キャラクター編 その③は頑固オヤジこと果南さんです。
■松浦果南
「友のため自らの夢を封印した。頑固で、不器用で、誰よりも優しい"大黒柱"」
ポジティブで、運動好きで、考えるよりも先に身体が動く。
ちょっとドジなところもあるけど、皆を包み込む大きな包容力と責任感を持つ頼れる大黒柱。
そんなキャラクター設定が、アニメではあえて終盤まで「封じられてしまった」のが果南。
それは「シナリオの重要ポイント」に「果南を中心とした3年生の過去」がチョイスされたからで、仕方ない部分もあったのですが、果南本人と果南ファンにとってはちょっと可哀そうな部分もありましたね。
とはいえ、アニメ終了後の”人気の爆上げ”を考えれば、必ずしもマイナスとは言い切れないかもしれませんが。
果南の魅力とはどこにあるんでしょうか。
個人的には、彼女の魅力は「利他的」なところ。
それに加えて「不器用」な所だと思います。
果南が自ら率先して進めていた「スクールアイドル活動」を「休止」させたのは、親友である鞠莉の「進路」にまでアイドル活動が影響を及ぼすことを懸念したから。
あるいは学校を休学した理由も「実家の手伝いを優先する」ため。
これらの「他者のために自分を殺す」という姿勢は、果南の「利他的精神」の現れのように思えます。
とはいえ、「スクールアイドル活動休止」に関しては、その方法があまりにも強引で、一方的でもあったため、本来「利他」の対象にあたる鞠莉に訝しがられ、結果としてそこを修正できずにどんどん綻びが広がっていきました。
また協力者であったダイヤもきちんと説得できていたわけではなかったので、こちらの動きも規制できず。
結果として、本来「器用」ではない果南は「口をつぐむ」ないしは守ろうとした相手に「嫌われ」「関係を閉ざすこと」で、その対象を「守ろう」とするわけです。
あぁ、なんと「不器用」な...。
鞠莉に「活動休止」を告げる部室でのシーン。
「スクールアイドルが嫌になった」と口で言いながら、ホワイトボードには「未熟DREAMER」の歌詞を書き続けます。
そこには口で話すこととは対照的な言葉が並んでいます。
本当のメッセージはここにあることを伝えようと必死ですが、しかしながらその意図は鞠莉には伝わりません。
ダイヤは意図に気付きながらも、鞠莉にはそれを伝えられず、結果として彼女達は「空白の約2年」を送ることになるのです。
あぁ、なんと「不器用」な...。
とはいえその「空白」があったからこそ、彼女達の和解は感動的であり、最終回13話でのやりとりにも「深み」が生まれたのです。
「利他精神」は彼女自身が持つ「包容力」の現れ。
今後カセから解放された果南は、恐らく活き活きとその魅力を発揮してくれるはず。
その時明らかになる果南の新たな魅力を発見できるのが、今から楽しみです。