっと更新できたら良いな~という気持ちでございます。

今回もお読み頂きありがとうございました♪

 

~ラブソングっていったいなんだろう~ラブライブ!2期 ハイライト #8「私の望み」

時間がないよー!

と、いうことで、気付くとサンシャイン2期がはじまってしまうので、珍しく急ピッチで更新しちゃいました。

個人的にラブライブ2期の中でも屈指の好きな回である#8「私の望み」です。御託は良い。早速参りましょう。

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■#8あらすじ

いよいよ関東地区予選決勝!A-RISEだけでなく実力派スクールアイドルがしのぎを削りハイレベルの激戦区。そんな場所にも関わらず優勝宣言をかましてしまう穂乃果。そんな穂乃果につっこみを入れるメンバー。相変わらずμ'sらしい和やかな雰囲気がただよっています。A=RISEとの戦いを前に希が提案したのは、メンバーそれぞれから言葉を出し合って「ラブソング」を作ること。とはいえ恋愛経験に乏しいメンバー。思うように作詞作曲が進みません。そんな状況に業を煮やす真姫。それでも食い下がる絵里。どうにも腑に落ちない真姫は自体の本質を追求し始めますが...。

■#8主要登場人物

東條希

今回の主役。これまでミステリアスだった希という女性のバックグラウンドがようやく明らかになるだけでなく、彼女が秘めていた思いまでもが明らかになる。希というキャラクターがもっと好きになれる回。

西木野真姫

μ'sになじみ切れていない時、それを最も気にして、事態を好転させてくれたのが希。だからこそ、なんとなく彼女の行動が気になる。そんな距離感。

絢瀬絵里

唯一希の本質を知る人物。だからこそ「ラブソング」成立に強いこだわりを見せるが。

 

■優勝宣言
東予選決勝。A-RISEの前で堂々の優勝宣言をブチかます穂乃果。

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とはいえ、A-RISEもまた「決勝大会に匹敵するレベル」と称するほど。μ'sの価値も高まっている現状です。遂に正念場。関東地区予選決勝が始まります。

 

■ラブソング
予選決勝を前に浮足立つメンバー。

そんな中希が提案したのは全員の言葉を出しあい、一つの曲を作ること。そしてその曲は「ラブソング」にするという案でした。

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希の発案に反応するのは花陽。アイドルにとっての必殺ソングであるはずのラブソング。しかしμ'sには今までそれが無かった。

もしそれが作れるのであれば、強力な武器となり得る。アイドルオタクだからこそ、花陽にはその価値が分かります。

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とはいえ「ラブソング」とは一般的に「恋愛」の曲を示します。必然的に「恋愛経験」そのものが試されるわけですが、μ'sは経験値に乏しい。それはメンバーが作詞担当者である海未に対して「恋愛経験の有無」を詰め寄るシーンからも明らかです。

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とはいえ、希もそんなμ'sの現状は把握できていたはず。それにも関わらず何故「ラブソング」を提案したのでしょうか?この辺りが後半のカギになっていきます。

 

■「ラブ」の練習

とはいえ時間がそれほどない。ということで、学校で「ラブ」の実践研究を開始するμ's。

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μ'sを追いかけている人ならば当然気付く通り、これはアニメ内には登場しないμ'sのラブソングの一つ「もぎゅっとLOVEで接近中」PVへのセルフオマージュですね。

とはいえ様々な自分なりの「ラブ」を表現するなかでどうにもしっくりこない。

続いて穂乃果宅での恋愛映画鑑賞会を実施。恋に憧れるだけのメンバー、恋そのものに興味のないメンバー、そして恋を恐れるメンバー...と反応はそれぞれ。

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ただし共通しているのは、誰もが「ラブ」を「自分」と近似的に受け止めることができていない...ということ。
それほどにμ'sと「恋」との距離感は、今は大きいのです。

その事実が明らかになることで、明確になる「焦り」。
予選決勝が差し迫る中で、悠長にこんなことをしていて良いのか?

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前回ハロウィンライブにおいて、紆余曲折の末「今の自分たち」に自信を持つことの意義と、成功体験を得たことで、真姫は安易な逃げ道としての「ラブソング作り」に懐疑的な視線を持っているわけです。

 

■絵里の拘り
ほとんど希の「思いつき」と言って良いような案に固執する絵里。そのこだわりの理由が分からず、真姫の疑念は高まっていきます。
穂乃果宅での映画鑑賞回後、誰もが「恋」に対してピンと来ないなかで、それでも「ラブソング作り」に拘る絵里に遂に率直な意見を告げる真姫。

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「今から曲を作ってもクオリティが下がるだけ」「自信のある曲で予選に挑むべき!」

そこまで言われても食い下がる絵里。しかしそれを制するのは希。

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「真姫ちゃんの言う通り」「カードもその方が良いと言っている」

身内が折れたことで、沈静化する絵里。しかし、希の持っているカードが何なのかは分からないまま。故に希の真意もまた「藪の中」です。

 

■追跡
絵里と希の真意がつかめない真姫。二人を追尾するなかで、いよいよ本質が分からず二人に詰め寄ります。以前真姫を「めんどくさい人」と評価した希。そんな希の言葉を用いた上で、「あなたのほうがよっぽどめんどくさい」と返す真姫。

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思えば希はその時「あなたに良く似た人を知っている」と告げていました。(1期10話考察を参照ください。)

ishidamashii.hatenablog.com

 我々や真姫はそれを「絵里」のことだと理解していたかもしれません(実際そう受け取れる演出が採られていました)。しかし真実それは「自分=希」のことなのだろうと思えてきます。自分が「めんどくさい人間」だからこそ、とびきり「めんどくさい」真姫が気になって仕方なかったのでは?と。

 

■私の望み
希宅で明かされる今回の一件のあらまし。

元々は希がグループ結成前に考えていた「望み」がその根底にはありました。

「自分を大事にし過ぎて」「自分の本質をさらけだせないメンバー」を繋いでくれる存在であるμ's。その存在に「自らの希望」を見出した希。

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もしもこの9人がグループとして成立したのなら、その時にはそんな9人の言葉を「一つ」に「繋いだ」楽曲を作りたい。その楽曲で「ラブライブに出場したい」。それが希の願った「密かな望み」。

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正直なところ別にそれが「歌でなくても良かった」。ただ9人で一緒に「何かをした」その証を残したかった。

もしかしたら、それは希がずっと「ひとりぼっち」だったからこそ抱いた望みだったのかもしれません。

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しかし実のところ、その「望み」はとっくの昔に叶っていたのです。

9人で過ごす「なんてことない一日」と、その積み重ねが、希の「望み」を叶えてくれていました。
例えば、一人ぼっちで食べる豪華な食事よりも、9人で食べるほむまんの方が何倍も何十倍もおいしい。

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その事実がもたらす「幸福」と、それが自分の「望み」を叶えてくれている事実に気付くことが出来た時点で、希の願いはとっくに成就していた。その事実に無意識に気づいていたからこそ、希は「ラブソング」から手を引く決断をしたのではないでしょうか。

