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~μ'sが「0」を「1」にした日~ラブライブ!2期 ハイライト #9「心のメロディ」

こんにちはorこんばんは。

こちらの2期ハイライトもいよいよ佳境。今回は2期において#11と並ぶ最重要回「心のメロディ」をお届けします。

特に説明不要な傑作回ですし、恐らく私が説明する要素など皆無と思いますので、是非お暇な時にでもお読み頂ければと思いますm(__)m

それでは早速参りましょう。#9「心のメロディ」です。

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■#9あらすじ

いよいよ最終予選当日。空は何かを察したような雪模様。A-RISEとの直接対決に緊張するメンバー。そんな中穂乃果たち2年生兼生徒会組は、学校説明会を終えた後、会場に合流することに。午後にはあがると予報されていた雪。しかし予報とは違って、どんどん強くなっていく。遂には交通手段まで全面ストップしてしまう。会場に行く手立てを失った穂乃果たち。それでも歩いて会場へ向かおうとするのだが...。

■#9主要登場人物

・μ'sとそれを支える人たち

今回はまさしく「みんな」が主役の物語。「みんな」に支えられ「みんな」と進む。だからμ'sは強い。そんなお話。

 

■孤独な魂を救う「つながり」
無意識にバレエコンクールに挑む際と同じ表情をしていた絵里。

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「孤高」の中でひたすらに頂点を目指し、挫折を繰り返したあの頃。そんな時期の面影を姉の表情から読み取った亜里沙はそっと手を取る。そして「皆お姉ちゃんの味方だよ」と姉を励まします。

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あの頃の「孤独」な絵里とは違う。今は大勢の「味方」がいる。その事実が絵里を「過去」の呪縛から解き放つ。
「孤独」と対比される「みんな」の存在。これが、今回のキーポイントにもなっていきます。

 

■絵里を訪ねる希。
#9は「前回のラブライブ」演出が無かったり、次回予告演出がかなり省略されていたりと、はっきりと「これまでの集大成」を感じられる回。
故に演出面でも、これまでの物語を「踏襲」するような表現が登場します。
「孤独」な絵里を救った最初の「出会い」。それは1年生時の希との出会いでした。
だからこそ、このシーンでは二人の出会いを抽象的に再現します。

一緒に会場へ向かうために絵里を訪ねた希。出会った瞬間に絵里の緊張を見抜きます。

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それは亜里沙と同じく過去の絵里を知る希だからこそ。
しかしそれに「さっきまでね」と答える絵里は、既に自分が「救われている」ことを自覚しています。

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実際に希との出会いによって「救われる」きっかけを得た絵里。
この会話はそんな二人の「これまで」をも象徴するシーンになっています。

 

■真姫を訪ねる花陽と凛。
1期の時点では距離感のあった凛と真姫。今では家の外で待たされた仕返しに冷たい手でほっぺを触る嫌がらせをする。それくらいの関係になっています。

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このちょっとしたやりとりから、二人の距離感の変化も実感できます。
また、自ら「孤独」であろうとした真姫が、今はμ'sという「チーム」のために(恐らく母親にお願いして)「カツ(勝つ)サンド」でゲンを担ぐ。

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こんな変化からも「孤独な魂」が「救われた」ことを暗示する仕掛けを感じるのです。

 

■自宅へと「迎え入れる」こと。
強烈な「自我」と、それに伴う「承認欲求」によって「孤独」であり続けたにこ。
そんな彼女の「自我」を認めつつ、「仲間」として受け入れてくれた場所である「μ's」。
これまではそんな「自我」と「現実」とのギャップの拠点であるが故に、頑なに仲間を招き入れなかった自宅。
今回も希と絵里の来訪を快く思わないものの、最終的には自ら二人を自宅へと招き入れます。

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それは「孤独」だった「現実」を救ってくれた存在として二人を認めているからこそ。
そんなにこの対応からも、にこが「孤独」から「救われている」事実がはっきりと表現されています。

