Love Live!Aftertalk!

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ラブライブ!ハイライト 第2話「アイドルを始めよう!」

こんにちは!あるいは、こんばんは!

今回は第2話「アイドルを始めよう!」の考察をしてまいります。

大きな分岐点となる3話を「転」とすれば、この第2話はそこに至る「承」を描いたお話。また終盤に至る重要な「布石」が打たれていたりと、意外と見逃せないポイントの多い回だと思っております。

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■第2話STORY

 一度は絵里に止められた「スクールアイドル活動」。しかし穂乃果は諦めず、「やるったらやる!」と活動継続を宣言します。穂乃果が考えたのは新入生への部活紹介日に講堂を借り、そこで「ライブ」をすること。目的を知った絵里は当然眉をひそめますが、副会長である希はそのうえで使用を了承します。希の狙いは絵里にも分からないようですが...。なにはともあれ講堂を使えるようになった穂乃果たち。いざ準備を...と思いますが、曲もなければ、衣装もない。更にはグループ名もない。ないない尽くしの現状に気が付きます。とはいえ出来る部分は自分達で賄おうとするメンバー。しかし作曲だけは出来る人材がいません。穂乃果は前回音楽室で出会い、一度は参加を断られた真姫に再び作曲を依頼しようと考えます。しかし「学校を廃校から救う」というお題目に真姫は興味を示しません。グループ名に関しても良い案が出ず、公募することに。なかなか思うように物事が進んでいきません。そんな中絵里からはスクールアイドル活動に関して冷静な忠告を受けます。「理想」と「現実」のギャップに速くも苦しむ穂乃果。そんな中、覗きこんだグループ名公募用の投票箱には一枚だけ票が入っていました。その名前は「μ's」。「女神」の名前から取られた案は全会一致で可決。彼女達は今後「μ's」として活動していくことになります。

メンバー内で唯一運動部に所属する海未は、アイドルにも「運動部」と同じ「厳しさ」を感じています。「アイドル」への認識が甘い穂乃果には「笑顔で腕立て伏せ」をさせ「厳しさ」を実感させます。自分たちの「体力の足りなさ」と「アイドルの大変さ」を実感した穂乃果は神田明神を使用してのトレーニングを開始。その過酷なトレーニングを見つめる希には、穂乃果たちの「本気」が自然と伝わります。

特訓の傍ら真姫の勧誘を続ける穂乃果。アイドルを「軽い」「薄っぺらい」「遊んでるみたい」と評価する彼女に、自分も経験した「笑顔で腕立て伏せ」を実践させることで「アイドルの厳しさ」を伝えます。また「自分の目的」ではなく、真姫の「歌」や「演奏」を評価し求めることで、彼女の心を動かします。神田明神でのトレーニングを見学する真姫。練習に励む穂乃果たちの真剣味は彼女にも伝わります。偶然出会った希の「恥ずかしいならこっそりという手もある」という言葉に、真姫はいよいよ気持ちを固めます。

早朝、穂乃果に手渡された差出人不明の封筒。そこには「μ's」という宛名だけが書かれていました。中に入っていたのはCD。早速屋上で再生する3人。再生器となったPCから海未が書いた詩が流れてきます。それを歌っているのは他でもない真姫。自分達初のオリジナル楽曲が出来たことに感動する3人。更に自分達グループへの「投票」通知が届きます。μ'sのスタートを祝う楽曲と最初の「投票」。その両方に貢献した真姫の表情はどこか穏やかです。遂に踏み出した「START=DASH!」。そしていよいよ「ファーストライブ」へのカウントダウンが始まります

 

 ■第2話での登場人物プロフィール

高坂穂乃果

前回、絵里から厳しい評価を受けた「スクールアイドル活動」。しかし穂乃果は力強く「継続」を宣言。まずは「ライブ」を行い、それによって校内での知名度アップを狙う。とはいえ「アイドル」活動において「何をすればよいのか」に関しては全くの無知。その無知を海未や絵里からも窘められる。「アイドル」に対する認識不足と、具体的な体力不足を海未によって指摘→自覚させられ、特訓をスタート。また「廃校」にピンとこない真姫には彼女自身の価値を「肯定」することで勧誘に成功。生来の人たらしとしての実力を早くも発揮していく。

