Love Live!Aftertalk

妄想をただ書き連ねる覚書。

ラブライブ!ハイライト 第5話「にこ襲来」

こんにちは。あるいはこんばんは。

前置きで書くネタもそれほど無いですし、そもそも「この前置きそんなに必要か?」という疑念が消えませんので、今回はサッサカ進めて行こうと思います(笑)。

さて、第5話「にこ襲来」です。μ'sにとってのキーマンであり、「スクールアイドルとは何なのか」を体現する、作品にとっても重要な存在である矢澤にこ。そんな彼女の過去と現在が描かれるこの回は、1期を語るうえでは外せない回となります。

物語構成自体は非常にシンプルで分かりやすく、考察する余地はそれほどありません。ですので本考察は個人的に「思う所」などを書き加えつつ、シンプルにまとめようと考えております。ストーリーの振り返り等にご使用頂ければと思いますm(__)m

※注:本文は矢澤にこに思い入れが深い人によっては「不快」に感じるかもしれない記載がございます。予めご了承のうえお読み頂ければ幸いです。

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■第5話STORY

6人へとメンバーを増やしたμ's。活動を活発化させるためにも、練習に力が入ります。しかしそんなμ'sに忍び寄る黒い影...。その正体は矢澤にこ。穂乃果にケンシロウばりのデコピンをかました彼女は去り際「μ's」に解散」を要求します。とはいえ、その程度のプレッシャーには負けないμ's。次なるライブに向けて練習を再開しますが、屋上を主な練習場所にしている彼女達にとって「雨」は天敵。梅雨入りしたこともあって、満足な練習量をこなせません。雨天時の練習場所という意味も含めて「部室の確保」が至上命題になってきたμ's。その様子を眺めるのは。「あの子ら諦めないみたいやで、にこっち?」その会話相手は”矢澤にこ”その人でした。どうやら二人は知り合いのようですが...。

放課後ファーストフード店で作戦会議を行うμ's。部室確保のため、「部としての申請」を行う必要がある...という話題に。「部の申請には最低5人必要」と話しながら周りを見渡すと現在のメンバーは6人....。気付かぬうちにメンバーは規定人数を超えていました。花陽ら1年生の加入から2週間も経っていながら、すっかり「規定人数」のことを忘れていた2年生組。真姫に呆れられつつ、いよいよ部活申請を決意します。ファーストフード店では再びにこと鉢合わせ。再度「μ's解散」の要求を受けます。ここまでμ'sに固執するにこの狙いとはどこにあるのでしょうか?

翌日生徒会に届けを出す穂乃果たち。しかしそこで絵里から告げられたのは、校内に既に「アイドル研究部」が存在しているという事実。「同様の部活を校内に2つ設置するわけにはいかない」と語る絵里。そのまま話を終わらせようとする絵里を遮るのは希。「アイドル研究部と話をつけてきて」とアドバイスを送ります。「アイドル研究部」に赴くμ's。そこで鉢合わせしたのは、なんとにこ。にこが「アイドル研究部」の部長にして、唯一の部員であることが明らかになります。「自分たちはアイドル研究部を乗っ取るつもりはない」「ただ活動の拠点として部室は欲しい」。精いっぱい譲歩したつもりのμ'sでしたが、にこはその申し出を受けいれません「あんたたちはアイドルを冒涜している」。にこの主張が理解できないμ's。にこは実践をもって「今のμ'sに足りない」「要素」を伝えます。にこの見せる迫力に気圧されるμ's。にこは話し合いもほどほどにμ'sを部室から追い出します。追い出されたμ'sを待ち受けているのは希。にこの持つ悲しい過去の一端を教えてくれます。

1年生時には友人と共に「スクールアイドル」を結成していたにこ。しかし彼女の「アイドルに対する気持ち」と「求める要求」に周りは付いていけず、いつしか「アイドル研究部」はにこ一人の部活になってしまったのです。そんなトラウマから、「スクールアイドル」と素直に向き合えなくなってしまったにこ。にも関わらずしつこくμ'sに絡んでくるのは、「興味の裏返しなのでは?」と希は分析します。にこの事情を知ったことで、更に彼女を説得することに難しさを感じることりと海未。反面、穂乃果は「ある経験」から「にこの攻略法」を思いつきます