ことほど左様に前半では、過去に「孤独」であった存在が、「μ's」によって「救われている」事実がシーンとして連なって登場しています。

 

■学校の代表者としての2年生
予選決勝との兼ね合いから欠席して良いと言われていた学校説明会。それでも生徒会として、この舞台に立つことを優先した穂乃果たち。
3人にあるのは、あくまでも「学校あっての自分たち」であるという結論。
そんな3人の思いがあるからこそ、ヒフミを中心とした生徒たちの心を動かせる。
これまでの彼女達の「想い」が結実する一日が始まります。

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■A-RISEと対比される穂乃果
説明会での生徒会長挨拶で檀上に立つ穂乃果。

それと対比されるように一瞬映されるA-RISE。

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両者共に「光」に照らされているものの、そこには決定的な差異を感じます。

A-RISEを照らすのは外からの雪明り。その光の元には他者はおらず、3人だけの「孤独」な世界と、彼女達の持つ「孤高」の雰囲気が痛いほどに伝わってきます。

対照的に、穂乃果は学校説明会に訪れた中学生たちの羨望の眼差しという「光」に照らされています。

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そこにはA-RISEのような「孤独」さはありません。
同じく光に照らされながら、全く別の雰囲気を醸し出す両者。この差異の意味と結果は、次回#10のテーマとして引き継がれていきます。

 

■メタファーとしての雪
雪によって足止めを食らう2年生。会場はそれほど遠くないものの、歩いて向かうには困難な道のりであることは確かです。それでも3人で雪の中へと駆け出す穂乃果たち。

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分かりやすいメタファーですが、
これは「スクールアイドル」という「先の見えない」「未知」へと駆け出した、「第1話時点の3人」をメタ的に表現しているシーンと考えて良いでしょう。
※故に雪の中転ぶ穂乃果は、第1話と同じ転び方をしているのでしょう。

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雪の中進む3人。
そんな3人の気持ちを表すように、信号は「青=ススメ」を示しています。

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しかし、前すら見えない強風の中挫けそうになる穂乃果。そんな穂乃果を励ますのは、ことりと海未です。
これまでは苦しい局面では常に仲間の先頭に立ってきた穂乃果。
ことりと海未はそんな穂乃果の背中を支え、追いかけてきた印象もあります。
しかし、ここでははっきりと二人が穂乃果を「引っ張る」姿勢を見せる。

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1期最終回において、自らの「未来」を一時停止し、「今」を選択したことり。
2期において、そんな「今」の価値を最も理解しているのはことりです。
1期ではどこか弱々しかったことり。そんな彼女が力強い言葉を発することが多くなった2期。この#9は、そんな「進化した」ことりを最も実感できるかもしれません。

そして海未。

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これまで自主的には一度として、「スクールアイドルをやりたい」と主張したことがなかった彼女。そんな海未が発する「強い願い」。
これもまた海未という「引っ込み思案」な少女の大きな「成長」を感じるシーンです。

第1話のメタファーとして登場している雪中行軍。しかしながら、その物語を彼女達の言葉と行動によって「更新していく」。それによってこれまでの物語と、彼女達の「進化」の過程をも示す。
非常に考えられたシーンだなと思います。

 

■0を1にすること
「願い」を口にすること。

そして「ためらわず進むこと」によって、自らの道を切り開いてきたμ's。

結果として彼女達が手にしたのは、学校を「廃校」から「救う」という結果でした。
しかしながら、1期ではその事実はあくまでも「マクガフィン」として扱われ、彼女達自身が成し遂げた「成功体験」としてはハッキリとした形では描かれませんでした。
※彼女達の活動が、廃校阻止にどの程度の影響があったのかは、厳密には不明なため。

結果として1期終了時点ではラブライブ出場も果たせず、μ'sが残した「功績」は具現化されないまま。
すなわち2期#9の時点においても、彼女達の「努力」は物理的な「成果」を示してはいなかった。つまり彼女達もこの時点では「0」に近い状態だったと思うのです。