南ことり

自前での役割分担が必須な状況のμ'sにおいて「衣装デザイン」と「作成」という役割を買って出たことり。どうやら服飾に関しては一定の実力と「こだわり」がある様子。作詞を渋る海未に対しては「お願い!」を発動。半ば強引に了承を得るなど「天性のアイドル」としての素質を覗かせる。また、服飾が得意...というのは後々の伏線にもなっていく。

園田海未

穂乃果・ことりの「アイドル」に対する認識の甘さを指摘する海未。唯一部活動(弓道部)にいそしむ彼女が「アイドル」の持つ「厳しさ」とそれに付随する「努力の必要性」をμ'sに伝えていく。それによってμ'sの活動は対外的に「認められる」ようになる。海未はグループを上手く循環させる「嫌われ役」を厭わず買って出ることで、その役割を果たしていく。

東條希

生徒会副会長の傍ら神田明神で巫女としてアルバイトをしている。その理由は「神社はスピリチュアルな場所だから」。意図せずトレーニング場として選ばれた神田明神だが、階段を何往復も駆け上がるμ'sの3名の姿を希は常に観察する事で、希の中でのμ'sに対する評価は高まっていく。またグループ加入を渋る真姫に対して結果的にμ's加入のきっかけを与えることに。

西木野真姫

穂乃果から「廃校を阻止するためにスクールアイドルグループの作曲をしてほしい」との依頼を受けるも、それをにべもなく拒否。アイドルやアイドルソングを「軽くて遊んでて薄っぺらい」と評価している。しかし穂乃果から要求された「笑顔で腕立て伏せ」を充分にこなせなかったこと、真姫自身の音楽性や歌唱力が高く評価されたことで穂乃果の言葉に耳を傾けるようになる。海未の歌詞に共感するとともに、μ'sの活動にも一定の興味を覚えた彼女は、あくまでも「こっそり」と応援するべく「START=DASH!」という楽曲をμ'sに提供する。

小泉花陽

スクールアイドルへの興味を持ちながら一歩を踏み出せずにいる現状。1年生の教室に「ピアノの上手な子」を探しに来た穂乃果に、真姫の名前と居場所を教える。また穂乃果に「頑張ってください」と伝えることでμ'sの明確な支持者となる。

星空凛

現在部活見学の真っ最中。陸上部への入部を考えている。親友である花陽も誘っているが花陽は乗り気ではない様子。スクールアイドルにはまったく興味がない。

矢澤にこ

張り紙を通して校内に「スクールアイドル」が誕生したことを知る。が、そのポスターを見つめる花陽を「何これ?」と詰問する。どうやら学校内に「スクールアイドル」が誕生することを快く思っていない模様。

 ・絢瀬絵里

第2話での出番は序盤と中盤のハイライトシーンのみ。穂乃果の「講堂レンタル」の要望には難色を示すも、希の嘆願を受け了承する形に。希には唯一心を許しているものの、反面希がどういう意図をもって穂乃果を支援しているのかに関しては分かりかねる様子。

■第2話を読み解くポイント

☆その1「やるったらやる」...穂乃果の推進力

物語冒頭。生徒会室に立つ穂乃果は、絵里に対して「講堂の使用許可」を求めています。その理由は「講堂でライブをする」ため。とはいえこの段階ではグループ名も、楽曲も、なにもかも決まっていない状態。にも関わらず「講堂を借りる」という行動は「強気」そのものです。なにはなくともまずは「行動する」。そんな穂乃果独自の行動力は彼女の持つ最大の「強み」かもしれません。

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物語冒頭~中盤で存分に発揮される穂乃果の「行動力」。それが反転して「弱み」として発動することもあるわけですが、それはもっと後のお話...。

 

☆その2 穂乃果の行動を支援する希...その意図は??