放課後、友人のいないにこは、一人「アイドル研究部」の部室へと向かいます。後ろでは楽しそうに「放課後の予定」を話し合う同級生の姿...。悲しい気持ちで部室に入ると、明かりが点灯。なんとμ'sのメンバーがにこを待ち構えていました。驚き唖然とするにこ。そんなにこを気にもせず「アイドルに対する心得」や「楽曲」「衣装」などの意見を聞きまくるμ'sメンバーたち。「こんなことで説得できるつもり?」と問いかけるにこ。穂乃果は「にこ先輩を7人目のメンバーに加えたい」と語ります。μ'sの登場によって、自分にとっての「最後の聖域」すら奪われるのでは?と懸念していたにこ。彼女にとって自分を「仲間に加えたい」というμ'sの申し出は意外なものでした。一度は失い、諦めていた「スクールアイドルへの夢」。しかしそれはにこの中で燻り続けてていたもの。にこにとって「μ's加入の申し出」を断る理由はありません。「厳しくなるわよ...」。こうしてにこを加えたμ'sは7人になります。

 

■第5話での登場人物プロフィール

高坂穂乃果

6人となったμ'sに興奮しきり。その感動を2週間継続。凛にある意味尊敬されている。その割には「5人で申請可能」な部活申請を忘れているなど、相変わらずうっかりさんである。にことはポテトを巡って論争を繰り広げるなど、子供っぽさは相変わらず。ただし締めるところはきっちり締める。流石主人公。

南ことり

今回出番は決して多くない。初めて入ったアイドル研究部の部室でみつけた「アキバのカリスマメイド=ミナリンスキー」のサインを凝視。どうやらなにか思う所があるようだけども...(という伏線)。

園田海未

幼少期には「恥ずかしがり屋さん」。穂乃果たちになかなか話しかけられず、一緒に遊ぶタイミングが掴めずにいたところを穂乃果が「仲間に招き入れた」ことで、今の関係がある...という過去が明らかになった。穂乃果はその時の経験をもとに、にこの説得を行うことに。

小泉花陽

アイドル研究部部室では新たな一面を披露。「伝説のアイドル伝説」DVD-BOXには思わず我を忘れて狂喜乱舞。「アイドルの話になるとテンションがおかしくなる」。これ以降花陽は「物静か」なキャラから「テンションの上下が激しい」キャラへ方向転換していくことに。図らずも中の人に近づいていく...。

星空凛

この5話から急に己の存在を誇示し始めるキャラ1号。詳しくは後述!

西木野真姫

ダメな先輩たちへのツッコミ役。まだツンツンが抜けないお年頃。とはいえにこ説得時には「作曲への意見」を聴くなど、最大限の努力をみせる姿も。

絢瀬絵里

部活申請に訪れた穂乃果を「アイドル研究部」の存在をタテに追い返そうとするも、希に阻止される。彼女がスクールアイドルを認めないのにも、なんらかの理由がありそうだけども...?

東條希

今回の隠れたキーマン。にことμ'sの間に入って、両者を結びつける役割を能動的に果たす。にことは昔からの知り合いのようだけど...。

矢澤にこ

今回の主役。「失ったスクールアイドルの夢」に傷付きながら、それでもその「夢」を諦められないし、諦めるつもりもない「めんどくさい人」。「理想の高いだめっ子動物」にして「最強の凡人」。今回はそんな彼女が「救い」「救われる」お話。改めて、にこって魅力的なキャラクターですよね...って話は後程。

 ■第5話を読み解くポイント

☆その1 6人のμ's

前回、遂に6人となったμ's。

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今回はそんな「6人のμ's」「お披露目回」でもあります。

メンバー増によって序盤からテンションが高い穂乃果。「いつか神シックスとか仏シックスとか言われるのかな」と浮かれています。どうやら2週間この状態が継続しているらしく、そんな穂乃果の浮かれっぷりに呆れ顔なメンバー。凛には「毎日同じことで感動できるなんて羨ましいにゃー」とサラッと毒舌を吐かれています(笑)。

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これまで「幼馴染3人ユニット」という印象の強かったμ'sですが、1年生3人の加入によって、にわかに「グループアイドル」感が増した印象があります。また、彼女達1年生と2年生組が会話をすることで、既に「出来上がっている関係性」とは「別の関係性」が生まれるのも大切なポイント。新たな組み合わせによる会話から、これまで「隠されていた」各キャラクターの個性も表出してきます。

真姫にダンスのステップを「かっこ悪い」と弄られた海未がいじけたり、

f:id:ishidamashii:20170520224058j:plain穂乃果と凛が「おバカコンビ」としての片りんを見せるなど...