しかし、この時初めて彼女達の「努力」ははっきりとした形となって身を結びます。「学校のため」に、「みんなのため」に走り続けてきたμ's。
その姿が大勢の「みんな」の希望となっていたからこそ、μ'sのピンチに「みんな」が立ち上がる。

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彼女達が「夢」へと向かう道をみんなが作る。
そしてその先へ「真っ直ぐ走って」と告げる。

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実のところ、この時μ'sが走る道は、決してμ'sのためだけに作られた道ではないのです。

「みんな」もまた、μ'sが走る道に、自らの「夢」を重ねている。

だからこそ、彼女達が走る行先を応援する。

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ここに、初めてμ'sの「願い」が具体的に「結実」した形を見た気がします。

彼女達が続けてきた努力は、人知れず育まれ、それが遂に具体的な形として彼女達自身を救う。

この雪中行軍のシーンには、μ'sが「0」を「1」へと変えた、決定的な証が刻まれている。そんな気がしてなりません。

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「退路」となる信号は青から赤へ。穂乃果たちにはもはや退路はありません。
「夢」に向かって真っすぐ、走るのみ。そしてその背中には「みんな」がいます。

「みんなで叶える物語」がここにはあるのです。

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■駆け込む穂乃果 受け止める絵里
1期において、穂乃果と絵里が手を繋ぐことで、ようやく始まった「9人」のμ's。

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そう考えると、二人が抱き合うことには意味があるような気がします。

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二人が手を繋いだのは1期8話。となると穂乃果と絵里が抱き合う直前までの物語は、1期1話から8話までを振り返ると同時に、その物語を「更新」する狙いで作られているように思えます。
二人が抱き合い、思いを共有することで1期8話までの物語が終わり...。
そして、「その直後」から本当の2期#9が始まる。そんな風に思えるのです。

 

■泣かないにこ
今回もにこは泣きませんでしたね。
ここが地味に#11までの伏線になっていきます(笑)。

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■みんなで作った曲
会場へと駆け付けた音ノ木坂の全校生徒、そして家族。
μ's9人の名前を呼ぶ声。その思いを受け止める穂乃果。

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「応援してくれた人 助けてくれた人がいたおかげで私達は今ここに立っています。」
「だからこれは、みんなで作った曲です。」

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「大きな愛」に包まれながら、それぞれの「好き」を思い浮かべるメンバー。
いよいよ究極の「ラブソング」がそのベールを脱ぎます。

Snow halation
μ'sにとっての代表曲...というよりも「2000年代の日本ポップ史に名を残す名曲」と言っても過言ではない楽曲。
μ'sの2ndシングル「Snow halation」。

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どうしても「楽曲」の説得力で勝負せざるを得ない場面。そこにこの稀代の名曲が登場したことで、視聴者はこの勝負がμ’sにとって素晴らしい結果となることを容易に「予感」することが出来るのです。

鮮やかに更新されるのはこの楽曲のPVも同じ。
完全新規描き下ろしのPVとしてだけでなく、ライブ発祥の演出(鈴の音に耳を澄ます振り付け)が加えられたことで、この楽曲と過ごしてきた約3年弱の時間の「重さ」をも実感させる。
そんな巧みな演出が光ると同時に、スタッフのプロジェクトに対する愛情を実感する演出が採られているのも印象的ですね。

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「みんな」のために、そして「みんな」と一緒に、最終予選を戦ったμ's。彼女達が何を「得た」のか。

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それはまた別のお話。

 

...ということで#9「心のメロディ」でした。この回も考察のために改めて見直したので、とにかく丁寧な作りでまたしても感心しきりでございました(笑)。

さて、次回#10は、今回の「復習編」と言える内容。何故そのような結果に至ったのか。A-RISEの問い合わせから穂乃果たちがたどり着く答えとは。

またしてもサクっと更新できたら良いな~という気持ちでございます。

今回もお読み頂きありがとうございました♪