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■ラブソング
希の真意を知った真姫。それを知ったからには、今度は是が非でも希の「望み」を叶えて見せたくなるというものです。

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だって「友達」なんですから。
希の真意を知ったことでより互いに対する信頼感が深まるμ'sメンバー。

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その時そんな気持ちを反映するかのように、降り出す雪。

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「不思議だね 今の気持ち 空から降ってきたみたい」

「あの曲」の歌詞がそう告げたように、「恋」や「愛」は「手に入れよう」として願って、手に入る感情ではない。

ある日、ふと「降ってきた」ように舞い降りる気持ち。それがひょっとしたら「ラブ」なのかもしれない。

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「恋」とはちょっと違う。もっと深い部分での「愛」を実感したことで、μ'sのメンバーそれぞれの心に降ってきた「感情」。その一つ一つを組み合わせた楽曲は、間違いなく極上の「ラブソング」になるはずです。

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季節は秋から冬へ。μ'sの究極の「愛」を詰め込んだ「最強の楽曲」が誕生します。

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 運命の日を前に降りてきた「雪の煌めき」。それがμ'sに一つの「奇跡」を起こすのです。

さぁ、「運命の日」がいよいよ近づいてまいります。

 

というわけで#8ハイライトでした。

希のことを詳しく台詞で説明せず、画だけで様々な情報を想像させる。非常に演出が素晴らしい回で、今回見直すなかでもやはり感心&感動してしまいました。やはりこの回が大好きです。

さて、次回はこれまた大事な#9。とはいえ、それほど難しい回ではないと思うので、こちらもサラっと行ければと思います。

引き続きお付き合いくださいませ。

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~別れの季節が始まって~ラブライブ!2期 ハイライト #7「なんとかしなきゃ!」

皆様こんにちは&こんばんは。

2期ハイライトもいよいよ終盤戦。この#7からは見逃せない回ばかり。私自身改めて気合を入れて書いていこうと思います。

サンシャイン2期放送までに終わるのかは非常に怪しいですが。。

前置きはどうでも良いので、参りましょう。#7「なんとかしなきゃ!」です。

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■#7あらすじ

いよいよ予選決勝大会が始まる...という最中明らかになった驚愕の事実は...穂乃果の体重増加でした。。盛大な煽りからすればなんとも拍子抜け。とはいえ見過ごせないレベルの増量っぷりに減量計画が海未から課されます。時を同じく花陽も秋の新米の影響で体重増加が発覚。二人仲良く減量トレーニングをすることになります。そんな中生徒会としての業務をこなさなければいけない2年生組。予算会議前に各部の予算申請を受け取りますが、ことりはちょっとした油断から大きなミスを犯してしまい...。

■#7主要登場人物

高坂穂乃果

体重の増えてしまったアイドル。しかもリーダー。ということで現実世界でもよく表出する「アイドル急に太る」の法則を実践してしまいました。育ちざかりだからしょうがないと思うんですけどね(実際問題)。とはいえ、問題はそれだけでなくて、生徒会に降り注ぐ危機を2年生だけの力で解決に導き、生徒会長としても一つ成長を果たします。

小泉花陽

「ご飯」という魔物に魅入られた悲しき乙女。ということで今回は前半部分のメインパートを握る存在でした。

絢瀬絵里・東條希

生徒会に危機が降りかかる中力を貸そうとする二人。しかしながらその申し出は穂乃果によってやんわりと拒否されます。二人が感じる寂しさはやがて来る「別れ」への予感としてじんわりとした余韻を残します。

 

■秋と体重増加

季節はすっかり秋。天高く馬肥ゆる秋、というようにご飯がおいしくなる季節でもあります。そんなわけで今回は体重が増えてしまった穂乃果と

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花陽がメインのお話。

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と見せかけて、実はこの二人のお話は今回の後半の物語への目配せに過ぎません。今回の物語のキモはあくまでも後半。「成長」と「別れ」の物語へと連なるブリッジとしてこの7話は存在しています。

 

■ファーストライブの衣装

肥えてしまった穂乃果(見た目では分からないが)。なかなかその事実を認めたがらない彼女に渡されたのは、ファーストライブ時の衣装。

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「この衣装を着てみれば全てが明らかになる」そんな海未の言葉を証明するように、穂乃果はこの衣装を着ることができません。

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理由はもちろん「肥えたから」。

しかし実際にはそれだけでは無い気もします。実際高校生である彼女達は今が成長期。2年生の春に着られた服が秋に着られなくなたとしてもそこまで深刻な問題は無いような気もします。

となると、穂乃果がこの衣装を「着られない」という事実には、別の意味が込められているような気もします。それは文字通り「成長」です。

当初の目的だった「廃校阻止」を成し遂げ、精神的にも1期当初から大きく成長している穂乃果およびμ's。彼女たちは既に「過去」の縛りを受けない存在です。一番最初の「衣装が着られない」のは、そんな彼女たちの「成長」と「過去からの離脱」を象徴する出来事のようにも思えるのです。

 

■生徒会の使命

第1話から語られている通り、穂乃果はどうしても生徒会の業務を滞らせがちで、その負担を海未とことりが背負っている印象があります。

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生徒会とは本来、生徒の選挙を以て選出される「生徒側からの学校の代表」です。その存在と仕組みは「スクールアイドル」に非常に近しいものがあります。とすれば本来はその業務に真摯に取り組まなければいけない。学校を母体とする「スクールアイドル」にとって、学校の生徒からの応援は何よりも力になるもの。実際穂乃果たちはこの後音ノ木坂の生徒たちの助けをもって、ピンチを脱することになります。とすれば、どこかのタイミングで真の意味での「学校の代表者」として、生徒たちの支持を得なければいけない。今回の後半の物語は、そんな「みんなの支持」を得るための物語でもあります。

 

■ハロウィンライブの成功

前回「A-RISEに勝つため」に右往左往したハロウィンライブ用の楽曲作り。結果として「普段の自分たちのままで良い」という結論に落ち着きました。今回ライブの評価を得るμ's。その意見が好意的なものばかりだったことで、μ'sは「自分たちのままで良いのだ」という自信を得るに至りました。

他者と自分たちをなかなか相対化できなかったμ'sにとっての大きな成長。しかしながらこの自身が次回では少しだけカセになったりします。その辺は次回の講釈にて。

 

■生徒会のミス

ダイエット計画と並行して進めなくてはいけない生徒会の業務。時期は部活の予算会議。各部より予算の申請が届けられます。スクールアイドル活動と並行した活動ながらこれまで大きなミスもなく進めてきた生徒会活動。その中心にいたのは間違いなく海未でありことりでした。しかし、今回はそのことりがうっかりミス。まだ承認してはいけないはずの予算申請を承認の箱に誤って置いてしまったのです。

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なんと美術部の部費が予算会議前に「承認される」というあり得ない事態に。

(冷静に突っ込ませて頂ければ、いかに穂乃果がザルでも理事長のツッコミが入るだろうよ!とは思いますが、まぁそこは置いておいて。)