講堂の使用許可に予想通り難色を示す絵里。しかし副会長である希は「生徒の希望を制限できない」と絵里を説得。使用許可を下すに至ります。希の意図が理解できない絵里。なぜ彼女達の味方をするのか...という問いかけに「何度やってもカードがそう告げる」とスピリチュアルパワー全開の回答を示します。「タロットカードでの太陽の正位置」には複数の意味がありますが、その一つは「新しい可能性を見つける」というもの。

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serendipity-japan.com

スピリチュアルを信奉する希ではありますが、今回は彼女の趣味がμ'sを救う形になりました。そしてこの後も彼女の「予感」がμ'sを導いていく...というシーンが何度か登場していくことになります。とはいえ希が穂乃果たちを支援する理由には更に奥深い理由があるわけですが...。その理由に関しては2期まで待たねばなりません。

 

☆その3 グループ内での役割分担

いざ活動を開始しようと思い立ち、講堂の使用許可も手に入れた3人。活動は順風満杯...と思いきや、壁が立ちはだかります。それは「アイドル」をするうえで必須の要素「歌=楽曲」そして「衣装」です。

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特に「楽曲」に関しては担当できるメンバーがおらず最大のハードルになるわけですが...。とはいえ出来る部分は自分たちで賄おうと試みるメンバー。衣装のデザインと制作はことりが自主的に担当。

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作詞は中学時代にポエムノートを作成していた黒歴史を掘り起こされた海未が、ことりの「お願いっ!」に負けて泣く泣く担当することに。

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f:id:ishidamashii:20170401223218j:plain(恐ろしや、ことり。恐らく過去何度も飛び出した必殺技なのでしょう...)

自然に....というよりも必然的に決まった「役割」。ただしこの「役割」は終盤に至るまで「重要」な意味を持っていきます。そんな「役割」に関してもその段に考察していければと思います。

 

☆その4 グループ名公募と「箱」というモチーフ

グループ名も決めていなかった穂乃果たち。3人でアイデアを集めますが「良い案」が出てこず。

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自分たちの存在を知らしめる意味でも校内での「公募」を行います。

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しかし、公募開始と同時に様々な試練が穂乃果たちに降りかかります。「作詞」「衣装」「楽曲作り」に含めて「体力づくり」。特に「楽曲作り」に関しては遅々として進まず。絵里からは改めて「スクールアイドル活動を甘く考えないでほしい」と釘を刺されてしまいます。

f:id:ishidamashii:20170401231411j:plain絵里の冷静な指摘はさしもの穂乃果にも刺さり「私ちょっと甘く考えていたのかな」と反省。開始当初に持っていた「いける!」という気持ちが徐々に萎んでいきます。そんな中穂乃果を励ますのは友人である「ヒデコ・フミコ・ミカ」の3人。

f:id:ishidamashii:20170401233912j:plain以後「神モブ」とも呼ばれるようになる「ヒフミ」ですが、彼女達は穂乃果たちの最初の支持者でもあります。この後も「支持者の支援」を「力」へと変え、成長していく穂乃果たち。「ヒフミ」はそれを「象徴」する3人でもあります。彼女達のエールで若干元気を取り戻した穂乃果。投票箱のなかを覗くと中には1枚だけ「グループ名案」が書かれた紙が入っています。f:id:ishidamashii:20170402005507j:plain

f:id:ishidamashii:20170402110738j:plainそこには後のグループ名となる「μ's」の文字が。

...さて、ちょっと穿った考え方ですが、「箱」とそこに「一つだけ入っているもの」というモチーフを考察してみましょう。

このモチーフから思い出すのはパンドラの箱の逸話です。

パンドラのはこ【パンドラの箱】 とは...

ギリシャ神話で、ゼウスがすべての悪と災いを封じこめて、人間界に行くパンドラに持たせた箱。 パンドラが好奇心から開けたため、人類は不幸にみまわれるようになり、希望だけが箱の底に残ったという。

kotobank.jp

「全ての悪と災厄」が飛び出した箱の中にたった一つだけ残されていた「希望」。このモチーフと「投票箱に唯一入っていた紙」は合致するように思えます。何故このモチーフを使用したのか?というと、一つは序盤で希が示した「μ'sこそが新しい希望」であることを印象づけるためでしょう。「ラブライブ」は一貫して「希望」について語る物語でもあります。

パンドラの箱」の逸話が何を伝えようとしているのか...に関しては諸説あるわけですが、有力な説の一つとしては「災厄」と「希望」は常にともにあるもの...というのがあります。それは「災厄」あるところには常に「希望」もあるのだから、それを決して見失わないでほしい...という教訓でもあります。この時点での穂乃果は降りかかる「試練=災厄」に心を奪われ「希望」を失いかけていました。しかし「ヒフミの応援」や「μ's」という名前に希望を見出し、再び夢に向かって走り出すことが出来るようになります。

