移転のあいさつもせずに、唐突に。
「ラブライブ!サンシャイン」の第1話が放送されました。
丁度良いタイミングなので、作品やキャラクターを通しての気づきなど、ブログにまとめていこうと思います。
恐らく、リアルタイムだからこそ出来るまとめもあるはずなので。
「ラブライブ!」って単純な萌えアニメと誤解されがちですけど、作劇が映画文法に即していたり、テーマは意外と深淵だったり、読み解くと面白いんですよ。
これを機に色々考えながら見てもらえたら嬉しいです(恐らく私の思い込みも多いですけど笑)
朝からラブライブサンシャイン一話を分析中。。
— 魂@lovelive!account (@tamashiill) 2016年7月3日
いや、色々な要素が入っていて、非常に面白いし、やはりラブライブは分析してナンボ。
一回では何もわからん。。
では、第1話で気付いたことをまとめていきます。
①ドラマの軸は3年生?
1話を何度か見直す中で気付いた、OPでの3年生3人の表情。
晴れやかな希望を歌うOPテーマの中で、唯一沈痛な表情を浮かべているのは、この3名です。
作中「スクールアイドル」というものに対して過剰に反応を示したのも3年生です(鞠莉は台詞一つだけなので除きます)。
黒澤ダイヤ=生徒会長。
スクールアイドル活動に対して「過剰に」反対を通す生徒会長というのは既視感がありますが、
今回彼女が活動に反対する理由は、まだ明確ではありません。
ただし、前作の絵里が「スクールアイドルに対してほぼ無知」であったことに対して、ダイヤは「スクールアイドルのうんちくを語る」など、やたらと詳しい面を見せます。
これは、「過去にスクールアイドルに関わる何かがあった」という布石と見るべきでしょう。
千歌と曜の会話でも、曜から「(生徒会長は)スクールアイドルが嫌いみたい」「同じクラスでも部活申請をして却下された子がいるみたい」というタレこみがあった事からも明らかですね。
船に乗ってたどり着いたのは、幼馴染の果南の家。
一歳上の幼馴染ですが、現在は父親が骨折中で休学して家業(ダイビングスクール?)を手伝っています。
注:初期設定では、「祖父と二人暮らし」という設定でしたが、あっけなく変化していますw(父母ともに健在)こういった原案からの大胆な変更は脚本の花田さんらしさですね。
「スクールアイドル構想」を語る千歌に対して、露骨に背中で反応する果南さん。
これはちょっと分かりやすい伏線だなと思いましたがw
千歌の提案に対して「私は3年生だから」と無碍にし、
なおも続ける千歌の発言を「干物で止める」という露骨な荒業を披露します。
ここまでやって「何もない」ということはあり得ないでしょう。
そして上空にはヘリの音。
「小原家でしょう」
と言いつつ、ヘリを見つめる果南の視線は厳しいです。
恐らく過去に何かがあったことは間違いないということで、これがドラマの軸になっていくと考えるのが自然かと。
直後現れた鞠莉の片言日本語とBGMは、今回最高の爆笑シーンでしたが(笑)
現時点では、前作との時系列が明らかではないので(千歌の発言から、ドームでのラブライブ開催よりは後の物語であることがわかります。ということは、劇場版ラブライブの最終シーンから地続きと考えるべきかもしれません)はっきりとしたことは言えませんが、彼女たちが「過去」にスクールアイドルに対して何等かの希望を抱き、挫折したと思われます。
となれば、彼女たちが「希望を取り戻すこと」が、本作のドラマの中心となるのかもしれません。
それを導くのは千歌ということでしょう。
これからのドラマが非常に楽しみです。
②千歌というキャラクターと2年生の関係性
①で「3年生が軸」と書きましたが、やはり主人公:高海千歌は物語において欠かせない存在でしょう。
一見前作の主人公=穂乃果と同様の「能天気で元気なキャラ」として映りがちですが、その本質は少し違います。
もっと詳しく言うならば彼女は「半分:穂乃果」と言うべきでしょう。
では、もう半分は誰なのか?といえば、それは「花陽」なのでしょう。
これは彼女のルックスを見るだけで分かるように作られています。
彼女が左耳側につけている黄色いリボンは(言わずもがな)「穂乃果」を象徴するものです。
そして右耳側に着けているクローバーの髪飾りもまた「花陽」を象徴するものです。
これは分かりやすく演出されたキャラクターデザインなので、恐らく間違いでは無いと思います。
そして、元来、千歌は「花陽」に近い人物であったことが、本人の口から語られます。
「私ね、普通なの」
(寂しげに語る千歌を敢えて右側から写しているのも意図的なものでしょう。)
ずっと「いつかは何か夢中になれるものを見つけて、いつか特別になれる」と思いながら「気づけば高2になってた!」と語る千歌。
茶化しながら話してはいますが、その悩みは切実なもの。
(…というか、こういう悩みって非常に普遍的なものだと思います。)
そんな時、スクールアイドルという存在に出会って「救われた」のは、「普通」としか思えない女の子たちが、「キラキラ輝いて見えた」から。
「普通」の自分でも、「同じように頑張れば、同じようにキラキラできるかもしれない」という本当の気持ちを語りつつ、ミューズへの思いを語る彼女は、「アイドルへの憧れ」を糧に4人目のメンバーとしてミューズに加入した花陽を思い起こさせます。
(脱線:結果として花陽の存在がなければミューズは終わっていた可能性もあるわけで、花陽はミューズに救われつつ、ミューズを救った存在なのです。だから彼女は非常に重要なキャラクターなのです。)
