Love Live!Aftertalk!

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「君」と「僕」の瞳を巡る冒険~淡島リアル脱出ゲームのあれこれ雑談~

※当記事はネタバレ等無いよう配慮しておりますが、万が一にも問題があった場合にはご指摘頂ければ幸いに思います。

realdgame.jp

本日6/3をもって「リアル脱出ゲームXラブライブ!サンシャイン!! 孤島の水族館からの脱出 消えた宝物を取り戻せ!」がイベントを終了したとのこと。

ラブライブ!サンシャイン!!」は大好きだが、「脱出ゲーム」というものに不慣れな私。また「謎解き」というジャンル自体も苦手なので、敬遠していたものの、イベント参加されたフォロワー様各位の「熱量」を食らいつつ「これはやっぱり行かなくてはなぁ」などと思っていたある日。

全くノーマークだった友人二名(うち1名は生粋のラブライブファン。もう一人は謎解きメイン。)に先を越されるという事態に直面。

「こいつらが行って、自分が行ってないというのは異様に腹ただしい」という非常に「卑屈」な理由もありつつ、イベント最終日直前の6/2に淡島へと上陸。無事脱出を果たしてきた。

イベント自体は皆様のお言葉に比類なく素晴らしいイベントで、「ラブライブ!サンシャイン!!が好きなら絶対行くべき」という評価もさもありなんという感じ。

折角参加したので、ネタバレは極力避ける形でのレポート的なものを書いておきたい気持ちで、今PCに向かっている次第。

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 物語はAqoursのリーダー高海千歌「ライブで使う衣装等が詰まったトランクを一緒に探してほしい」という申し出を受け、共に淡島に渡ることから始まる(ここはサイトにも乗っているからセーフですよね??)。

淡島に渡った「助っ人さん(私)」は、Aqoursのメンバーと連携をしながら、淡島内を捜索し、トランクを探し出す。島から出る船には最終便が決まっていて、それまでにトランクを見つけ出せれば「脱出成功」。見つけられなければ「脱出失敗」となる。

非常に簡潔で、分かりやすいストーリーラインである。

淡島内には無数の「謎」が仕掛けられていて、それを解いていくことで新たな「謎」に挑戦できるようになる。また「謎」を解けば解くほど彼女達と「助っ人さん」との「物語」も進行していく。「リアル」とはまさしくこのことと言える、体感型ゲームであった。

物語が「淡島からの脱出」を目的としていることもあり、「助っ人さん」は自然と島内をくまなく巡り歩くことになる。

淡島に渡るのはこれが初めてではないけれど、今まではマリンパークの周りからブルーケイブ付近までしか行ったことがなく、正直島を一周するのはこれは初めての体験であった。

謎解きの場所には指定音声が設置されていて、その場所で指定された番号をアプリに入力することでAqoursメンバーと「会話」をすることができる。

その「会話」と、目の前にある「ヒント」をもとに「謎解き」を遂行していくのがゲームの「メイン」なのだが、このイベントで白眉なのは、その「謎解き」の合間合間に設置されている「サイドストーリー」ではないか。

例えばなんてことない道に設置されているサイドストーリーを歩きながら再生する。するとAqoursのメンバーが目の前の景色と、それに関する薀蓄(うんちく)を教えてくれたりする。