余談ではありますが...文脈として「μ's」という名称自体ゼウスの「9人の娘」(諸説あります)にして文芸の女神である「ムーサ」(英語表記でミューズ)が元ネタになっています。「ラブライブ」が「ギリシャ神話」を始めとした様々な「神話」的なものをモチーフにしていることはこんな部分からも分かりますね。

 

☆その5 「やるからにはちゃんとやる」海未の重要性

 「アイドル」に対しての認識が薄い穂乃果とことり。彼女達は「アイドル」に必要な要素を把握できていません。「お祭りみたいにパーっと盛り上がって楽しく歌っていればいいと思ってた」(穂乃果談)というのは、アイドル活動を思いついた段階での偽りない穂乃果の「アイドル観」でしょう。そんな穂乃果の認識を改めさせたのは海未です。

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グループ内で唯一部活、しかも体育会系の「弓道部」に所属する海未は、「努力」と「結果」の関係性を最も把握し、重視している人物でもあります。第1話で的を外した時には同級生から「珍しい!」と驚かれる程、「弓道」に対し真剣に向き合い、研鑚を重ねる彼女。故に「アイドル」にも自分と同じ要素を敏感に感じ取る嗅覚があります。「笑顔で腕立て伏せができるか」という穂乃果への問いかけは、「アイドルに必須の要素」を端的に伝える手段になりました。

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使い古された表現でいえば「白鳥が湖の下では必死に足掻きをしている」のと同じように、優雅なパフォーマンスの裏には、必死の研鑚と努力がつきものなわけです。その視点をこの2話で伝えることはとても「重要」でした。真姫が指摘する通り「軽くて遊んでて」も出来てしまうもの=「アイドル」と視聴者に認識されてしまえば、物語自体への関心を失いかねない危険性があるからです。

物語内でもそれは同じ。穂乃果・ことりに「アイドル」の難しさと厳しさを早めに認識させることで、彼女達が「真剣に取り組む」動機へと変化させていき、その認識変化が周りの人々へも影響を与えていくのです。

「体力不足」を痛感した海未は、神田明神の階段を用いたトレーニングを開始。神田明神でアルバイトをしている希は、日々トレーニングを重ねる穂乃果たちを見つめることで彼女達の「本気」を実感するに至ります。

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また、アイドルを「軽くて遊んでて、薄っぺらい」と評した真姫には「笑顔で腕立て伏せ」を実践させることで難しさを実感させます。これも海未の指摘があったからこそ出来たことです。

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海未はこの後もμ'sを鍛え上げる「悪代官」「鬼教官」として辣腕をふるうわけですが、そんな彼女の真価は第2話で早くも発揮されていたわけです。

...さて、これも余談ですが、トレーニングの過程とそれをクリアしていく様子を「何度も繰り返し、成長を描く手法」をモンタージュと呼びます。これは「階段」というモチーフも相まって間違いなく「ロッキー」の影響にある表現法でしょうね。

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「ロッキー」は「ザ・ハリウッド映画」と呼んでふさわしい作品だけに、「ハリウッド作劇」に基づき作られている「ラブライブ」にも影響を与えている重要な映画だと思います。見たことのない方はぜひご覧いただけると幸いです(最悪1・2・FINALだけでも良いので)。

※ちなみに大好きな映画「チーム・アメリカ ワールドポリス」では「モンタージュ」って曲が出てきます。歌詞がしょうもないですw

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☆その6 真姫の心を動かす「言葉」

2話中盤。穂乃果は真姫を勧誘する際に「学校を救うため」という言葉を使います。しかし真姫はそれにはまったく興味を示しません。

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真姫がなぜ音ノ木坂に通うことになったのかは不明ですが、まだ入学したてで、学校への思い入れが薄い1年生にとっては心に響かない言葉であるのは確かでしょう。いかにして真姫の心を動かすか。そのキモになるのは「音楽」でした。