ただし、憧れの力を「行動」に移せるようになった現在の千歌は花陽とは少し違う存在です。その行動力を担っているのが「半分:穂乃果」の部分なのでしょう。
いつ、どんなきっかけで千歌が「半分:穂乃果」を手に入れたのかが描かれるのかは定かではありませんが、そこにも注目していきたいですね。
(この角度からは確実ではないですが、子供のころの千歌には黄色いリボンが無いように見えますが…)
そして2年生トリオを組むことになる二人との関係性。
「花陽的」な存在である千歌の幼馴染である曜は、これまた「半分:凛 半分:ことり」という存在です。
(髪灰色だし、生えてくるし)
彼女は「飛び込みの腕前がナショナルチーム級」のスポーツ万能少女…のため、千歌にとっては「憧れ」であり「コンプレックス」でもあるのですが(この辺の事情を梨子に話せたのは、現時点で梨子が他人だったからでしょう)彼女もまた千歌に対してなんらかの感情を持っているように見えます。
この複雑な感情は「ことり的」であり「凛的」でもあるように思います。
ドラマにはどのように表れてくるのでしょうか。
梨子は赤髪・釣り目の「ピアノ弾き」であること、3人の中では落ち着いていて調整役に見えるものの「意外と慌て者」であるとプロフィールにある通り、「半分:真姫 半分:海未」という感じ。
(音楽制作のために4月の静岡の海に飛び込もうとする無茶苦茶さと融通の利かなさは、アニメでの海未と真姫を想定させます)
前作ラブライブ!では「自分の中で終わっていたはずの音楽への渇望をミューズによって引き出された」のが真姫でしたが、梨子の音楽への情熱は消えていません。
脱げない音乃木坂の制服、東京への思い、音楽への思い。
彼女がいかにして「救われるのか」にも期待が高まります。
(作曲担当名物、渾身の「オコトワリシマス!」も飛び出しましたしね)
ここまで書いた通り、2年生3人の関係性は、従来の「ほのことうみ」の要素を持ちつつ、「まきりんぱな」の関係性への類似性を強く感じさせます。
こういったセルフリメイク感も、「ラブライブ!サンシャイン」の面白さの一つですね♪
③3年生3人の関係性
上記の考えから連想したのは「では3年生3人は誰の類似なのか」ということでした。
結論として出たのは「3年生3人の関係は、ミューズを結成したものの、失敗した前作の2年生3人」なのでは、という考えでした。
現生徒会長=ダイヤの融通の利かなさ、頑なさ、それでいて脇が甘くて、すぐムキになるところは「海未的」ですし、
鞠莉の(ドラマCDなどでの)天衣無縫さ、まっすぐさ、能天気さは「穂乃果的」。
果南の「お母さんっぷり」は「ことり的」でもあります。
こう考えると、もしも「前作での雨の新歓ライブが失敗からミューズが活動停止したまま、ことりが留学してしまっていたらこうなっていたのでは?」という関係性にも見えてきます。
これももし指摘した通りだとしたら、非常に「同人誌的」なアプローチですね。
④「スクールアイドル」の現在位置の定義化
第1話で今のところ気に入っているのは、梨子が「スクールアイドル」自体を「知らない」ことで、敢えて作品内での「スクールアイドル」の立ち位置を固定したこと。これで彼女たちのハードルが上がりすぎず、「ラブライブ」本来のテーマを描きやすくなるはず。#ラブライブサンシャイン
— 魂@lovelive!account (@tamashiill) 2016年7月2日
今回は「廃校阻止」というマクガフィンが無いので、どうやってテーマを描ききるのか、正解が全く分からないのですが、「スクールアイドル」を殺伐とした世界観に置かない為の布石と考えると、多分今回も大丈夫なんじゃないかなぁ、多分。という位は安心できます。。#ラブライブサンシャイン
— 魂@lovelive!account (@tamashiill) 2016年7月2日
自分的に一回観て一番最初に思ったのが、この部分。
これは作劇的に「上手いな」と思いました。
今や「我々の認識」としては「ラブライブ!」に登場するスクールアイドルは
「プロ級の知名度と美貌を有したトップアイドル」
という脳内変換が勝手に行われるようになってしまいました(仕方ないですよ。現実に東京ドームでライブやっちゃったから)。
しかし、敢えて作品内で「スクールアイドルの存在」とか「立ち位置」を相対化させることで、彼女たち(業界内ではトップオブザトップスであるミューズ含む)のルックスが「普通」で、知名度も「興味の無いひとは知らないレベル」という定義をさせ、ハードルをある程度下げることに成功しました。
この定義づけをすることで「スクールアイドル」という「競技」に物語の焦点を当てず、「ラブライブ!」本来のテーマを描く事に重点を置くことが出来ます。
ラブライブに溢れる「ロッキー魂」は消えないということでしょう。
「友情・努力・勝利…は運がよければ」精神で、本作もよろしくお願いします。
…といったあたりが第1話を見て感じた部分でしょうか。
スゴイ情報量ですね。ふわっと見るとスカスカの内容に見えるのに(笑)
とにもかくにも、今回の「サンシャイン」にも非常に期待できるな!と胸を熱くいたしました。
いや、来週が待ち遠しい。。
それでは、また来週お会いしましょう。
↓このシングルの歌詞も素晴らしいので、色々話したい。。
↓セカンドシングル。
↓俄然買う気が湧いてきた。
↓「青空Jumping Heart」!
「始めたい MyStory」って歌詞…いいよね。。
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