一応美術部の生徒に状況説明に行きますが、「もう皆に話しちゃったよ!」などと言われる始末。(ここも、まぁお前そんなこと言わずに状況を理解しろや!とは思いますが...。)

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なんにせよ穂乃果たち2年生がメインとなっての生徒会に初めての「ピンチ」が訪れることになります。

にわかに動き出す元・生徒会長および副会長。自分たちが部活OGに声をかけることで、事態の鎮静化を図ろうかと穂乃果に持ちかけます。

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始めはそんな絵里たちに頼ろうとする穂乃果。しかしふと思い立ちその申し出を断ります。

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「自分たちでなんとかしなきゃいけない」

穂乃果にとっては自分たちのミスで招いてしまった事態。だとすればそれを先輩の力を借りて強引に解決するのは少し違う気もします。

また、先ほども書いた通り、今回の物語の本質には穂乃果たちが真の意味で「音ノ木坂の代表」として生徒たちの「支持を得る」ことに意味があります。だとすれば、その支持は自分たちの努力で得なければいけない。そして仮に絵里たちの力を借りてしまったら、その時点で生徒たちから「信頼を失う」ことになりかねません。今回の収集は、そんな穂乃果たちを試す試金石となっている事件なのです。

穂乃果の言葉に食い下がろうとする絵里。それを制す希。

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帰り道にも心配そうに生徒会室を見上げる絵里に、希が声をかけます。

「パフェでも食べて帰ろか」。

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学校生活のほとんど全てといって良い時間を「生徒会活動」にかけてきた絵里。だからこそ生徒会の業務にはある程度の自負を持っています。故にその生徒会のピンチに自分が関与できないことへの歯がゆさがあります。また何にかけても自分を頼ってきた穂乃果が自分を頼ってくれない寂しさもあります。

そんな絵里が抱える「寂しさ」を機敏に察知する希。二人の関係性の深さを改めて感じ取れる名シーンです。それと同時に確実に流れていく「時間」と迫りくる「別れの季節」の意味を嫌が応にも感じてしまうシーンです。

もはや生徒会には絵里達の居場所はない。それは確実に「卒業」が目前に迫っていることへの目配せでもあります。

 

■問題解決に努める2年生3人

生徒会の3人のやるべきことは、まずは溜まっていた書類の整理。そして経費に関する再チェックと、そこから各部の予算に振れる経費がどの程度あるのかの再検討です。地道で時間のかかる作業。とはいえ、その作業が改めて「学校のことを知る」最高の機会にもなります。

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結局のところ、ミスを犯した際にそのケツを拭く方法は、真面目に真摯に、問題解決に努めること以外にありません。世の中にはウルトラCもたくさん隠されているでしょう。けれどもそれはベターではない。何よりも「人の気持ち」を動かすためには、一生懸命問題解決に取り組んだという「過程」が大事になったりするもの。

放課後も遅くまで予算資料の見直しに取り組む穂乃果たち。その様子をみた先生も声をかけずそっと立ち去る。一生懸命やっている人の姿は誰かが見ている。そしていつか必ずその行為が身を結ぶ。今や教育テレビでも流れるラブライブですが、こういった面でも非常に教育的な内容だなぁと改めて思いますね(笑)。

 

■予算会議

そしていよいよ予算会議。緊張する穂乃果たち。そこに声をかけるにはにこ。アイドル研究部部長として予算会議に参加していたにこ。彼女の存在が穂乃果たちに勇気を与えます。

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会議冒頭、やはり議題として上がるのは今回の「予算会議前の予算承認」と「その差し戻し」に関する説明を求める声。

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しかし先ほども書いた通り、穂乃果たちには「ウルトラC」はありません。素直に「自分たちのミス」を認めた上で謝罪。更に「無い袖は振れない」ということで、吟味した予算案を各部に渡すことで理解を求めます。

その資料には彼女達の努力が刻み付けられているもの。更に言うなれば、本来廃校になるはずだった音ノ木坂を救う原動力となったμ'sの3人が発する「無い袖は振れない」という発言は非常に説得力のあるもの。

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その資料と言葉の説得力を認めつつも、今回の「ケジメ」としてこれを受け入れるかの判断に困る生徒たち。そんな生徒たちに「ケジメを受け入れる」キッカケを与えるのはにこ。

彼女の「この予算案で良いと思う人~」という声をきっかけに手を上げ始める生徒たち。

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結果として穂乃果たちの真摯な思いがしっかりと生徒に伝わり、無事生徒会はピンチを脱したのです。

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難しい局面を、真摯な対応で乗り越えた穂乃果。明確に一つの壁を乗り越え、成長を果たしました。

 

■別れの季節が始まって

「ソレデヨサントォッチャッタノォ!」

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と花陽ちんもびっくりするくらいスンナリ終わった予算会議。でもそれも全ては穂乃果たちの真摯な姿勢が生徒たちに伝わったからこそ。ここにμ'sは明確に「音ノ木坂の代表者」として生徒たちの信頼を勝ち得ました。

秋の木漏れ日の中じゃれあう穂乃果と海未。そんな穏やかな時間を横目で見ながら希は「生徒会大丈夫そうやね」と呟きます。その瞳はどこか寂しげで...。

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穂乃果たちの成長を信頼し、生徒会のピンチ解決を託した希。しかし、やはり眼前で「自分たちが不在でも廻っていく生徒会」を目視することは複雑な気持ちを喚起させます。

「自分の居場所」が既にこの学校から消えつつあること。それを実感するのは、「卒業」を実感することと同じ。前回は絵里の機微の変化を希が感じ取れたように、今度は絵里が希の変化に気付きます。

「また、パフェ食べて帰る?」

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同じ胸の痛みを理解できる唯一の存在である二人。だからこそ二人にしか通じない符号がある。この回であった符号を繰り返し使用するのは、なんとも気の利いた演出だなぁと思います。

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季節はすっかり「秋」。秋は「別れの季節」。μ'sが無意識に無視していた「別れ」はひしひしと、それでいてはっきりと目前まで迫ってきています。

 

というわけで#7でした。

さて、次回は個人的に2期の中ではTOP3に入るくらい好きな回である#8「私の望み」ですね。いよいよ2期考察も終盤戦!一期に、それでいて大切に紡いでいけたらと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

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~私達はもともと「個性的」~ラブライブ!2期 ハイライト #6「ハッピーハロウィーン」

皆様こんばんは。

さて今回もはりきって今話題のラブライブ!2期を考察してまいりましょう!!()

....さてさて、サンシャイン二期の放送日が確定しましたね。これで「二期開始前までに完了させる!」と宣言してきた「ラブライブ!2期考察」が期日までに完了するかが俄かに怪しくなってまいりましたがw 

