Love Live!Aftertalk!

妄想をただ書き連ねる覚書。更新情報等はTwitterにてお知らせしております。

「夢」が持つ二面性に関して。~「勇気はどこに?君の胸に!」に関するぼんやりとした雑談~

考察とかではない雑談を。

今後はこういうフワっとした記事も書いていこうかなと思う。あくまでも当ブログでは「ラブライブ!」のお話に限るけども。

 

 

ラブライブ!サンシャイン!!楽曲ソート」というのが公開された。

どんなものかといえば、要するに楽曲が2択で登場し、連続で選択していくと、最終的に個人的な「楽曲ランキング」が完成するという代物だ。

ラブライブ! サンシャイン!! 楽曲ソート

(ちょいと時間がかかるので、もしやる場合には時間のある時をおススメする)

じっくり考えて選択もしていけるのだけど、無意識下での率直なランキングを知りたくて、ほぼノータイムで選択してみた。

その結果はこれ↓

ノータイムチョイスしても、自然と上位曲が予想通りになるのが面白い。

上位曲に関して、それぞれのインプレッションを吐露しても面白いのかもしれないけども、それはまたの機会として。

今回は結果1位となった曲、勇気はどこに?君の胸に!に関するお話なんかをしてみたいと思う。

 

 「勇気はどこに?君の胸に!」はご存じの通り、「ラブライブ!サンシャイン!!」2期のED楽曲。

www.youtube.com

2期ではイレギュラー演出回を除いて、常にこの楽曲がエンディングを彩った。

 

「夢」についての真っ直ぐなメッセージを歌ったこの楽曲。本来であれば、とても「爽やか」な後味を残しても良い楽曲である。

にも関わらず、人によっては「しんどさ」や「辛さ」を感じる楽曲とも評価されている。

実際、私もこの楽曲と向き合うのは、割と体力を必要とする。

「辛さ」は感じないまでも、1曲聞き終えると、ごっそりとHPを削られる感覚が常にある。その要因は一体どこにあるのか...。

それを考えた場合、この楽曲の持つ「2面性」へと思いを巡らせてしまうのである。

 

 

この楽曲を聞いた時、あなたが脳内に浮かべるシーンはどこだろうか。

人それぞれ違うと思うが、私は常に2期13話での「屋上シーン」が頭に浮かぶ。

f:id:ishidamashii:20180531235504j:plain

紙飛行機に導かれるように「閉校した」浦の星女学院へと導かれる千歌。

「閉じた」はずの思い出を「解き放つ」中で、「閉じ込めよう」とした「思い出」が千歌へと「襲い」かかる。

「どうして思い出しちゃうの....どうして聞こえてくるの...」

f:id:ishidamashii:20180601000303j:plain

千歌が「思い出してしまう」もの。それは何だろう。

恐らくは閉じ込めたはずの「夢」だと思う。

閉じ込めたはずの「夢」とは何か。

それはもちろん「統廃合阻止」だろう。

このシーンで千歌を縛り付けるもの。

それに名前を付けるとするのなら「消えない夢」。

これはまさしく「勇気はどこに?君の胸に!」で登場する言葉だ。

夢は消えない 

夢は消えない

 

勇気はどこに?君の胸に!

 

夢っていうのは、呪いと同じなんだ。」

これは仮面ライダー555ファイズ)第8話「夢の守り人・後編」で登場したセリフ。

ヒップホップグループ「ライムスター」の宇多丸氏は、この言葉に大いに感銘を受け、自身の楽曲内でも歌詞として引用している。

誰のせいにも出来ねぇし したくねぇ

「夢」別名「呪い」で胸が痛くて

 

RHYMESTER "ONCE AGAIN"

www.youtube.com

 

つまり「夢」は「希望の象徴」としてだけ存在するわけではなくって。

それが叶わなかった瞬間に「呪い」へと姿を変えることもあるもの。

 

「呪いを解くには夢を叶えるしかない。

 けど、途中で夢を挫折した者は、一生呪われたまま・・・らしい。」

仮面ライダー555より)

 

「呪い」を解くには、その「夢」を叶えるしかない。

けれども、その「夢」がもはや「叶えられない夢」だとしたらどうなるのか。

一生その「夢」を「呪い」として背負い続けるしかないのかもしれない。

そう考えると歌詞の中に登場する「夢は消えない」という「断定系」の言葉がより強い意味をもって響いてくる気がする。

 

現行の「願い」や「希望」としての「夢」だけでなく、かつて「叶わなかった」「願い」や「希望」もまた「夢」である。

それらはどれだけ「忘れ去ろう」としても、決して「消えず」に、心に残り続ける。

何故なら「夢は消えない」から。

叶わなかった「夢」。

ともすればそれは「呪い」に近いものにもなる。

けれどもそんな「呪い」としての「消えない夢」をも抱えたままでも、「何度だって(夢を)追いかけよう」とこの歌は語りかけてくるのだ。

「挫折」も「失敗」も捨て去れずに心には残り続ける。

けれど、それを「受け入れた」うえで、それでもなお「夢を追いかけるべきだ!」とこの楽曲は語っているのである。

そしてその「夢」を追いかける原動力となる「勇気」は、ほかでもない「君」(私たち)が持っているものなのだ。

だからそれを「振り絞って」無理やりにでも「前に進むしかない」のだとこの楽曲は問いかけてくるわけだ。

それはひょっとしたら「弱い人」の心を挫くかもしれない。

この楽曲に、心を挫かれる人が多いのは、正しくこの曲の持つ「強力なエネルギー」を受け止めきれない人が多いからにほかならないのだと思う。

誰もがこの楽曲で啓蒙されるほど「強く」はないということなんだろう。

 

 

けれども、このどこまでも「人間の可能性」を信じた言葉と、メッセージにこそ「ラブライブ!サンシャイン!!」というアニメ作品そのもののテーマが内包されているとも思う。

自分のことを「弱い」と思っている人。

自分には「なんの才能もない」と思っている人。

そして「失敗」に挫けてしまっている人。

そういった人々の中にも等しく眠る「勇気」を肯定し、それを振り絞ればどんな「可能性でもあり得る」のだと語る。

例え「失敗した」としても、「諦めず」に何度でも「勇気」を振り絞れば、いずれは道が開けるはずだと信じる。

「夢が持つ二面性」を念頭に置いた上で、それでも「あらゆる人間の可能性」を肯定し、「止めない」「諦めない」ことの価値を啓蒙し続ける。

だからこそ、この楽曲は「ラブライブ!サンシャイン!!」を語り、考える上ではとにかく重要な楽曲であり、この作品の「物語性」を重視する私のような人間にとっては、紛うことなき「最重要楽曲」という評価になるのだとも思うわけである。