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既存のキャラクターの新たな一面が見られるようになる...ことで、我々のキャラクターに対する思い入れが増すような仕掛けが為されています。

 

☆その2 個性を発揮しまくる凛

1年生が遂に個性を発揮しはじめるこの回。その中でも極端に露出が増えたのはでしょうか。

f:id:ishidamashii:20170520234529j:plainボーイッシュな花陽のお友達...くらいの認識しか視聴者に与えていなかった凛。そんな彼女がやたらと語尾に「にゃー」を付け始めたり、凄まじい運動神経をアピールしたり、穂乃果と共に「おバカキャラ」として動き出したり...と、この第5話では出色の活躍を見せます。

彼女の身体能力の高さを表現するのに、アニメーションはうってつけ。また、アニメーション的にグリグリ動かせるキャラというのは、使いやすいのでしょう。ここから何かと凛は「よく動かされるキャラ」として固定化されていきます(笑)。

f:id:ishidamashii:20170520235147j:plain身体面での特徴だけでなく、彼女自身のキャラクターもここから初めて明らかになって行きます。

人懐っこく、それでいて他人に対する遠慮がなく(笑)、しかしながらそこに嫌味を感じさせない。時にその遠慮のなさは先輩であるにこや穂乃果に対しても発揮されますが、「嫌な感じをさせない」のは彼女自身の特性ともいえます。

とはいえ、現段階の凛は「元気キャラ」そのもの。そんな凛が抱える「複雑な悩み」が明らかになるのは、2期になってからです(片鱗はチラチラと見せてはいますが)。そのお話はその時にでもするとしましょう。

 

☆その3 「停滞」の雨

雨が「停滞」を示す記号として使用されている....というのは、これまで何度もお話させていただきました。今回も雨は「停滞」の象徴として使用されています。

室内に練習場所が確保できないμ'sは、屋上を練習場所として使用していますが、その立地上課題になってくるのは「天候」問題。カンカン照りの真夏日にも外で練習しなければなりませんし、冬場には雪などが降る可能性もあります。更に慢性的に起こり得るのが「雨」です。

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雨の中はしゃぎ回る穂乃果と凛のおかげで「ギャグシーン」として表現されてはいますが、この大雨では満足な練習は不可能。いよいよ6人となり上り調子なμ'sにとって「練習が出来ない」というのは明確な「停滞」に当たります。

f:id:ishidamashii:20170521001000j:plain「雨天時の練習場所の確保」が必至な状況のμ's。これが今回の物語における物理的な「カセ」であることが暗に示されています。

 

☆その4 希とにこ

そんなμ'sの様子を覗き見しているのは。常にμ'sの動向を気にしているのは、なんらかの意図があるからでしょうが、その真意はまだ掴めません。

希のそばにはもう一人。それは神田明神で穂乃果に一撃を浴びせた人物。

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3年生の矢澤にこです。

希に「にこっち」と呼ばれるなど、どうやら希とは因縁浅からぬ間柄のようですが...。なにはともあれ、μ'sが「雨で練習場所を確保できないこと」への対処法として、彼女の存在が深く関与していくことが、ここで匂わされます。

 

☆その5 にこと「ファッション」と「自己矛盾」

放課後、バーガーショップで今後の作戦会議を練るμ's。その様子も横からにこが監視しています。

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とはいえ、ひっそり監視するには、目立ち過ぎな恰好ですが...。

矢澤にこを語る上で外せない「ファッション」。元々の設定ではμ'sで随一「ファッションに詳しい」という設定もあったにこ。しかしアニメ化に際してその設定はそれほどピックアップされなくなりました。物語が進むにつれ徐々に普通の恰好に落ち着いていくにこにとって、今回のこの衣装は劇中で着用した衣装の中で、最も「奇抜な衣装」とも言えます。

(子供にはうんち頭と弄られていましたが...)