本BLOGは変わらずマイペースに参ろうと思います。引き続きよろしくお願いいたしますm(__)m

今回は#6「ハッピーハロウィーン」です。

2期屈指のギャグ回という印象もあるこの回ですが、転じて前回と同じくラブライブ全体が持つテーマを引き続き表現した回となっております。

また2期全体においても重要な要素をもった回となっておりますので、こちらもしっかりと考察していきたいなと思います。それでは参りましょう。

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■#6あらすじ

季節は秋。秋葉原ではハロウィンパーティーが開催されることに。見事予選突破を果たしたμ'sは、アキバを拠点とするA-RISEと共に「東京を代表するスクールアイドル」としてパーティーにゲスト参加することに。ラブライブ優勝を目指すμ's。ここでA-RISEよりも「目立たなければ」とても本選では勝てないと主張するメンバーたち。「A-RISEに勝つにはどうすれば良いのか」それを求めるあまり暴走していくのですが...。

 

■#6主要登場人物

高坂穂乃果

「A-RISEに勝ちたい」。その目標の為自らも迷走していく穂乃果。しかし彼女の気づきがきっかけでまたしてもμ'sは迷走から脱することに。

南ことり

1期において「未来」よりも「今」を選んだことり。それ故に彼女は最も「今」の価値を知っている人物。そんな彼女が発する「言葉」も今回において重要なシーンの一つです。

■ハロウィンイベント

見事予選を突破したμ's。狭き門を突破したことで知名度もうなぎ上り。そんな事実を証明するように、今回秋葉原で開かれる「ハロウィンパーティー」にA-RISEと共にゲストとして招かれることになります。

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このイベントは「戦い」ではありません。しかしA-RISEとの共演は意図せず自分たちが彼女達と比較されることに繋がります。μ'sの目標はあくまでも「ラブライブ優勝」。その為にはどんな舞台であれA-RISEに後れをとるわけにはいきません。

「私達の目標はラブライブ優勝!」「A-RISEよりも目立たなければいけない!」

「今まで通り」ではA-RISEには勝てないと感じているメンバー。どうすれば彼女達を超えられるのか。

インパクト」「新しさ」...。

答えの無い解答を求めて、μ'sの「迷走」がスタートします。

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さて、今回のテーマ、どこかで聞き覚え・見覚えがあるはずです。もうお気づきとは思いますがラブライブ!サンシャイン!!第5話「ヨハネ堕天」および第6話「PVを作ろう!」と同じテーマを内包しています。(もちろんサンシャインがこの話のリブートをしているわけですが)

これだけ繰り返し「同じテーマ」を用いるということは、それだけこのテーマに「意味がある」ということ。そういった意味でもこの#6は「ただのギャグ回」以上の意味をもった回でもあります。

■「持ってない」μ's

イベントは街を挙げての大々的なもの。まさかのキックオフイベントまであります。

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(唯一作品を跨いで登場しているはっちゃけお姉さん=俺命名もここが初登場!)

はじめての大きなイベントに戸惑いを隠せないμ's。代表して登壇した穂乃果・凛・にこも緊張を隠せない様子。

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お姉さんがそれぞれに意気込みを聞くものの...

穂乃果は「無難な返事」しか返せず。

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凛は自らの「キャラ」をアピールするも、残念カメラ目線ではない方向にアピールしていしまい...

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にこに至っては「にこにこにー」を言わせてもらえない...と、

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3者3様「上手くアピール」を行えません。

そんな3人に対し、A-RISEは「ビデオコメント」での出演ながら、映像を利用した早着替えと自分たちの学校を使用した派手な演出で、観客やお姉さんの注目を一期に集めることに成功します。

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自分たちの見せ方をしっかりと把握している実に「プロっぽい」A-RISE。その実力をまざまざと見せつけられたことで、μ'sの「焦り」はより加速していくことになります。

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自分たちの「持ってなさ」に対する自覚が、μ'sを「迷走」へと駆り立てていくのです。

 

■試行錯誤

インパクト」を求め試行錯誤を始めるμ's。

「キャラ付」を狙って「部活系スクールアイドル」に挑戦します。

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それぞれが振り切って演じる「部活系」のキャラは非常にコミカル。しかし、彼女たちの「本質」とは何ら関係ないチョイス。あまりにも「ぬるい」キャラ付けで、とても一貫して使用できるレベルにはありません。

続いて手を出したのは「根本のイメージを覆す」キャラクター。ということで真逆に振り切った「K〇SS」風なイメージ。

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確かに「イメージは覆り」ましたが、もはや「アイドル」ですらありません。

また、学校の風紀を乱したことで理事長から呼び出しを受ける始末。

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理事長からのお説教にも反抗する姿勢を見せるメンバー。そんなメンバーに、理事長がこの衣装を認める対案として出したのは「今後もその衣装で活動していくこと」というもの。その言葉に冷静になるメンバー。「根底を覆すイメージ」はあっさりと「失敗」に終わります。

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さてこの2つのコスチュームに共通しているのは「安易なキャラ付」という部分。確かに「インパクト」や「新しさ」はあるかもしれません。しかし安易で付け焼刃なキャラクターのドーピングは決して長くはもたないもの。それを看破しているからこその理事長のツッコミであり、それを理解したからこそμ'sも「付け焼刃」を「止める」わけです。

この辺りはサンシャイン第5話「ヨハネ堕天」でも全く同じモチーフで再現されましたね。

 

■お互いになりきれ!

試行錯誤のなかで試したもう一つの「CHANGE」。それはμ’sメンバー同士がそれぞれに「なり切る」というものでした。

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もはや「何のため」にやっているのか、目的すら見えない行動ではありますが(笑)。しかし結果としてこの行動が穂乃果にある「気づき」を与えるきっかけになります。

それぞれが互いを演じることは、客観的に「自分を見る」ということに繋がります。そしてその行動の中で改めて自分の「アイデンティティ」を理解することが出来る。このタイミングでは気付くことが出来ませんでしたが、客観的に自分たちを見たことで、彼女達は自分の「個性」に関して改めて理解することが出来ました。

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絵里演じる花陽の「みんなが~~~変よ」で中断される「なりきり」。もちろんこの「変」は「みんなの様子が変」という意味で発せられていますが、言外として「変=個性」というダブルミーニングでも使用されているように感じられます。

自分では気づかないけど、やっぱり皆どこか「変」なはずで、それは決して悪いことではないのです。「変」なところは同時にその人の「個性」でもあるはず。「みんなちがって、みんないい。」じゃないですけど(笑)。

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それに気づくことが出来たのだから、決して無駄ではない行為だったように思えます。そしてこの「気づき」が終盤の結論にも影響を与えていきます。

 

■「役割」と「今」

試行錯誤の結果、結局「無難な路線」で行くことになったハロウィンパーティー。にこは率直に不満を漏らします。

「くだらないことに時間を使っただけじゃない!」。

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自分が地味な裁縫作業を担わされていることにも不満を露わに。

そんな荒ぶるにこを諭すのはことり。ことりは凛とした表情ではっきりと主張します。「そんなムダな時間じゃなかったと思う」と。

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ことりがなぜここまで冷静に、にこを諭すことが出来るのか。それは彼女が1期において自らの「未来」を一旦放棄し「今」を選んだ人物だからでしょう。