入学以来クラスには溶け込めず、音楽室に通い詰める毎日だった真姫。彼女にとって最も大事な存在は「学校」でも「友達」でもなく、「音楽」です。

f:id:ishidamashii:20170402151224j:plainそんな孤独を愛する彼女が、音楽室で一人弾き語る曲は「愛してるばんざーい」。「苦境の中でも希望を持つことの意味と尊さを高らかに歌い上げる楽曲」であるこの曲は、今の真姫の雰囲気とはミスマッチにも思えます。「ラブライブ」が「ミュージカル作品」である以上、楽曲が登場する際にはなんらかの文脈をもって登場するのが基本。そう考えるとこの曲の歌詞にヒントがあるようにも思えます。

想像ではありますが、元々は「音楽の道」を志していた真姫は、「なんらかの事情」で音ノ木坂に進学せざるを得なくなり(恐らく家庭の事情でしょうか)、結果捻くれてしまっている...。この曲(愛してるばんざーい)は「音楽の道」を志す半ばで作った楽曲で、だからこそ歌詞は前向き。しかし「音楽の道」が閉ざされた現在の真姫にとっては皮肉に響く曲になってしまっていて、今はそれを一人音楽室で奏でる事が唯一の「破れた夢への癒し」になってしまっている...という感じでしょうか。あくまでも妄想ですけど(笑)。

ただし真姫が既に「夢破れた存在」として登場しているのであれば、彼女がここまで捨て鉢な学校生活を送っているのもちょっとは理解できる気もするのです。

そんな真姫の心を動かすのは彼女の「音楽」に対する評価だけ。穂乃果は他意なく真姫の「演奏」と「歌声」が「好き」なのだと語ることで、頑なだった真姫の心を動かします。

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第1話でも自らの「音楽」を褒められることで赤面していた真姫。恐らく、彼女が一番「褒められたい」のは「自らの音楽性」なのでしょう。しかしそれを積極的にアピールできない。だからこそ「誰かに見つけてほしくて」音楽室で毎日自作の曲を演奏していた...とも考えられます。そう思うと、その不器用さが愛おしくて仕方なく思えてきますね。ただこの「誰かに見つけてほしい」と願う少女たちがμ'sによって「救い上げられていく」というのも「1期」の中心となる物語でもあります。

更に真姫の心を動かしたのは、海未の詩。

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海未が書き下ろした「START=DASH!」は「苦境を見据えながらそれでも夢見る事の尊さ」を歌ったもの。それは真姫が音楽室で一人奏でていた「愛してるばんざーい」と共通するテーマ。図らずも一致した自らの思いと海未の歌詞。故に真姫はいよいよ曲を提供する決意を固めたように見えます。

「恥ずかしいならこっそりという手もある」そんな希の言葉は、「素直になれない」真姫にとっては励みになるもの。こうしてμ'sにとっての初めてのオリジナル楽曲となる「START=DASH!」が誕生します。

 

☆その7 「START=DASH!」

2話ラスト。屋上でPCから流れ出す曲は「START=DASH!」。μ'sの始まりを告げる楽曲にして、1期のアンセムでもあります。

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軽やかでありながらどこか悲壮感をたたえ、厳かな雰囲気を持つ美しい楽曲。それはμ'sのスタートが決して「晴れやか」でないことを暗に伝えてもいるわけですが。。

何はともあれオリジナルの楽曲を遂に手にした3人の表情は晴れやか。そして楽曲を提供した真姫の表情も穏やかです。それは真姫の夢=「音楽」が理想とは別の形であれ「繋がった」からでもあります。「音楽」の夢を捨てざるを得なかった真姫は、再び「音楽家」としての「役割」を得ることで「希望」を取り戻します。そしてそれを与えてくれたμ'sへ、感謝の気持ちを込めて「投票」を行います。

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真姫にとっては初めて「他人のため」に作った曲。誰かに求められ、誰かの為に自分の力を使う...ということが無かった真姫にとってその経験は彼女の心を軽くしました。軽くなった心は彼女の「頑なさ」を少しだけ薄れさせ、それがμ'sへの「一票」のきっかけにもなったわけです。

以後μ'sは自らが動くことで様々な人々を救っていきます。とはいえ、続く3話ではとてもとても大きなカセが発生するわけですが...。それは次のお話ということで。

 

....ということで第2話考察でした。思った以上に色々な要素が含まれたとても大事な回だったので、結構時間がかかってしまいました。足りていない要素があったらすみません。直接お問い合わせ頂けると幸いです。

さて次回はターニングポイント3話。続けてしっかりやってまいりますので、よろしくお願いしますm(__)m

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