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さて、この「ド派手な恰好」「監視活動」というのは、この時のにこ自身が抱えるカルマとも関係しているように思えます。

校内で最初に「スクールアイドル」を志ながら、その夢に「破れた」状態であるにこ。彼女は「自分こそが元祖:音ノ木坂学院スクールアイドルである」と自負しているはずです。しかし、そんな彼女の存在は音ノ木坂学院校内では「無視」されています。

それは、彼女が過去に「自らが目指すアイドルへの思いの強さ」故に仲間を失い、「一人ぼっちになってしまった過去」と関係しているわけですが、その経験がにこに明確な「トラウマ」を与えてしまっています。また、それが彼女自身の「カルマ」となってしまってるわけです。

本来は「一緒に」「スクールアイドルを志す仲間」を欲しているにこ。しかし「トラウマ」が彼女に「仲間を求める行為」を拒否させます。そういった彼女自身の内面に起きている自己矛盾が、「姿」や「行動」にも表出している。この「ド派手な恰好」で「監視活動」する姿には、そんな彼女の「自己矛盾」が反映されているように思えます。

f:id:ishidamashii:20170521132810j:plain横から穂乃果のフードを盗み食いする行為も、その意図は明確ではありません。(単純におなかが減っていたか、思いついた嫌がらせがそのレベルだっただけ...かもしれませんがw)

あえて自分の存在をμ'sに知らしめるような示威行為もまた、彼女が抱える「自己矛盾」の表出の一環という気もします。

にこの抱える自己矛盾。これを解決することが今回の物語のキモであることも、この1連のシーンから分かるよう作劇されています。とはいえ以上のように読み解けば、にこ攻略のカギは「意外とシンプル」であることも分かってきますね。

f:id:ishidamashii:20170521133315j:plain彼女が欲しいのは「仲間」なのですから。

 

☆その6 「練習場所」と「部活承認」

にこの妨害を受けつつも、「連取場所」の確保に悩む穂乃果。「5人いたら部活の申請が出来るのに~」。

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その言葉に思わず顔を見合わせるμ's。どうみても「6人」メンバーいますけど。

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そうです、メンバーが増えたことに感動し、この2週間「5人以上で部活申請できる」という案件を忘れていたのです。このリーダーダメです。

ということで早速「部活申請」に赴く2年生メンバー。そこで絵里と希から明かされたのは、校内に既に「アイドル研究部」が存在しているという事実でした。

f:id:ishidamashii:20170521133901j:plain「校内に同じ目的の部活を2つ認められない」という理由で、穂乃果の申し出を却下しようとする絵里。しかし希は「アイドル研究部の部長と話をつけて」「一つの部活として統合してほしい」と穂乃果に助け舟を出します。

f:id:ishidamashii:20170521134030j:plainまたしても穂乃果たちのサポートをする希と、その意図が汲み取れない絵里。希の目的がどこにあるのかは、まだまだ分からないままです。

早速「アイドル研究部」へと赴く穂乃果たち。そこで遭遇したのは、なんと矢澤にこでした。彼女が唯一の「アイドル研究部」部員にして「部長」であることが、ここで明らかになります。f:id:ishidamashii:20170521134350j:plain

 

☆その7 「凛の身体能力」と「にこのへっぽこっぷり」

穂乃果たちから逃げ出すにこ。彼女を追跡するのは、凛です。

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ネコ科動物特有(ちがう)のスピードでにこを追いかける凛。しかし、凛の能力以前に、にこは「体力不足」。あっけなく追いつかれてしまいます。

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凛のスキをついて再度逃げ出すも、今度は方向転換に失敗し、アルパカ小屋へ突っ込み失神。身体能力の低さを露呈してしまいます。

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一連のギャグパートでもあるこのシーンですが、別の視点で見れば「にこの身体能力の低さ」を示すためのシーンでもあります。後にA-RISEから「スクールアイドル離れした身体能力」と評価される凛が相手とはいえ、にこの「身体能力」はかなり「低い水準」にあるように見えます。これは「アイドルへの愛情と知識」に関しては際立っているものの、「アイドル」としては「極めて普通の水準」でしかない「矢澤にこ」という人物のパーソナリティを示すためのシーンであるように思えるのです。

f:id:ishidamashii:20170521135715j:plain「アイドルが大好き」だけど「アイドルとしては普通」

「好きなもの」と「才能」の乖離。これもまたにこが背負うカルマの一つ。とはいえ、これは生きていれば誰もが抱える普遍的な悩みだとも思えます。「好きなもの」と「才能」が一致し、それで生きていける人はほんの一握り。では「好き」な物に対して「どのような距離感」をもって接すれば良いのか。「才能」がなければ「好き」に進めないのか?