自らの「将来」に繋がる「留学」と、高校生活の「今」を引き合いにし、高校生活を選択したことりは、μ'sにおいて最も「今」の「価値」を理解するキャラクターです。彼女にとってはμ'sの一員として過ごす一日一日が「かけがえのない日々」。そこに「ムダな時間」は1秒として存在しません。

にこがこの時点では理解していないそんな「今」の価値、「μ'sとして過ごす時間」の価値を理解するからこそ、ことりは「μ'sのために出来ること」をする時間を無駄とは感じない。「μ's全員で何かをする」時間をかけがえない時間だと認識できる。このシーンはそんな彼女の立ち位置と気持ちがはっきりと見て取れる、2期においても非常に大事なシーンの一つだと感じています。

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外でこっそりとことりの気持ちを聞いている希。彼女もまたことりの気持ちを理解する人物なわけですが、この辺は#8あたりまでお預けですね。

 

■私達はもともと「個性的」

結局通常通りのハロウィン衣装でハロウィンパーティーに臨むことになったμ's。準備へと向かう最中、ハロウィンの飾りつけで賑わう街中でじゃれあうメンバー。そんな様子を見つめながら穂乃果は一つの解答を得ます。

「私達はきっと今のままでいいんじゃないかな」

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はじめは「学校を廃校から救う」「スクールアイドルになりたい」「スクールアイドルを続けたい」「音楽を辞めたくない」「友達のため」など様々な理由で集ったμ's。動機がバラバラで全く関連性も無かった彼女達は、決して一枚岩のユニットとは言い難いグループでした。そんな彼女たちはお互いが抱える問題や課題を協力して解決する中でお互いのことを「理解」し、連帯を強めていきました。

いつの間にか忘れていたけれど、自分たちははじめから十分に「個性的」だった。だとすれば何も後付の「個性」なんて必要ない。そのままの「自分たち」を表現することができれば、それは紛れもない「オンリーワン」になるはず。

穂乃果の得た解答とは、前回凛が得た解答とも共通するもの。

自分たちは「今」のままで、十分に「輝ける」。

そこに気付けたからこそ、μ'sは自信をもってハロウィンイベントにも挑むことが出来るわけです。

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Dancing stars on me!

ハロウィンパーティーにてμ'sが披露したのは「Dancing stars on me!」。

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ハロウィンのワクワクを全面に押し出した、至ってシンプルでスタンダードな楽曲でした。はじめ夜のカキワリの前で踊り始めたμ's。舞台は夜から昼に変わり、やがてカキワリを飛出し秋葉原の電気街へと飛び出していきます。

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舞台が次々と変わっても、衣装が変化せずにパフォーマンスを続けるμ's。そこには例えどんな「シチュエーション」でも「変わらない自分たち」が、その「個性」が、表現されているように感じます。(これは後に劇場版ラブライブでもリブートされます)

彼女達は「輝く」ことの「意味」と「価値」を、「今」を生きる事で知り、それを「体現」していきます。そこにラブライブ2期という物語が持つ価値も内包されているのです。

ラブライブの根底にある「自分を理解」し「自分を愛する」こと...というテーマ。今回の#6はそのテーマが最も分かりやすく表現された回でもあります。故に私は個人的にこの#6は重要な回だと認識しているわけなんですね。

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と、いうわけでまたちょっぴり成長したμ's。いよいよラブライブ本選へと時計は進んでいきます。

時を同じくして雪穂が見つけてしまったある「手紙」。

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前回1期において、物語を一気にシリアスな流れへと巻き込んだ「手紙」。それゆえに深刻な事態を想定させるミスリードとして働いたわけですが(今にして思うと雪穂の演技がギャグテイストなのでまったく深刻な雰囲気に見えないw)、そのお話はまた次回!

 

以上#6でした!

今回はシンプルイズベスト。話す内容がはっきりしているので割と楽でした!毎回こうありたいw

それではまた次回お会いいたしましょう♪

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~「今」のままで「新しい自分」に変わること~ラブライブ!2期 ハイライト #5「新しいわたし」

こんにちは。そしてこんばんは。

今回も「ラブライブ」の考察a・k・a妄想をお送りして参ります。

さて、今回は2期...というかラブライブ全体を通しても個人的な思い入れが強い回。星空凛が主役となる#5「新しいわたし」をお届けします。

これまでそれほどスポットライトが当たってこなかった凛というキャラクター。そんな彼女が抱えるトラウマとそれに起因して発生する「カセ」。それを乗り越えることで手に入れる揺るぎない一つの「答え」。

とても感動的なエピソードであると同時に、「ラブライブ」という作品そのもののテーマにも強く関係している回でもあります。

またこのエピソードは続く#6「ハッピーハロウィーン」やラブライブ!サンシャイン!!における4話「ふたりのキモチ」や5話「ヨハネ堕天」とも通ずるテーマを内包しています。

そんなわけでシンプルに、それでいてこの回の持つ重要性をしっかりと伝えられるように頑張って書いていければと思います。よろしくお願いしますm(__)m

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■#5あらすじ

2年生たちが修学旅行へと出かけるなか、不在となった生徒会業務を手伝うことになった旧生徒会長と旧副会長である絵里と希。実質的に1年生3名と部長であるにこの4人で練習を進めていくことになったスクールアイドル部。将来を見据えた上で1年生のうちの誰かが仮リーダーとしてμ'sを引っ張ることに。そこで抜擢されたのは凛。周囲も凛ならばいつもの調子で軽く受け入れるだろう...と思っていたが、当の本人は乗り気ではない様子。そこには凛がμ'sへ加入する以前から抱えている「トラウマ」に要因があるようだが...。

■#5の主要登場人物

星空凛

今回のヒロイン。いわゆる「ボーイッシュ」な「元気キャラ」として認識されていた彼女。しかしその表向きのキャラクターとは違う一面を抱えていたことが明らかに。実は1期からチラチラと張られていた伏線が、いよいよ一気に回収される。それと同時に、「星空凛」というキャラクターの深さをファンだけでなく、演じる飯田里穂すらも理解するキッカケとなった回でもある。

小泉花陽

少女マンガ的に言えば、今回のヒーロー(?)。幼少期からの凛を良く知る人物というだけでなく、お互いに「かけがえのない親友である」という強い絆で結ばれる二人。いつもはことさらに自己主張することのない彼女が発した「強い主張」。それが凛を救う一言にもなる。

西木野真姫

凛と花陽がピックアップされがちな今回だが、ひっそりとそれでいて的確に凛の真意をつかみ行動に移していた真姫。「りんぱな」だけでなく「まきりんぱな」の絆も健在。

高坂穂乃果

今回は修学旅行中なので出番薄。とはいえ穂乃果の成長も感じる登場シーンに。意図して出しゃばらず、凛のこと・これからの「μ's」のことを見据えて「センター決定」の判断を花陽に託す。仲間を信頼できるようになったのは、穂乃果が1期から成長している証。