或いはアニメでもお馴染みの場所に行くと、その場所であったことや、感じたこと、体験したことなんかを自分達の言葉で「助っ人さん」に話してくれる。

これらの「サイドストーリー」は実質的には本編たる「謎解き」とは無関係。

ただただ「歩き回る」脱出ゲームでの「息抜き」として用意された要素なのだと思うが、とにもかくにもこれが素晴らしい。

この淡島は間違いなく、TVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地である。

この場所がアニメ内でも実際に登場し、彼女達の物語を彩る舞台となった場所でもある。

けれども、やはりTVアニメ内に映るそれらの場面はあくまでも「絵」であり、例えその場所に行ったとて完璧なまでの「実在感」へは繋がらなかった。

しかし、彼女達の声によるガイドを通して、実際にその場所を目にすると、感覚のギアが一段階上がる。

今自分が見ているものと、彼女達が見て語るものが「一体化」していく。

するとそこに彼女たちの存在が「実体化」していく。

彼女達の息遣いが、生活が、思い出が。

「助っ人さん」たる私たちにも「手触りのある」「実体」として感じ取れるようになる。

これがどれだけの「快感」と「感動」か。

恐らく「ラブライブ!サンシャイン!!」が大好きな人であれば、分かってもらえると思う。

「謎解き」がメインのゲームではあるけれども、「謎解きの合間」にある「サイドストーリー」を含めた全てがこの「リアル脱出ゲーム」の「キモ」なのだと感じさせられた。(だからこそサイドストーリーはその場所で聞くべきだとも感じた)

 

「謎」を解くたびに明らかになる物語。「謎」を解くたびに深まる彼女達との絆。

そしてラスト。「僕」と「彼女たち」の「セカイ」が一つになる。

その瞬間に襲い掛かる感情をエモーションと呼ばずして、なにをエモーションと言うのか。

最高に楽しかった一日が、最高に素晴らしい思い出となって、最高に素晴らしい「明日」へと繋がっていく。

ラブライブ!サンシャイン!!」を大好きでいることの「意味」を、彼女たちが教えてくれる。肯定してくれる。

ラブライブ!サンシャイン!!」というコンテンツの恐ろしさ。そして素晴らしさを改めて実感させてくれるイベントであった。

 

皆さん指摘されているが、このイベントを通して全く印象の変わる楽曲が「君の瞳を巡る冒険」だろう。


【試聴動画】TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』2期OP主題歌 「未来の僕らは知ってるよ」C/W「君の瞳を巡る冒険」

イベントに参加することで初めて分かる「歌詞の意味」

この楽曲自体にも「謎解き」が仕掛けられているとは、何とも粋な計らいであり、この抜け目なさもまた「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品が人を夢中にさせる要因なのだと思う。

謎は謎はいつも

目の前で 違う場所をひらく

謎を謎を解いて このセカイで遊ぼうよ

(中略)

僕は君を見てる

君の目に 僕を映してよ

「探して」と心が 大きな鼓動届けたがる

謎が謎がもっと ときめきへと変わるように

遊ぼうよ

「君の瞳を巡る冒険」

普段は一方的に彼女達を「見る」側である僕ら。

けれどこのイベントでは彼女達が「僕」を「見る」ことになる。

 

つまりこの歌詞内の「僕」は文字通り「ファン=僕ら」の視点というだけでなく、「彼女達」の視点でもあるという「ダブルミーニング」になっているということが分かる。

また「僕」が「ダブルミーニング」となるのは、「僕ら」の視界と「彼女達」の視界が「同化」し、同じ景色や、同じ謎を「見ながら」一日を過ごしていくこの「イベント」そのものにもかかっていく。

共に「謎」を解き明かす中で、その「謎解き」の思い出そのものが「ときめき」へと変わっていく。

謎を解けばとくほどに、この「セカイ」=「ラブライブ!サンシャイン!!のセカイ」をより楽しめるようになる。

そして彼女達の住む「セカイ」そのものが「実体化」していく。

だからこそ「謎を解いて このセカイで遊ぼうよ」と彼女達は語っているのだということが、イベントに参加することで理解できるようになるわけだ。

「君」と「僕」の瞳を巡る冒険。

彼女達の「セカイ」に、我々を招き入れ、「仲間」として受け入れてくれたこの「イベント=冒険」。

とても貴重な思い出をくれたことに。この場所へ誘(いざな)ってくれた皆様とイベントを成立させてくださったスタッフの皆様に心から感謝を。

そして「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品にも改めて感謝を捧げさせていただきたい。

ありがとうございました。

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君の瞳を巡る冒険

君の瞳を巡る冒険