矢澤にこ」という人は常にその迷いの中にたたずみ、それでも「進むこと」を止められない性質を抱えた人物です。そしてそれは多くの視聴者に「共感を呼ぶキャラクター」なのではないかな?とも思います。「自分の限界」を把握したうえで、それでも「あきらめきれないこと」なんて誰にでもありますから。プロジェクト開始から常に人気上位に位置し、その地位を落とすことなく愛されてきたにこ。その要因は彼女を支える大勢の「矢澤にこ的な人々」の支援があるからでは?とも思えますね。

 

☆その8 アイドルの先生=矢澤にこ

アイドル研究部部室で交渉を受けるにこ。しかしその態度は頑なです。穂乃果にはっきりと「プロ意識の低さ」を指摘するにこ。彼女にとって「アイドルを理解せず」「アイドルの真似事をしているだけ」にしか見えないμ'sは不満の対象です。

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「アイドルとしての基礎能力」という面では今一つ物足りないにこ。そんな彼女がアドバンテージとして持っているのは「アイドルへの理解」と「その見せ方」です。自分を「どのように見せ」「どのようなキャラ付けをする」か。それもまた「アイドル」には必要な要素ではあります。にこが見本として見せた「アイドルの在り方」

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その「独特な世界観」は「普通の女の子」でしかないμ'sのメンバーには「受け入れづらい」もの。ただし「アイドルとしては正解」でもあります。

にこが見せた例は「極端」ではありますが、根底に立ち返ればアイドルに必須な要素。すなわち「愛嬌」に関する理論でもあります。

2話で海未が穂乃果に語った「笑顔で腕立て伏せすることの意味」とも通じる理論。常に「笑顔」で歌い、踊り、お客さんが「楽しむ」ために奉仕する姿勢。それはどれだけ激しいパフォーマンスをこなし、体力的に厳しくても、崩してはいけない「アイドルとしての矜持」でもあります。

「自分が楽しむのではなく、お客さんを楽しませるのがアイドル」。

にこの哲学でもあるこの理論は、この時点のμ'sには共有されていない価値観。故ににこの教えを通じてμ'sは新たな視点を手に入れ、成長する必要があります。

この回以降、にこは常にμ'sに「アイドルを教える先生」として活躍していくことになります。

 

☆その9 「でんでんでん」と「ミナリンスキー」

アイドル研究部に押し入ったμ'sメンバー(笑)。ここでのやりとりもまた、後々の伏線やキャラクターの新たな一面を見せるシーンとして使用されています。

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「伝説のアイドル伝説」(通称:伝説の伝説の伝説=でんでんでん)を発見した花陽はテンションが「おかしく」なります(笑)それまで物静かなキャラで固定されていた花陽が異様に早口でアイドル知識をひけらかすシーンは、ここを発端にこの後度々登場するようになります。

テンションが不安定に上下する様子は「中の人」にどことなく寄せられている印象もあり(笑)、アニメ放送当時で既に3年が経過していた長期プロジェクトならではの遊び心を感じるシーンでもありますね。

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アキバのカリスマメイド「ミナリンスキー」のサイン色紙を見つめることり。にこが「サインの存在だけ」を知っていて、本人がどんな人物なのかは把握していないことを知り、ホッとします。非常に分かりやすい伏線ですね。

 

☆その10 にこの「孤独」、穂乃果の「仲間を作る方法」

穂乃果たちと打ち解け始めたものの、いざ「部活統合」の話題になると、それを頑なに拒否するにこ。穂乃果たちを無理やり部室から締め出します。

f:id:ishidamashii:20170521145428j:plain希が穂乃果たちに語るのは、「にこの過去」

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友人と共に始めたスクールアイドル。しかしにこの「理想の高さ」と「そこに追いつかない現実」に耐え切れなくなり、仲間は一人二人と去り。やがて一人ぼっちになってしまったこと。

恐らくその孤立は「日常」にまで波及していて。普段の生活でも、にこは「一人ぼっち」でいることに。

にこの現状を知り、彼女を仲間に迎え入れる事に難しさを感じる海未とことり。反面穂乃果はその事実を知ったことで、問題が意外とシンプルに解決出来るのではないか?と思い立ちます。

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雨が「停滞」の象徴であることは、前述した通り。ここでは更に「赤信号」というモチーフまで登場して「停滞」を現しています。

f:id:ishidamashii:20170521152414j:plainとはいえ、ここで停滞しているのは、穂乃果ではなくにこです。自分の「トラウマ」と「本当の願い」に挟まれ、進めなくなっているにこは、正しく「停滞」している存在です。放課後仲良く下校する穂乃果たちを「羨ましげにみつめる」にこ。その姿を見つけた穂乃果はいよいよ彼女が「欲しているもの」に確証を得ます。