■「リーダー」の「不在」

修学旅行で不在となる2年生3人。本来は生徒会組でもある彼女たちが不在となることで、そのフォローをすることになる旧生徒会勢(絵里・希)。...ということで稼働できるメンバーは部長のにこと1年生3人のみ...という状況。メンバー不在時でもラブライブに向けて練習は続けなくてはいけない。そんな中「暫定のリーダー」を決めることに。

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(雨は停滞の予感。それと同時に雨模様の天気...というのも物理的に重要な伏線として機能することに。)

協議の結果選ばれたのは凛。まさかの抜擢に驚きの表情。

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今回、「問題解決能力を持った」「リーダー」が「不在状態」となるのは、意図的なシナリオ構成に思えます。

注)にこも「リーダー的な素質」を持った人物ではありますが、それは「アイドルに関わる事柄」に関する時のみ。こと「一般的な問題」の解決能力に乏しいにこ。今回も終盤まで凛が抱える「悩み」や「問題」には気づく様子はありませんでした。

「問題解決能力」のある「リーダー」を舞台上から省いた要因は、「残されたメンバー=1年生」が中心となって課題を解決していく物語を描きたかったからなのでしょう。その理由がどこにあるのか...に関しては後述することといたします。

 

■凛が抱える「カセ」

暫定リーダー就任の申し出に、頑として首を縦に振らない凛。絵里の説得で最終的には了承するものの、本質的には了解していない様子でもあります。

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凛が「リーダー職」を受けたがらない要因として、「自己評価の低さ」があります。「自分はアイドルに向いていない」「女の子っぽくない自分がアイドルをやっていること自体がおかしい」と考えている凛。故に「グループ内で目立つセンターを兼任することになるリーダーは出来ない」というのが凛の理屈。

凛がなぜここまで「卑屈」になってしまっているのか...。その原因は1期の時点でも明かされていた通り。過去の「トラウマ」が原因です。

幼少期には持前の運動神経の良さも相まって「男の子」のような風貌で、「男の子たちと遊ぶ」機会も多かったであろう凛。しかし本来は「女の子らしい服装」を好む彼女。ある日勇気を持って「スカートを履いて」登校します。

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彼女なりの勇気を振り絞っての「自己改革」。しかしその「勇気」は男子陣の冷やかしの対象となってしまいます。「いつもは男みたいなのに今日はスカート履いてる!」

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人生最初の「自己改革」への決断と、その動機となる「勇気」を全否定された凛。この一件は「トラウマ」となり、その後も彼女の「カセ」となって纏わりつくようになってしまうのです。

「目立つ事」を極力嫌うのも、「自分らしくないことをして目立った結果」「謂われのない誹謗中傷を受けた」ことが原因となっているように思えます。

その後は「変革」することを恐れ、「周囲が認識する・期待する自分」であり続けることに注力した凛。

結果として「ショートカット」・「元気」・「男の子っぽい服装」という要素が「凛を形作るもの」になりました。もちろん、これら全てが「外付け」の「凛のステータス」では無いでしょう。しかしそれが本来の「凛」にどこまで「近いステータス」なのか...と問われれば、その答えを知っているのはほかでもない「凛」自身しかいません。そしてやはりそこには目に見えない「歪み」が明確に生まれている。今は小さな「歪み」でも、やがて大きくなった時、どれほどのダメージを凛に与えるか分からない「歪み」。凛が抱える「カセ」とは思った以上に「深刻」な、「病」の温床となるような、重大な意味を持つものなのです。

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では、凛が抱えるこの「カセ」をどのようにクリアしていくのか...というのが今回の物語の主軸となるポイントですね。

 

■「なりたい自分」

台風の影響で沖縄から東京に戻れなくなった2年生陣。これにより本来は9人で出演する予定だった「ファッションショーでのライブ」に6人で出演することになるμ's。そしてなし崩しではありますが、仮リーダーを務める凛がセンターポジションに着くことに。

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更に衣装は「女の子にとっての最大の憧れとなる衣装」=「ウェディングドレス」風の衣装。

仮リーダーの役割はあくまでも「穂乃果たちが戻ってくるまで練習を率先して見る役割」と考えていた凛。ただでさえ「目立ちたくない」にも関わらず、なし崩しでセンターへと抜擢された事。さらに「女の子らしい衣装は自分には似合わない!」と主張することで、断固としてセンターで踊る事を拒否します。

この抗議は確かに一理あるかも...と理解を見せる絵里と希。凛はここぞとばかりに代役として花陽を推薦。センター職から逃れます。

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ほっとした様子をみせる凛。しかし花陽と真姫はその瞳の奥にある「真実」を、敏感に察知します。

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本来であれば「女の子らしい服装」を好む凛。そのことを知っている花陽は、その「女の子らしさ」の極地にある「ウェディングドレス風衣装」を凛が「着たがらない」という事実に違和感を感じています。

真姫は凛の「欲求」自体を完璧には理解はしていないのかもしれません。しかし普段密に凛と接する中で、彼女のもつ「本質」を2年生や3年生よりもはっきりと理解しています。それ故に凛の「異変」にもいち早く気づいたのではないでしょうか。

そして恐らく花陽の予想通り、凛はこの「ウェディングドレス風衣装」に強く惹かれていたはずです。しかし、その「欲求」を自ら手放す。そこにはどんな理由があるのでしょうか。

衣装を目の当たりにした凛は、意図せず「自分自身が本来欲求する自分=ウェデイングドレス風衣装を着た自分」を脳内で想像したはずです。その結果「自らの本質」と「仮初めの自分」との「乖離」にも真っ向から向き合うことになってしまったのではないでしょうか。そしてその「乖離」に耐えられなくなったからこそ、衣装の前から「逃亡」したのではないか...と考えられます。

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「乖離」を「直視」する事から逃れた凛。あくまでも「仮初めの自分」を守ることに注力します。「本来の欲求」から離れたその行動。その一見理解できない行動の元には、「傷付きたくない」という「自己防衛本能」があるのでは?と理解できます。「本来の自分」よりも「仮初めの自分」を優先する選択基準。そこにはかなり「歪」な精神構造が見え隠れします。

とはいえ凛の振る舞いは一件「自然」そのもの。故に3年生3人は彼女の異変に気付くことが出来ません。しかし凛の状態は決して「健全」とはいえないもの。となれば、「異変」に気付いた1年生二人が、その状態を「健全化」するために動く必要が出てきます。

それはすなわち「凛自身」に「本来の欲求=本来の自分」を「承認してもらうこと」です。

 

■かけがえのない人・そして他者からの「承認」と自己の「解放」

凛の異変に関して、穂乃果に相談する花陽。「穂乃果ちゃんならどうする?」と質問します。穂乃果は一瞬答えようとするも、すぐに考えを改め...

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「それは花陽ちゃんが決めることだよ」とアドバイスを送ります。今回の問題に関して、自分が意見を述べたところでそれは完璧な解答にはならない。凛を最も知る花陽だけが正解を持っているはず。それを理解しているからこそできるアドバイスでもありますね。

とはいえ、このシーン。今まで何にでも首を突っ込みがちだった穂乃果という人物の成長と同時に、メンバーへの信頼の深さを感じるという、非常に良いシーンでした。

ライブ当日。リーダーとして指示を送る凛。そんな凛にメンバーが送るサプライズプレゼント。それはセンターポジションへの復帰と、「ウェディングドレス風衣装」でした。

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メンバーから「凛が一番似合う」「本当に女の子らしいのは凛」と今回のセンター選出に関しての理由を述べられてもなお、その立場を固辞する凛。そんな凛の頑なな心を溶かせるのは、やはり親友たる花陽の「言葉」だけです。

自らを「アイドルに向いていない」「可愛くない」と評価する凛へ真っ直ぐに贈られる花陽の激賞。

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「凛ちゃんは可愛いよ!」

「私が可愛いと思ってるもん!」

「抱きしめちゃいたい!って思う位可愛いって思ってるもん!」

普段はことさら自分の「主張」を告げない花陽。だからこそ、そんな彼女の「主張」には強い言霊と説得力が宿ります。そしてその意味を凛も理解しているからこそ、彼女の心も花陽の言葉によって「動かされる」のです。

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花陽が以前に「自己主張」をしたのは1度きり。それはμ's加入時の「主張」です。あの時、どうしても「あと一歩」が踏み出せなかった花陽の背中を押してくれたのは真姫であり、凛でした。だからこそ、今度は自分の「主張」で凛の「背中を押したい」。

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これまでの物語を綺麗に「伏線」として回収し、反映させる。その意味合いを視聴者が理解できるからこそ、より深い感動を誘う。シリーズ作品ならではの美しい演出ですね。

そしてその意味合いを理解しているのは、作中の凛も同じ。真姫と花陽が具体的に「背中を押す」ことで、ようやく自分の殻を破るきっかけを得た凛。遂に憧れの「ウェデイングドレス風衣装」を着て、センターとして舞台に立つことになります。

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緊張の面持ちで舞台に上がる凛。久々に「他者」から「自分を評価」されることになります。しかし凛に浴びせられたのは誹謗中傷ではなく、賞賛の言葉。「可愛い!」「お人形さんみたい!」との声をかけられ照れる凛。そして緊張していた面持ちは、やがて自信溢れる表情へと変化していきます。

こうして他者から「受け入れられる」ことによって、本格的に自らを縛り付けていた「カセ」から解放された凛。これまでは決して言えなかった「一番可愛い私たちを観て行ってください!」という言葉すら発せられるようになるのです。そこには以前と「見た目」は変わらないものの、内面において大きな「変革」を遂げた一人の少女の姿があるのです。

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■「今」のままで「新しい自分」に変わること

ファッションショーの大成功による「成功体験」を得たことで、凛もまた「大きく変化」することができました。彼女は「自分の思う自分でいること」をようやく「自己承認」できるようになります。

「自分の思う自分でいて良い」のならば、これまで買うだけで外には着て行けなかったワンピースを着てお出かけしたって良い。

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「自分らしくないから」という理由で忌避していた「可愛い練習着」を着たって良い。

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「トラウマ」を抱え「傷付くことを恐れる」あまり、自分自身に押し付けていた「仮初めの自分」。そこから自分自身を解放し、結果としてようやく真の「星空凛」としてのアイデンティティを手にすることが出来た凛。

 1期OPテーマ「僕らは今の中で」の歌詞では、「僕らは今の中で~」なにを「待っていたのか」が歌詞の最後でようやく明らかになる仕掛けが施されています。

それは「輝き」。そこには「今」を「肯定する」ことが出来れば、誰しもが「今いる場所」で秘めていた「輝き」を放つことが出来る。そんなラブライブが持つ思想が表現されています。

凛は「自分自身」を「肯定する」ことで、「今のまま」「輝き」を放つことが出来るようになりました。

主題歌たる「僕らは今の中で」の世界観を、はっきりと視覚化した今回。

そしてこの回で提案された「価値観」は、この後物語上で繰り返し提案されていくものになっていきます。その記念すべき初回となった#5。故にこの回は「ラブライブという作品」を語るうえでも「重要な回」なのではないかな?と感じるのです。

 

■「性自認」に関する目配せ

ここからは余談ですが。

この回を見て感じるのはやはり「LGBT」特に「性自認」という話題に関する目配せです。今回の主役である凛は「女性キャラ」であり、彼女が憧れるのは「可愛い女の子」です。ただし、その前提として彼女が「外的圧力」によって「本来の自分ではない自分=男性的な自分」を「演じさせられていた」という事実があります。

そして彼女が信頼する支援者の助けを借りて「自己改革(一種のカミングアウト)」を行うことで、結果として「本当の自分」を「公け」にし、それを自分自身が「肯定」できるようになる...という物語は、非常に現代社会に対するメタ的な物語だなぁと思えるのです。

この置き換えはラブライブ!サンシャイン!!の「ヨハネ堕天」でもリブートして行われていることを考えると恐らく意図的なものと思われます。

ishidamashii.hatenablog.com

 

こういった話題を積極的に物語の文脈へと、しかもわざとらしくなく組み込む所が、この作品が「只者ではない」証拠なのでは?と思う所以なのです。もちろん原点たるGleeの影響も多分にあるんでしょうけども。

 

 ...というわけで#5でした。

ちょっと分かり辛いポイントなどは都度更新していくようにいたします。

さて、次回は2期屈指のギャグ回...と見せかけて実は2期においてめちゃくちゃ大事な回である「ハッピーハロウィーン」です。

実はテーマとしてこの#5と「全く同じ」だったりするのに、一見それが分からないように作られている不思議な回なので、こちらもしっかりとやっていきたいと思います。

今回も長々と駄文をお読み頂きありがとうございました!!

ラブライブ!  2nd Season 2 (特装限定版) [Blu-ray]

 

伊波杏樹はAqoursの太陽 Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR 神戸公演までのインプレッション

こんにちは!

Aqours神戸公演に行って、帰ってきました!

とはいえ折角行ったのに何も書かないのは寂しいので、簡単な雑感とか思ったこととかをまとめて行こうと思います。主に伊波さんのお話(またかよ!!)。

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■アーティスト「Aqours」が試されるLIVE

既に有志の方がまとめて下さっているセットリストを見れば分かる通り、今回は「脱アニメ」と「(中の人のユニットとしての)Aqoursの独り立ち」が大きなテーマになっています。

「脱アニメ」というとワードが強すぎてしまいますが、要は「アニメ楽曲」や「アニメのストーリー」に頼らないライブ構成をする....その「第一歩」としての側面が強い、ということだと思います。

実際これまでのライブで披露しているアニメ関連曲はOPテーマの「青空Jumping heart」のみ。他はシングル曲、ユニット曲、特典曲ばかり...と、ハッキリ言ってアニメ視聴のみで来場したお客さんを置いていくようなセトリ。とはいえ、今後は更に楽曲数が増え、「Aqoursとしてのパフォーマンス単体」で「大きな箱の大勢のお客さん」を平等に満足させなければならない...と考えれば、今回の構成はとても大事な練習になります。要は仮に楽曲を知らないお客さんがいても、自分たちのパフォーマンスで楽しませてしまえば勝ち...ということです。