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ヒントは「海未と友達になった日」の自身の行動のようですが...。

別の日。

放課後の予定を話し合う同級生を尻目に、一人部室へと向かうにこ。(外は相変わらず曇り空です)

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クラスでも完全に孤立している様子。劇中では詳しく描かれませんでしたが、恐らく3年生にもなって未だに真剣に「アイドルを目指す」にこは、「イタイやつ」としてクラス内で認知されているはずです。放課後「アイドル研究部」で趣味に没頭するのは、そんな辛い現実から逃れるためでもあるのでしょう。

f:id:ishidamashii:20170521153846j:plainそう考えると、にこが頑なに「部活統合」の申し出に頷かなかった理由も分かってきます。

「アイドル研究部」は孤独なにこの、唯一の心の拠り所。「辛い現実から逃れるための避難所」=「自分自身の聖域」として設定されています。「部活統合」となった場合には、そんな唯一の「心の拠り所」まで「奪われてしまう」。そう考えるから、頑なにμ'sを拒否したのでは?と思えるのです。

そもそもにこは過去のトラウマから、グループアイドル=μ'sの中に自分の居場所があるとは考えていないでしょう。)

そんなにこの考えを裏切ったμ's。どういった手段かは分かりませんが、部室の中でにこを待ち受けていました。

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唖然とするにこを尻目に、次々とにこへ「アイドル活動に関するアドバイス」を求めるメンバー。穂乃果が選んだにこへの対処はとてもシンプル。にこを自分から「仲間へ迎え入れる」ことでした。

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ヒントを与えたのは幼少期の海未。極度の人見知り故に「友達になりたい」のにそれを言い出せずにいた海未。そんな彼女の心情を即座に理解した幼少期の穂乃果。自分から「一緒に遊ぶ」ことを提案することで「海未と友達」になったのでした。

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にこもこの時の海未と同じ。「一緒にアイドルをやりたい」のに、それを自分からは言い出せない。だから、「自分からお願いして入ってもらう」ことで、にこの心の「カセ」を取り除いてあげる。

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何かと唯我独尊なイメージもある穂乃果。しかし彼女の長所とは、「自分のペースに他人を巻き込み」ながら、その相手を決して「不幸にしない」神通力を発揮する部分にあるようにも思えます。(とはいえ、この神通力が通じない場面が、1期の後半では出てきますが)

μ'sの中に自分の居場所はないと考えていたにこにとって、この申し出は意外なもの。そして断る理由の無いものでもあります。

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「終わりかけていたアイドルの夢」を繋げることになったにこ。彼女がμ'sの中で求められているのは「アイドルの先生」としての役割です。それを即座に理解したからこそ、にこはメンバーに「厳しいわよ」と語りかけます。

「アイドルってのは笑顔を見せる仕事じゃない。笑顔にさせる仕事なの。」

f:id:ishidamashii:20170521162016j:plainラブライブ屈指の名台詞と共にメンバーとなったにこ。遂にμ'sは7人となりました。

 

☆その11 雨あがる

薄曇りから射す日差し。雨は止み、雲間からは「太陽の光」がこぼれ出します。それはまるで悩みを乗り越えたにこの心を反映するかのようです。

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屋上で繰り返される「にっこにこにー」の練習。どのような効果があるのかは分かりませんが、少なくとも「アイドルの先生」の指導には従う必要があります。

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f:id:ishidamashii:20170521162806j:plain厳しい指導にも付いてくるμ'sの仲間たち。それはにこがずっと求め続けた「仲間=同志」でもあります。

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「笑顔にさせる」そして「誰かの心を照らす」のがアイドルの仕事。だとしたらμ'sは既に一人の心を照らしたことになるのではないでしょうか。

雨は止み、「太陽」が空に輝きます。「希望」が生まれる場所に。「SUNNY DAY」に。必ず鳴り響く”あの歌”が、この日にこの耳にも聞こえたのではないでしょうか。

「未来」から「過去」を振り返る今は、そんな風に思えるのです。

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...というわけで、第5話「にこ襲来」でした。

シンプルではありますが、とても大事な回だけに時間がかかりました。

さて、次回は第6話ですが、これまた大事な回なので、気を引き締めてまいります。感想等頂けると非常にモチベーションになりますので(過剰なDISはご容赦を頂きたいですが)、気軽にコメントやリプ頂けると幸いです。