Aqoursの人気規模から換算すると、ハコが全体的に「小さ目」なのも、今回は「アニメブーストが使えない」ことを見越して、あくまでもお客さんに「近くで」Aqoursのパフォーマンスを見てもらい、それ込で「評価してもらおう」という狙いなのでしょう。

ファイナルの西武ドームはハコとして大き目ですが、ここで今回のツアーの成果発表をし、次回(恐らく埼玉スーパーアリーナクラス)でのライブへの踏切板にしよう...という感じかなと思います。

さて、実際のところ、個人的なインプレッションとしてはどうでしょうか。

まず、1stの時点でも思いましたが、全員非常に堂々と立ち振舞っています。またクオリティ面も格段に向上しています。これまでバラード系が多かったAqoursですが、今回はダンサブルなナンバーが追加。特に「Daydream Warrior」や「SKY JOURNEY」は振り付けと映像のリンクの演出などが採用されていて、非常に技術が求められる楽曲になっています。正直「SKY JOURNEY」は音源として聞いている段階ではピンと来ない楽曲でしたが、ダンスが付くことで格段に魅力が増しました。こうやってライブでしか得られない「満足」を生み出せている時点である程度ライブは成功しているのではないかな?と思えます。

 

■それでも感じてしまう「ライブ」内での「曲の弱さ」

とはいえ、あくまでもそれは「見る」場合の話で。実は「参加する」という面では、少し物足りなさもあります。それは「ライブ向け」の楽曲の少なさです。

あまり比べたくないですが、μ'sは「そこ」の作りが非常に上手でした。「僕らのLIVE 君とのLIFE」「Wonderful rush」「No brand girls」「COLORFUL VOICE」「ミはμ'sicのミ」「Super LOVE=Super LIVE!」やBIBIの楽曲全般...など、とにかく「客が参加する」ことを前提として作られた楽曲が多数ありました。これらに共通してあるのは、楽曲の合間に「合いの手」を入れるだけでなく、楽曲そのものに「参加」することが求められる楽曲だということ。故にキャストも煽りやすく、客もノリやすい。相乗的に乗せあうので、現場で凄まじいエネルギーが発生する。それがエモーショナルな感情となって客の満足度へと繋がる。そういう「現場でしか起きえない体験」がありました。

しかしAqoursの場合は、まだそういった楽曲が無い...という印象を受けました。かろうじてその方向にある楽曲は「スリリングワンウェイ」でしょうか。

ま、とはいえここはまだ「2ndLIVE」であるという点込みで評価するべきでしょう。ここから「アーティストAqours」のLIVEがスタートしていくわけですから。

 

■「ラブライブ」というよりも「Aqours」を求めるお客さん

MCでメンバーも触れていましたが、これは私も肌で感じました。1stの頃には少なからず居た(ように思えた)、「ラブライブの後継作だから来ました」という雰囲気の方がとても少なかった。要するに「ラブライブ!サンシャイン」が好きで、「Aqours」のライブが見たくて来ているお客さんがとにかく多かったように思えました。

これは個人的にこのBlogを運営しながらの実感にも繋がっていますが(笑)。アクセスの履歴などを見ると、一時期は「劇場版ラブライブ」の記事にアクセス集中していたのが、ある時を境に「HPT」に関する記事や「2期予想」の記事、そしてサンシャイン関係の記事に集中するようになってきました。それだけ多くの人にとって、「サンシャイン」や「Aqours」が興味をそそる対象になってきた...ということなんでしょうね。

「サンシャイン」に関しては、最初から応援しながら見ている拙Blogとしましても、とてもとても嬉しい状況でございます(お前は何目線なんだというセルフつっこみ)。

 

Aqoursの太陽=伊波杏樹

前回も大きな成長を感じた伊波さん。今回はそれを踏まえた上で、更に「安心感」まで与えてくれる存在へと成長していました。

私が初期伊波さんに抱いていた印象と、その変化に関しては以前のエントリをご参考くださいませ。。

ishidamashii.hatenablog.com

 初期は責任感からから回るシーンも多かった伊波さん。それが千歌というキャラとのギャップに繋がってしまっていました。しかし今は舞台上に立つ伊波さんは常に「高海千歌」にしかみえないくらい「キャラと中の人」が一心同体と化しています。

「常に俯瞰して全てを見ている」のが、千歌であり、伊波さんの特長。だからこそ、2日目の公演終了後のあいさつでも、他メンバーが示さない視点で、言葉を紡ぐことが出来るのでしょう。

「君のこころは~」を披露する直前、フっと、初めてこの楽曲を披露した「沼津メルパルクホール」でのライブの景色がフラッシュバックしたという伊波さん。

「あの、沼津から飛び出した私たちが、今こんなに大勢の人たちの前で歌ってる。これって凄いことなんだよ」

満面の笑みで会場を見渡し...。

「だってみんなラブライブサンシャインが大好きなんでしょ!」

Aqoursが大好きなんでしょ!」

大声で答える聴衆。

「これってホントに凄いことなんだよ...。」

μ'sのファンで、小泉花陽推しだったくらいに「ラブライブ」をコンテンツとして愛していた伊波さん。故にその後継作が難しい作品になることも誰よりもわかっていたはず。「自分たちの最初のライブに来るお客さんは、必ずしも自分たちを好きになってくれるとは限らない」「もしかしたら、誰も自分たちのことなんて認めてくれないかもしれない」。

そう思いながらここまで駆け抜けてきたのでしょう。だからこそ今、会場全体が「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品を愛し、「Aqours」を応援してくれている人ばかりであるという事実に底抜けに感動できる。そしてその事実を率直に、言葉にしてお客さんやメンバーに伝えることが出来る。これこそまさに「ラブライブ!サンシャイン」と「Aqours」を束ねる人物に求められる裁量なのだと思います。

個人的にリーダーに求められる才覚として、「言ってほしいことを、言ってほしいタイミングで言える能力」というのは非常に大切なものだと思っています。そしてそれをためらわずに、ベストなタイミングで言える人こそが、本当のリーダーなのだと思います。

最初はあんなに肩ひじ張って「私が引っ張るんだー!」と頑張りすぎて、結果としてリーダーになり切れていなかった伊波さんが、今は肩の力を抜いたうえで、「ラブライブ!サンシャイン!!」というコンテンツと、それを取り巻く環境を俯瞰し、その上で皆が欲する言葉を発せるようになっている。そんなリーダーがいる限り、ボクは「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品の未来を楽観できるような気持ちになれます。今や「ラブライブ!サンシャイン!!」というコンテンツにとって、そして「Aqours」にとって、「Aqoursのファン」にとっての「太陽」と呼ぶべき存在感を発し始めた伊波さんが、埼玉ではどんな言葉を発してくれるのか。これから楽しみで仕方ありません。

 

ということで、今回のインプレッションでございました。

やばい、ディティールに触れていない!!また思いついたら追加するかもしれませんが、まずはここまで。。